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【社長対談】LOCUS代表 瀧氏に聞く、動画広告の未来(前編)

記事公開日:2018/10/22
最終更新日:2019/03/13
【社長対談】LOCUS代表 瀧氏に聞く、動画広告の未来(前編)

Googleが2018年8月、Youtubeにおける動画広告のコンバージョン件数が前年比150%の伸びを示したことを発表しました。また、YouTube総研は、2017年の動画市場は1093億円、2020年には2,000億円を突破するとの予想を発表しています。

今後、広告手段として、コンテンツの形態としてますます活用が広がっていく「動画」について、年間2,000本近い動画制作を手がける株式会社LOCUS 代表取締役社長の瀧 良太氏に、Mtame株式会社の代表取締役社長の金井が、動画広告を中心に活用のコツや今後の動向をうかがいました。

瀧 良太 氏
  • Profile
  • 瀧 良太 氏
  • 株式会社LOCUS 代表取締役社長

    2006年株式会社ビー・スタイルに新卒として入社。入社1年目に動画関連事業を立ち上げ、2007年マネージャーに就任。
    2010年株式会社ビー・スタイルから動画事業の事業譲渡を受け株式会社LOCUSを設立。
    テレビCMしか存在していなかったといっても過言ではない旧態依然とした動画マーケットにイノベーションを起こすべく、600名のフリーランス動画クリエイターとともに動画マーケティング事業を展開している。

金井章浩
  • Profile
  • 金井 章浩
  • スターティアラボ株式会社 取締役
    Mtame株式会社 代表取締役

    2006年スターティアに新卒として入社。2009年にスターティアラボ立ち上げに参画。
    2014年にWebプロモーション事業部を立ち上げ、同事業部を2018年にMtame株式会社として分社化、代表取締役に就任。
    近年のマーケティングテクノロジーの高度化に伴い、マーケティング効率が飛躍的に高まっている一方、まだまだそれらを使いこなせていないのが現状。それらをシンプル化することで多くのマーケターがより高い成果を生むしくみの普及に努めている。

1.動画市場の8割が広告費、2割が制作費 ~動画市場の現状~

瀧氏・金井

金井:YouTube総研の発表によれば、2017年の動画市場は1093億円、2020年には2,000億円を突破すると予想されていますが、実際に個別の企業が動画にかける予算は増えているのでしょうか?

瀧:そうですね、このデータは動画広告市場を指したものだと思うので、単純に動画全体を語るのは難しいと思います。このうち8割程度が広告媒体の数字で、残り2割が制作の市場でしょう。当社も動画市場調査のヒアリングに協力したことがありますが、そのぐらいだと思います。

金井:御社での広告の割合はどのくらいですか?

瀧:現在、ダイレクトレスポンス系の動画制作を含めると、毎月150本程度の動画を制作していますが、広告目的だけの動画制作は約3割となります。広告以外だと、展示会や営業ツール、サービス紹介、採用、研修向けなどがありますが、総じて動画制作の依頼本数は増加傾向にありますね。

金井:Mtameのお客様には中小企業が多く、まだ動画広告を始めていなかったり、動画そのものを持っていないところも多く、中小企業ではまだ動画の導入が進んでいないように感じます。

瀧氏

瀧:当社のお客様は、現在1,200社ほどで、大手から社員数名の小規模の企業までと幅広いのですが、少しずつ企業規模の裾野が広がってきているのは確かです。

金井:やはりBtoC企業のお客様が多いのですか?

瀧:そうでもありません。BtoB企業のお客様も多いです。ただ、BtoBの中小企業で広告用動画の受注というのは現状は少ないですね。企業PR用、営業ツールや展示会用、研修用などが中心です。展示会用動画も広い意味では広告用といえますが。

金井:プロモーションに含まれるので、そうですね。BtoBでも、IT系の動画広告は最近よく見るようになってきた印象があります。

瀧:タクシーの車内動画広告はITサービスなどBtoB広告が多いですよね。

2.ありものの商品動画を動画広告に転用しても効果は上がるのか?

金井

金井:営業ツールや展示会用として制作した動画を広告に転用する例もあるのですか?

瀧:一部を切り出して使うケースはありますが、基本的には、最初から転用を視野に入れて制作するか、広告用に作らないとうまくいきません。

金井:当社ではARサービスを販売していますが、お客様の多くは、マーカーにかざした後、表示させるコンテンツに既存の映像を使うケースがほとんどで、ARのために新たに映像コンテンツを作るというお客様はまだまだ少ないのが現状です。

理由としては、「企画ができない」「コストをかけられない」というものが多い。社内にある商品説明動画などをそのまま使ってしまうので、尺も5分くらいある長い物もあったりします。

瀧:それでは、ARとマッチしないケースが多そうですね。

金井:その通りです。広告用の動画についても同様なのでしょうか?

