Facebook広告とは?やり方や種類をわかりやすく解説
最終更新日:2024/01/25
Facebook広告とは、Facebookプラットフォーム上で展開されるデジタル広告のことです。
Facebookは、実名登録が基本なこともあり、ターゲティング精度が高いのが大きな特徴です。
また、低コストで利用できるため、中小企業や小規模事業者にとっても利用しやすい広告だといえるでしょう。
この記事では、Facebook広告の基礎から、種類や効果的な活用方法について詳しくご紹介します。
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広告ごとの詳細はもちろん、一覧表にもまとめているため、「どの広告サービスに出稿したらいいかわからない」「手っ取り早くWeb広告の全体像が知りたい」という方に特におすすめの資料です。
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目次
Facebook広告とは?
Facebook広告は、Facebookプラットフォーム上で展開されるデジタル広告のことです。
日本において、Facebookはビジネス層の利用が多いことから、BtoB商材の広告媒体として最適です。
ただ、Facebookは世界中にユーザーを持っており、幅広い年齢層と多様な興味を持つユーザーにリーチすることが可能なため、グローバル展開する企業にとっても魅力的な広告媒体といえます。
国内外のターゲットにアプローチするのに適していることから、マーケティング部門にとって重要なデジタル広告となっています。
Facebook広告の特徴
Facebook広告の主な特徴は、次の5点です。
ターゲティングの精度が高い
Facebook広告では、ユーザーの興味や行動、人口統計学的特徴などのさまざまなデータから、詳細なターゲティングを行うことができます。
たとえば、「30代の男性で、過去にオンラインセミナーの広告をクリックしたことのある東京在住のユーザー」といった具合です。
特に、Facebookの利用時は実名登録が基本となっているため、登録されている情報の信ぴょう性も高いといえます。
ターゲティングの方法について詳しくは、「Facebook広告のターゲティング」でお伝えいたします。
少額から配信できる
Facebook広告は、低い予算から始められます。たとえば、1日当たり100円程度の広告額から出稿できます。
このため、マーケティングの予算が限られている中小企業でも利用が可能です。もっといえば、個人事業主などでも利用できます。
また、スモールスタートで様子を見ながら予算を上げていくことができます。
InstagramなどMeta社の他媒体などにも配信できる
Facebookだけでなく、InstagramやMessengerなど、Meta社のほかのプラットフォームにも広告を配信することができます。これにより、より広い範囲の層にリーチすることが可能です。
詳しくは、「Facebook広告の配信先」でお願いします。
中高年層のビジネスマンにリーチしやすい
日本においてFacebookのユーザーは、30代の利用が最も多く、20~50代によく利用されているSNSです。ビジネス用のSNSとして利用するユーザーも多いため、ビジネス層の利用が多いと考えて良いでしょう。
このため、Facebook広告は中高年層のビジネスマンにリーチしやすいといえます。中高年層ということは、経営者や企業の中で決裁権を持つ管理職以上の人の利用も多いと考えられます。
特に、BtoBの商材やサービスの広告媒体として適しています。
広告の効果測定が簡単に行える
Facebook広告は、中小企業がデジタルマーケティングを効果的に行うための強力なツールとなっています。
Facebookの広告管理ツールである「広告マネージャ」を利用すると、広告のパフォーマンスをリアルタイムで追跡し、効果測定を行うことができます。
また、Facebook広告では、異なる広告バリエーションをテストできる「A/Bテスト」も可能です。A/Bテストを活用すれば、最も効果的な広告戦略を見つけることができます。
これらの活用により、詳細な分析が可能になり、広告戦略の最適化が容易になります。
Facebook広告のメリット
Facebook広告は、日本国内の中小企業に多くのメリットを提供します。
以下の4点が、その主なメリットです。
ターゲティング精度が高い
「Facebook広告の特徴」でもご紹介しましたが、Facebook広告では、ユーザーの興味や行動、人口統計学的特徴に基づいて、非常に細かいターゲティングが可能です。これにより、広告のリーチを最適化し、効果的な広告キャンペーンを実施することができます。
少額から配信可能でスモールスタートできる
これも「Facebook広告の特徴」でもご紹介しましたが、Facebook広告は、少額の予算から始めることができます。このため、予算に制限がある小規模な企業でも、広告活動を始めやすくなります。
広告のフォーマットの種類が豊富
Facebook広告では、画像、動画、カルーセル広告など、多様な広告フォーマットを利用できます。
たとえば、画像広告なら視覚的に魅力的な画像を使用して、製品やサービスを紹介できますし、動画広告なら、よりダイナミックな広告体験を提供できます。また、カルーセル広告であれば、複数の画像や動画をスライドショー形式で表示することで、いくつもの製品を一挙に紹介することができます。
このように、Facebook広告では商品やサービスの特性に合わせた効果的な広告を作成することが可能です。
カスタマージャーニーのさまざまな段階の層へアプローチできる
カスタマージャーニーの多くでは、「無関心」から始まり、「課題認識」「解決探索」「業者選定」などを経て「購買」へと至ります。
Facebook広告では、出稿の際に「広告の目的」を選択する画面が出てきます。「広告の目的」とは、Facebook広告を見たユーザーに取ってもらいたい行動のことです。Facebook広告では、「認知」「検討」「コンバージョン」の3つのカテゴリに沿って、「ブランドの認知度アップ」「トラフィック」など、13種類の目的が用意されています。
このため、狙っているターゲット層の各購買プロセスのさまざまな段階に合わせて、ターゲティングを行うことができます。これにより、意識の高い顧客だけでなく、初めてブランドに触れる顧客にも効果的にアプローチすることが可能です。
Facebook広告のデメリット
Facebook広告は多くのメリットを提供しますが、いくつかのデメリットも存在します。
効果の持続時間が短い
Facebook広告は、短期間での効果が顕著ですが、長期的な効果を維持するのは難しい場合があります。
これは、ユーザーの関心が移り変わりやすいFacebookの特性に起因します。配信から一定期間が経つと、どうしても同一ユーザーに同じ広告が表示されやすくなってしまうためです。
このため、1~2週間に1度くらいのペースで、新たなクリエイティブを追加するなどの工夫が必要になってくるので、運用に手間がかかります。
仕様変更が多い
Facebookは定期的にアルゴリズムやプラットフォームの仕様を更新します。その頻度は、ほかの広告媒体に比べると多いといえるでしょう。
このため、常に最新の情報をチェックした上で広告戦略を頻繁に見直し、最新のトレンドに適応する必要があります。これも運用の手間となります。
これらのデメリットを踏まえた上で、Facebook広告を効果的に活用するための戦略を立てることが重要です。
Facebook広告のメリットとデメリットについては、下記の記事でもわかりやすくまとめているので、ご覧ください。
【関連記事】
Facebook広告って活用できるの?メリットデメリットのまとめ
Facebook広告の種類
Facebook広告には、さまざま種類があり、目的に応じて選べます。
ここでは、主に広告のフォーマットによる分け方と、掲載配置の2つの切り口からご紹介します。
広告の種類
Facebook広告を広告フォーマットで分けると、次の9種類があります。
画像広告
画像広告とは、1枚の画像内に広告文などのテキストと写真やイラストだけで構成されるFacebook広告です。テキストが占める割合は20%以内と決められています。
商品やサービスの魅力を一枚の画像で伝える、最も手軽に出稿できるフォーマットです。
画像広告は、「掲載配置の種類」でご紹介するすべての配置に対応可能です。
動画広告
動画広告とは、動画を使用して、よりダイナミックな広告体験を提供できるFacebook広告です。ユーザーが見ている画面上に広告が表示されると、自動的に動画が再生されるため、ユーザーの関心を引きつけることができます。
画像広告よりも多くの情報をユーザーに届けられますし、ユーザーの記憶にも残りやすいでしょう。
認知度向上などを目的とした広告に向いています。
再生回数や、一定割合までの再生回数などの詳細なデータを取得できます。
ただ、画像広告に比べると動画制作にノウハウや工数が必要になるため、利用のハードルは上がります。
動画広告も、「掲載配置の種類」でご紹介するすべての配置に対応可能です。
スライドショー広告
スライドショー広告とは、複数(2~15点)の画像や動画をスライドショー形式で表示させるFacebook広告です。
動画広告に比べて軽量なため、低速のインターネット環境でもスムーズに表示される点が強みです。
管理画面にテンプレートが用意されており、画像を選ぶだけで、簡単に作成できます。
表示時間が最大で15秒であるため、15点の画像を設定する場合は、テキストがほとんどない画像のみにするといった工夫が必要です。
スライドショー広告も、「掲載配置の種類」でご紹介するすべての配置に対応可能です。
カルーセル広告
カルーセル広告とは、1つの広告で複数の商品を宣伝するために開発されたFacebook広告で、複数(3~5点)の画像や動画を、ユーザーがスワイプすることで表示させられます。