瀧:少し状況は異なります。中小企業の割合は少ないですが、中小企業でも動画広告のために制作を依頼してくるところはあります。理由としては、やはり、既存の動画を広告に転用してもうまくいかないケースが多いことです。

金井:たとえば、大手企業の場合だと、TVCM用の動画をWebの動画広告に転用するケースがありそうですが。

瀧:ありますね。掲載媒体によっては、それでもうまくいきます。たとえば、強制的に視聴させるミッドロール広告枠なら起承転結ストーリーのTVCMそのままでも活用できるでしょう。逆に、Facebook広告などは、音をミュートして視聴している人の方が多いので、音ありきで制作されているTVCMそのままを転用しても成功しません。さらに、最初の数秒で視聴者を惹きつける必要があるので、オチが最後に来る起承転結型のTVCMでは難しいです。

3.ミュートで閲覧されやすいInstagramなどはビジュアルのみで伝わる工夫を!~SNSごとの動画広告の特徴と制作のポイント~

瀧氏・金井

金井:掲載媒体(SNS)ごとの動画広告の特徴や制作のポイントについて、もう少し詳しく教えてください。

瀧:まず、メディアや配信方法は関係なく、ユーザーに動画広告を見てもらうためには、広告をコンテンツ化するという視点が必須です。スマートフォンが主体となり、画面が小さくなったことで動画の占有率が高まったこともありますが、多くのコンテンツが生活の中に溢れている状態であり、動画広告自体はスキップできる仕様が多いため、視聴者に対してノイズと思われないコミュニケーション設計が大切だという点が理由となります。

上記を前提として、Youtubeの場合、

【TrueView広告】

冒頭は開始5秒以内にターゲットが「自分ごと化」できるメッセージや演出で惹きつけ、その後の構成はオチや次の展開を期待させる演出を盛り込むことが必須となります。
とはいえ最初の1、2秒が大事なので、開始5秒後もスキップされずに乗り越えることができれば、最後まで動画を視聴してもらえる可能性が格段に上がります。

【バンパー広告】

「ワンメッセージ」が1つ目のポイントとなります。
どうしてもあれもこれもといろいろなメッセージを詰め込んでしまう傾向がありますが、尺がたったの6秒なので、ワンメッセージに絞ることが重要となります。

2つ目は「複数クリエイティブ」です。インプレッション単価ですが、他のフォーマットと比べると比較的費用を抑えて配信できるのでリーチを最大化できるため、ターゲットごとに複数クリエイティブを制作し、当てて検証することが重要です(単価を安くできるため)。また、企画によってはフリークエンシーでコントロールしてストーリー連載で訴求するなども効果的です。

3つ目は「モバイルファースト」です。モバイルに優先的に配信されるので視聴環境とデバイスの大きさを意識したデザインや文字の大きさが重要になってきます。

瀧氏・金井

次に、Facebookの場合、スマホでの視聴を意識して、フィードの中でも視認性が高まるよう縦横比を正方形にするのが良いともいわれています。一概にはいえませんが、横より縦型動画のパフォーマンスが5~8倍良いという実績もあります。
また、Youtubeとは違い、ユーザーがミュートで見ていることが多いため、それを考慮して音声なしでも伝わる工夫(画のみでわかる、補足テロップを入れるなど)が必要です。

さらに、フィードでも目立つように最初の掴みとして動きだけでも目を引くクリエイティブを意識すると良いでしょう。Facebookは半自動で最適化してくれるので、複数クリエイティブを回していくのもポイントです。

TwitterもFacebookと同様でミュートで見ていることが想定されるので、音声なしでもわかりやすい工夫と、ほかのSNSに比べてスクロールが早い傾向があるためフィードで目立つクリエイティブはマストです。さらに、Twitter上で長尺動画を見るには至らないケースが多いため、10秒以内の動画に納める必要があります。

いいねやリツイート、コメントもしやすく相互的なコミュニケーションを起こしやすいメリットがあるため、カンバセーショナルカードなどの機能を活用し認知拡大に向けて拡散を促すTwitterの世界観ならではの施策を展開するのがポイントになります。

Instagramでは、ビジュアルで目を引くクリエイティブが大切です。もちろん、正方形のクリエイティブが必須です。音声なしで伝わる工夫とフィードで目立つクリエイティブはFacebookやTwitterと共通です。
Instagramはブランディング目的がマッチし、Facebookと連動しているため細かいターゲティングにも対応可能です。
ストーリーズでは、縦長で、CVR率を高めるためにスワイプアップを促すクリエイティブが重要となります。

―後編へつづく―

株式会社LOCUS

動画制作・映像制作・動画コンサルティングのLOCUS(ローカス)は動画を軸に企業の課題解決を支援。
年間1500本以上、累計1万本の動画制作実績に基づく確かなノウハウと柔軟な映像制作体制で、費用対効果の高い課題解決を実現しています。
【プロフィール】https://movieprint.jp/users/780

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