画像・動画ごとにリンク先URLやCTAボタンを設定できるため、さまざまな商品やサービスを紹介することが可能です。ちなみに、LINEやTwitterのカルーセル広告では、1つのカルーセル広告につき1つのURLしか設定できません。
カルーセル広告も、「掲載配置の種類」でご紹介するすべての配置に対応可能です。
インスタントエクスペリエンス広告(旧キャンバス広告)
インスタントエクスペリエンス広告とは、モバイル端末のみで表示可能なFacebook広告で、スマートフォンなどのFacebookアプリ上で広告をクリックするとフルスクリーンで表示されるものです。
インスタントエクスペリエンス広告で表示できる広告データの種類は、画像、動画、スライドショー、カルーセルです。
広告をクリックしても、直接はWebサイトに遷移せず、一旦、画像・動画を表示したページを挟みます。このため、ユーザーにより多くの情報を伝えることができます。
6つのテンプレートが用意されており、簡単にインスタントエクスペリエンス広告を作成することができます。
コレクション広告
コレクション広告とは、メインとなる大きな画像・動画と、小さな複数の画像が一緒に表示されるモバイル端末向けのFacebook広告です。コレクション広告をタップすると、上記のインスタントエクスペリエンス広告に遷移します。
カルーセル広告やインスタントエクスペリエンス広告のようにユーザーのアクションを待たずに複数の画像を見てもらえる点がメリットです。
なお、パソコンではコレクション広告を表示させられません。
コレクション広告が、フィードのみに掲載できます。
リード獲得広告
リード獲得広告とは、Facebook広告上に会員登録や見積もり依頼などのフォームを設置して、名前やメールアドレス、電話番号といったユーザーの情報を取得できるタイプの広告です。
Facebook側であらかじめ用意している「定型の質問」を利用すれば、プロフィールに設定してある情報があらかじめ入力された状態でフォームが表示されるため、ユーザーがフォームに入力する手間を省くことができます。なお、「定型の質問」には、メールアドレスや電話番号、住所など、20項目が用意されています。
リード獲得広告は、フィード、ストーリーズ、インストリーム、インスタント記事への表示に対応しています。
ダイナミック広告
ダイナミック広告とは、Facebookの動的リマーケティング広告です。動的リマーケティング広告とは、ユーザー1人ひとりの閲覧した商品情報や行動履歴を元に、関連商品を一覧化して出し分ける配信方法の広告で、Facebook広告のほかには、GoogleやYahoo!、LINEなどでも利用できます。
ユーザーの興味や行動に基づいて自動的に広告内容を最適化できるため、個々のユーザーに合わせたパーソナライズされた広告を提供することができます。
ダイナミック広告は、上記の「画像広告」「カルーセル広告」「コレクション広告」に対応可能です。
近隣エリア広告
近隣エリア広告とは、ユーザーの現在地情報に基づいて、店舗の近くにいるユーザーへ広告配信を行うFacebook広告です。来店の可能性が高い層だけに広告を表示させられるので、費用対効果を高められます。
店舗のほか、イベントを宣伝するのに向いています。
掲載配置の種類
Facebook広告を掲載配置で分けると、次の4種類があります。
フィード
フィードとは、Facebookの中央に表示される記事のリストのことです。フォローしているユーザーやページ、グループの近況アップデートや「いいね!」などが表示されます。
“いかにも広告”といった印象を与えにくいため、クリック率が高いのが特徴です。
その分、無駄なクリックが発生して費用がかさむケースもあります。
フィードに表示されるFacebook広告には、次の8点があります。
- 画像広告
- 動画広告
- スライドショー広告
- カルーセル広告
- コレクション広告
- リード獲得広告
- ダイナミック広告
- インスタントエクスペリエンス広告
ストーリーズ
ストーリーズとは、Facebook上に24時間限定で表示される投稿機能で、友達やフォロワーなど自分が選択したユーザーにだけ表示させることができます。タイムラインに残らないので、気軽に投稿できる点が特徴で、二択のアンケートを取ることもできます。
ストーリーズに表示されるFacebook広告は、ショート動画形式を取ります。選んだ画像・動画から簡単な操作でストーリーズ広告を自動作成することが可能です。
縦型フルスクリーン表示が可能なため、ユーザーにアピールすることができます。
また、ストーリーズに表示される広告はストーリーズそのものとは異なり、24時間で消えるものではありません。
ストーリーズに表示されるFacebook広告には、次の2点があります。
- 画像広告
- 動画広告
インストリーム
インストリーム広告とは、Facebook上の長さが1分以上の動画コンテンツの前後や途中に挿入できる15秒の広告です。
動画視聴中のユーザーの注意を引くことができ、特に動画コンテンツに関連する製品やサービスに適しています。
インストリームに表示されるFacebook広告には、次の2点があります。
- 画像広告
- 動画広告
検索
検索広告は、Facebookの検索結果に表示される広告です。特定のキーワードや関連するトピックに基づいて表示されるため、関心の高いユーザーにリーチすることができます。
なお、Facebookの検索広告は、Marketplace(マーケットプレイス)の検索結果にも表示されます。
Marketplaceとは、Facebook内のフリーマーケットサービスのことです。18歳以上なら誰でも利用することができますが、日本語には対応しておらず、英語での利用が必須となります。
検索に表示されるFacebook広告には、次の4点があります。
- 画像広告
- 動画広告
- スライドショー広告
- カルーセル広告
Facebook広告の配信先
Facebook広告の配信先は、実はFacebookだけではありません。
Facebookのほかにも、Messenger、Instagram、Audience Networkの全4つのプラットフォームへ配信可能です。
広告配信の主要なプラットフォームは、Facebookとなります。
ターゲットとなるユーザーの興味や行動に基づいて配信されるため、効果的なリーチが期待でき、ユーザーのフィードやストーリー、動画の中などに表示されます。
また、Facebookページを持つ企業は、そのページのフォロワーに直接広告を表示させることも可能です。
Messenger
Messengerとは、Facebookのメッセージ機能のことです。
Messenger内の広告は、ユーザーのチャットリストの中に表示されることが多いため、個人的なコミュニケーションの中に自然に溶け込むかたちで広告を展開できます。広告くささを払拭したクリエイティブが適しています。
Instagramとは、ビジュアルコンテンツに特化したSNSのプラットフォームで、Facebook広告の配信先としても人気です。若年層を中心としたユーザーにリーチしやすく、視覚的魅力を活かした広告展開が可能で、特に、ビジュアルコンテンツが強いブランドや製品にとって、Instagramは効果的な広告媒体となります。
Instagramの広告は、フィードやストーリー、リールなど、さまざまな形式で表示されます。
Audience Network
Audience Networkとは、Facebookが提携している数千以上のアプリやWebサイトに広告を配信できるアドネットワークのことです。Audience Networkを活用することで、Facebookユーザーに対して、Facebookのプラットフォーム外でも広告を表示することができます。
米国ではGoogle Playの上位500の無料アプリのうち、32%に配信可能で、日本の媒体だと、たとえば、東洋経済ONLINEや現代ビジネス、グノシーなどがあります。
Audience Networkを通じて配信される広告は、ユーザーの興味や行動に基づいて最適化され、広告のリーチをさらに広げることが可能です。
Facebook広告の費用
Facebook広告でかかる費用について、Facebook広告の課金方式と広告予算設定の2つの観点から見ていきましょう。
Facebook広告の課金方式
まず、Facebook広告で選択できる主な課金方式として、次の3つがあります。
インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金(CPM)とは、広告が表示される回数に基づいて課金される方式のことです。広告が1,000回表示されるごとに課金が発生します。
広告が多くの人に見られることを目的とするキャンペーンに最適です。たとえば、ブランド認知度の向上や広告の露出を重視する場合に適しています。
クリック課金(CPC)
クリック課金(CPC)とは、広告がユーザーにクリックされるごとに課金される方式のことです。
広告のクリックを通じて具体的な成果を求めるキャンペーンに適しています。特に、Webサイトへのトラフィック増加や、申し込み、購入など特定のアクションの促進を目指す場合に有効です。
動画の再生課金(CPV)
動画の再生課金(CPV)とは、広告動画が再生されるごとに課金される方式のことです。
動画の再生課金(CPV)には、「ThruPlay」と「動画の2秒以上の継続的な再生」があります。
「ThruPlay」は、動画が15秒以上再生されるたびに料金が発生します(15秒未満の動画の場合は最後まで再生されたら料金が発生)。
15秒という時間設定は、動画広告の中でも長い方。動画コンテンツを通じて製品やサービスの特徴を伝えたい場合に適しています。特に、視覚的な魅力を前面に出したいキャンペーンに有効です。商品・サービスなどについて、動画を通して理解を深めて欲しいという場合に最適です。
「動画の2秒以上の継続的な再生」では、その名の通り、動画が2秒以上再生された場合に料金が発生します
Facebook広告の広告予算設定
Facebook広告では、予算内で広告運用を行うために、広告費予算の上限設定が行えます。
主な設定方法は、次の3点です。
アカウント上限予算
アカウント上限予算を設定すると、そのアカウントで運用しているFacebook広告すべての合算で、最大予算を設定できます。広告費が上限に達すると、広告掲載を停止します。
アカウント上限予算の活用によって、全体の広告支出を管理し、予算オーバーを防ぐことができます。
キャンペーン上限予算
キャンペーン上限予算を設定すると、特定の広告キャンペーンに割り当てられる最大予算を決めることができます。
キャンペーン上限予算を活用することで、特に注力したいキャンペーンに予算を多く回すといったことが可能になります。
広告セット上限予算
広告セット上限予算を設定すると、上記の「キャンペーン上限予算」よりももっと詳細な広告の条件を指定した上で最大予算を決められます。
たとえば、ターゲットや広告の配信方法を定義したグループごとに割り当てる最大予算を設定可能です。
広告セット上限予算を活用することで、特定のターゲット層や広告の種類に対する投資を細かくコントロールできます。
Facebook広告のターゲティング
Facebook広告の最大の特徴の一つは、その高度なターゲティング機能です。この機能により、企業は特定のターゲット層に対して効果的に広告を表示することができます。
ターゲティングの種類は、主に次の3つがあります。
コアオーディエンス
コアオーディエンスとは、Facebookが提供するデータを元にターゲットを設定する方法です。
年齢、性別、居住地、興味・関心、行動パターンなど、さまざまな基準を組み合わせてターゲット層を定義できます。
たとえば、「日本の関東地域に住む20代の女性で、子どものいない人、かつ、自社のFacebookページの投稿に「いいね!」した人」などをターゲットにすることが可能です。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスとは、企業が既に持っている顧客データ(メールアドレスや電話番号など)を使用してターゲットを作成する方法です。
カスタムオーディエンスを活用することで、既存の顧客やWebサイトの訪問者に再度アプローチすることが可能になります。特に、リピーターを持つ中小企業にとって、この方法は効果的です。
類似オーディエンス
類似オーディエンスとは、カスタムオーディエンスを分析した上で、似た特徴を持つ新しいユーザーをターゲットにする方法です。
類似オーディエンスを活用することで、新規顧客開拓が可能になります。新市場への進出を考えている中小企業にとって、この方法は特に有効です。
Facebook広告配信のやり方(出稿方法・手順)
ではここで、Facebook広告の具体的な出稿手順を見てみましょう。
Facebook広告の出稿準備
Facebook広告を配信する前に、まず、準備しなければならないことがあります。
それは、広告アカウントの発行とビジネスマネージャの作成です。
企業でFacebookページを開設し、運用しているところは多いですが、広告を出稿するには、ビジネスアカウントとは別に広告アカウントが必要になります。
広告アカウントを作成する際には、Facebookビジネスマネージャを利用することが一般的です。FacebookビジネスマネージャはFacebookやInstagramのマーケティング活動や広告活動を一元管理する公式ツールで、複数のFacebookページやInstagramアカウント、広告アカウントを管理したり、パフォーマンスの追跡、ターゲット層のカスタマイズなどを行ったりすることができます。
逆に、もし、まだFacebookページを作成していなければ、作成しておくことをおすすめします。なぜなら、広告を見たユーザーがFacebookページを確認することも少なくないからです。Facebookページを充実させておくことで、ユーザーの信頼感を得ることも可能です。
また、広告料の支払いはクレジットカードで行うことになるため、クレジットカードの用意も必要です。
こうした手続き上の準備に加え、広告のターゲット層も明確にしておく必要があります。ターゲット層を明確にすることで、広告の効果を最大化することができるためです。
キャンペーン情報を設定する
上記の準備が済んだら、キャンペーン情報を設定設定します。
具体的には、目的を選択して、名前を付ければ、設定が完了します。
Facebook広告の目的には、「ブランド認知度の向上」「Webサイトへのトラフィック増加」「コンバージョンの促進」などがあります。
スケジュールやターゲットを設定する
広告のスケジュール設定では、広告が表示される時間帯や期間を決定します。
ターゲット設定では、広告を見せたいターゲット層の特性(年齢、性別、興味・関心、地域など)を細かく設定します。
さらに、掲載する配信先を「Facebook広告の配信先」でご紹介したFacebook Messenger、Instagram、Audience Networkの4つから選択します。
コンテンツの詳細を設定する
コンテンツの詳細設定では、「広告フォーマットの種類」でご紹介したようなさまざまな種類から広告出稿の目的やターゲット層に合ったものを選んで設定します。
広告を制作する
広告のクリエイティブを制作します。上記で設定したコンテンツの詳細に基づいて、実際の広告をデザインします。もしくは、「キャンペーン情報を設定する」の前の段階で広告を制作しておいても良いでしょう。その場合も、ここで広告のビジュアルやコピーの最終確認を行い、必要に応じて調整を加えます。
すべての設定が終わったら「公開する」をクリックすると、おおよそ24時間以内に審査が完了し、広告が配信されます。
タグを発行する
最後に、Facebook広告の効果測定のために、Metaピクセル(旧Facebookピクセル)やコンバージョンAPIなどのタグをWebサイトに設置します。
Metaピクセルについて詳しくは、「Metaピクセルを活用する」をご覧ください。
これにより、広告のパフォーマンスを正確に追跡し、今後の広告戦略の改善に役立てることができます。
Facebook広告配信で効果を出すポイント
せっかく、手間と時間、費用をかけてFacebook広告を出稿するのですから、効果を出したいものです。
効果を出すためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
潜在顧客にアプローチする
Facebook広告では、さまざまなターゲットティングが可能なため、潜在層にも顕在層にもアプローチできます。
ただ、Facebookを利用するユーザーの状況を考えると、潜在顧客にアプローチする方が良いでしょう。
なぜなら、明確な目的を持って見に来るユーザーよりも、暇つぶしになんとなく眺めているユーザーの方が多いからです。
ターゲット層が何となく感じている潜在的な悩みに訴えかける広告が向いています。
適切なフォーマットを選ぶ
Facebook広告には、画像広告、動画広告、カルーセル広告、ストーリーズ広告など、さまざまなフォーマットがあります。それぞれのフォーマットは異なる特徴を持ち、異なる目的に適しています。このため、目的に応じて最適なフォーマットを選択することが重要です。
たとえば、ブランドのストーリーを伝えたい場合は動画広告が効果的です。製品の特徴を視覚的に訴求したい場合は、インスタントエクスペリエンス広告などが効果的です。商品の特徴を細かく伝えたい場合はカルーセル広告が適してます。また、複数の製品を紹介したい場合は、カルーセル広告やコレクション広告を利用すると良いでしょう。フォーマットを選択する際は、ターゲット層の好みや行動パターンを考慮することが大切です。
1つの広告セットには1つの広告クリエイティブを入稿する
Facebook広告では、1つの広告セットに複数の広告クリエイティブを入稿することができますが、最も効果的な方法は、1つの広告セットに1つのクリエイティブを入稿することです。
これにより、どのクリエイティブが最も効果的かを正確に測定し、最適化することが可能になるためです。また、異なるクリエイティブをテストすることで、ターゲット層に最も響くメッセージやビジュアルを見つけることができます。
Metaピクセルを活用する
Metaピクセルとは、Webサイトの訪問者の行動を追跡し、そのデータを広告の最適化に活用するためのツールです。MetaピクセルをWebサイトに設置することで、訪問者がどのページを閲覧したか、どの製品に興味を示したかなどの情報を収集し、そのデータを基にリターゲティング広告を展開することができます。
Metaピクセルの活用により、関心の高いユーザーに再度アプローチし、コンバージョン率を高めることが可能です。
自動配置機能を活用する
Facebook広告の自動配置機能とは、広告に対してFacebook、Instagram、Audience Network、Messengerの中から効果の高い面を判断し、自動的に配置する機能です。各プラットフォームのユーザー行動に基づいて最適な広告表示位置を自動的に選択するため、効果的な広告展開が期待できます。
自動配置機能を利用することで、広告のリーチを最大化し、コストパフォーマンスを高めることが期待できます。また、広告予算の効率的な使用が可能になります。
自動入札での入札を活用する
Facebook広告の入札戦略には、手動入札と自動入札があります。自動入札を利用することで、Facebookのアルゴリズムがリアルタイムで最適な入札価格を決定してくれ、広告のパフォーマンスを最大化できます。
自動入札(入札戦略)には、「最大数量」「バリュー最大化」「結果の単価目標」「ROAS目標(広告費用対効果)」「入札価格上限」の5つがあり、予算と目的に合わせて選択できるようになっています。
広告配信の目的を達成するために予算を適切に消費できるため、特に、予算が限られている中小企業にとって、自動入札は非常に有効でしょう。
予算は1日で使い切る設定にする
Facebook広告では、日ごとの予算、または、通算での予算を設定することができます。
Facebookでは広告が最適化されるため、通算での予算を設定した場合、ユーザーのクリックが少ないなど、パフォーマンスが低いと判断された場合にその日の広告配信は止まってしまいます。すると、一定期間、広告が配信されないことになり、コンスタントに広告を配信することができません。
このため、日ごとの予算を設定することをおすすめします。
Facebook広告配信の注意点
上記のポイントのほか、注意しなければならない点が、以下の3点です。
セグメントを広げ過ぎないこと
Facebook広告において、ターゲットとなるセグメントを適切に設定することは非常に重要です。
特に、広告の効果を最大化するためには、ターゲットを絞ることが大切です。セグメントを広げ過ぎると、広告のメッセージが希薄になり、効果が減少してしまうためです。
「あの層も、この層も」と欲張らずに、セグメントを限定しましょう。
テキスト量が多過ぎないこと
Facebook広告でテキスト量が多過ぎると、ユーザーの注意を引くことが難しくなります。「潜在顧客にアプローチする」でもお伝えしたように、多くのユーザーは、なんとなくページを眺めており、多くのテキストを読むのは負担に感じる可能性が高いからです。
効果的な広告では、メインのメッセージを簡潔に伝えることが求められます。テキストは短く、ポイントを押さえた内容にすることが重要です。
Facebookの公式ページでも、テキストのボリュームは広告内の20%であることが定められています。
Facebook広告ポリシーに違反しないこと
Facebook広告を配信する際には、Facebookの広告ポリシーを遵守することが不可欠です。ポリシーに違反する広告は、広告の審査にパスせず、配信できない恐れがあります。広告ポリシーには、不適切なコンテンツ、誤解を招く表現、過度なプロモーションなどが含まれています。
また、ポリシーを遵守することで、広告の信頼性と効果を保つことにもつながります。
Facebook広告配信の成功事例
Facebook広告で成果が出た事例を、Facebookの公式サイトから3件ピックアップしてご紹介いたします。
単価を1.9倍に向上(NTTファイナンス株式会社)
NTTファイナンス株式会社は、NTTグループで金融業を手がける企業です。
同社では、人々がシニアライフを健康で快適に過ごせるよう、退職後のプランニングに興味のある人とその家族のためのモバイルアプリを提供しています。
このモバイルアプリ事業において、Facebook広告の「Advantage+アプリキャンペーン(旧:自動アプリ広告)」を活用して、インストール数を1.9倍に向上させることに成功しました。
なお、「Advantage+アプリキャンペーン」とは、Meta社(元Facebook社)が提供する、モバイルアプリ広告です。効率的な機械学習と自動化システムを活用して、望ましい成果を達成できるようにサポートしてくれます。アプリなどの開発者向けサービスである「Meta for Developers」へアプリを登録することで、利用できるようになります。
NTTファイナンス株式会社の事例の詳細は、Facebookの公式ページをご覧ください。
CTRを12%向上(インビザライン・ジャパン株式会社)
「マウスピース型矯正装置」のパイオニア企業、米国アライン・テクノロジー社の日本法人であるインビザライン・ジャパン株式会社では、既存のFacebook広告(画像広告・動画広告)から、Metaのベストプラクティスに沿ってクリエイティブを変更した方が効果が上がるかどうかを検証するために、新しい画像と動画を制作した上でA/Bテストを実施しました。
すると、クリエイティブを刷新した方が、CTR(クリックスルー率)が12%向上し、動画広告のページビューの単価が14%減少、動画広告ンのクリック単価が13%減少することがわかり、低いコストで高い成果を実現できるようになったといいます。
インビザライン・ジャパン株式会社の事例の詳細は、Facebookの公式ページをご覧ください。
購入数の増加率が16%向上(株式会社フィネス)
健康食品のEC通販事業を手がける株式会社フィネスでは、コンバージョンを計測するためのAPIを迅速かつ簡単に設定できる「コンバージョンAPIゲートウェイ」と、FacebookやInstagramでの広告効果を測定するツールである「Metaピクセル」を併用することで、キャンペーンの効果を向上させることに成功しました。
具体的な成果として、Metaピクセルのみを使用した広告と比較して、購入数を16%増加、顧客獲得単価を14%低下、インプレッション単価を7%低下させることに成功しました。
株式会社フィネスの事例の詳細は、Facebookの公式ページをご覧ください。
Facebook広告配信のよくある質問と回答
最後に、Facebook広告配信に関してよくある質問と回答をピックアップしてご紹介いたします。
Q.Instagram広告との違いは何ですか?
A.Facebook広告とInstagram広告の主な違いは、ユーザー層と利用目的にあります。
「中高年層のビジネスマンにリーチしやすい」でもお伝えしたように、Facebookは30代を中心に20~50代にビジネス利用されることが多いSNSです。
一方、Instagramは若年層に人気があり、ビジュアルコンテンツが中心で、プライベートでの利用が多いです。
Facebookの広告からInstagramへの出稿も可能ですが、上記の違いを押さえた上で、広告の目的やターゲットに応じて、適切なプラットフォームを選択しましょう。
Q.広告マネージャは、どのような場合に利用すべきですか?
A.Facebook広告マネージャは、広告キャンペーンの作成、管理、分析を行うためのツールです。複数の広告を効率的に管理したい場合や、詳細なレポーティングが必要な場合に特に有効です。また、A/Bテストなどの高度な機能を利用して、広告の最適化を図る際にも重宝します。
Q.広告マネージャとビジネスマネージャの違いは何ですか?
A.広告マネージャは広告キャンペーンの作成・管理に特化しているのに対し、ビジネスマネージャでは、広告アカウントに加えて、ページ、アカウント、ユーザー権限など、ビジネス全体の管理が行えます。
ビジネスマネージャを使用することで、チームやエージェンシーとのコラボレーションが容易になります。
Q.Facebook広告の効果測定は、どのように行えば良いですか?
A.Facebook広告の効果測定には、MetaピクセルやコンバージョンAPIの利用がおすすめです。
これらのツールを使用することで、Webサイトへの訪問者の行動を追跡し、広告のコンバージョン率やROIを正確に測定することができます。
また、広告マネージャ内の分析ツールを利用して、キャンペーンのパフォーマンスを詳細に分析することも可能です。
Q.Facebook広告の効果が低い場合は、どうしたらいいですか?
A.Facebook広告の効果が低い場合、まずはターゲティングの見直しを行うことが重要です。ターゲット層が広すぎる、または狭すぎる場合に効果が低下することがあります。
また、広告のビジュアルやコピーの改善、ランディングページの最適化も効果を高めるための重要なステップです。A/Bテストを行い、異なる広告バリエーションの効果を比較することも有効です。
まとめ
Facebook広告の概要、種類、ターゲティング、費用などについて解説しました。
Facebook広告は、その多様なフォーマットと高度なターゲティング機能により、さまざまなマーケティング目標を達成できる強力なツールです。Facebook広告のターゲティングは、コアオーディエンス、カスタムオーディエンス、ルックアライクオーディエンスの三つの方法で構成されており、これらの方法を活用することで、効果的にターゲット層にアプローチし、マーケティングの成果を最大化することができます。
適切な広告形式とターゲティング戦略を選択した上で予算を効率的に管理することで、中小企業でも大きな成果を上げることが可能です。
広告の効果測定や最適化には、MetaピクセルやA/Bテストなどのツールが役立ちます。
特に、広範囲のターゲット層を持つ企業、既存の顧客に再度アプローチしたい企業、新市場への進出を考えている企業にとって、これらの方法は非常に有効でしょう。
この記事でご紹介したようなポイントを押さえて、ぜひ、Facebook広告で効果を上げてください。
- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
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クラウドサーカス株式会社 マーケティング課
- プロフィール :
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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