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『インフルエンサーマーケティング』とは?自社サービスでも有効?

記事公開日:2018/05/17
最終更新日:2023/11/17
『インフルエンサーマーケティング』とは?自社サービスでも有効?

インフルエンサーマーケティングとは、SNSや従来からあるブログを使って企業が商品・サービスのPRを行うマーケティング手法の一つです。

インフルエンサーマーケティングは、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)といったSNSが浸透し、本来の機能であるコミュニケーションツールとしてだけでなく、口コミや企業からの投稿を中心に、情報収集ツールとしての活用も一般的になってきました。

1.インフルエンサーとは?

そもそも「インフルエンサー(influencer)」とは、他人や社会に影響を与える人を指す言葉です。 近年、Webマーケティングの分野でよく使われるようになりました。

タレントやモデルといった芸能人、スポーツ選手や専門家を始め、読者モデルやカリスマ店員、多くのフォロワーを持つSNSユーザーなどがインフルエンサーに該当します。

インフルエンサーマーケティングとは?

こうしたインフルエンサーの影響力を活用して、自社の商品・サービスの広告宣伝を行うのがインフルエンサーマーケティングです。広告出稿先は主にSNSで、インフルエンサーを起用して自社製品やサービスを利用している様子を写した画像・動画とともに説明テキストや関連ページのURLなどを投稿します。

インフルエンサーマーケティング広告の特徴は、PR方法を決める主体が出稿主(企業)側よりも、インフルエンサーに比重が置かれる傾向が強いことです。そうしてインフルエンサーの通常の投稿と同様のトーンになじませることで、ターゲットユーザーにインフルエンサーのほかの投稿と並ぶなかで違和感なく閲覧してもらえるメリットがあります。

ただし、その投稿が広告であることは明記する必要があります。そうでないと「ステマ(ステルスマーケティング…消費者に宣伝であるとわからないように宣伝する手法で、モラルに反するとされている)」と認知され、企業イメージや商品イメージは逆に下がってしまうのです。これに関しては、後ほどご説明します。

2.なぜインフルエンサーが必要になったのか?

現在のマーケティングにおいて、なぜインフルエンサーの存在が求められるようになってきたのでしょうか?

それには、広告手法が成熟してきた影響が考えられます。 「マーケティングの父」とも称されるフィリップ・コトラーによれば、1980年頃までの良い製品を作りさえすれば売れる製品中心の「マーケティング1.0」、1980年代以降、個々の消費者のニーズを満たす製品が売れた「マーケティング2.0」、精神的充足感を満たす製品が売れた「マーケティング3.0」を経て、現在は、自己実現欲求を満たす製品が売れる「マーケティング4.0」にあるといいます。

このマーケティング4.0時代に求められるのは、SNS上を中心に自分の尊厳が満たされ承認されるような商品で、その商品・サービスの情報もユーザーは「自分が欲しいタイミング」で得ようとします。ここに企業からのプッシュ型の広告はなじみません。

タイミングだけでなく情報の送り手も、企業(売り手)ではなく、自分と同じ消費者の目線から発信される情報が求められています。こうした背景と、SNSによる口コミがマッチしました。

一方、企業側にとってもインフルエンサー広告はメリットのあるマーケティング手法です。ユーザーに広告として嫌煙されにくく、友人からのおすすめと同じ感覚で受け入れられる効果が見込めるうえに、従来のマス広告に比べて低コストなのです。

3.どんな商品・サービスだと効果があるのか?

インフルエンサー広告と商品ジャンルの相性は、各SNSの持つ特性によって変わってきます。以下で、インフルエンサー広告枠を持つ代表的なSNSごとに、相性の良い製品・サービスジャンルをご紹介します。

Instagram(インスタグラム)

「インスタ映え」という言葉からもわかる通り、写真の印象が決め手なので、フォトジェニックな(写真映えする)商品・サービスが向いています。また、利用者には10~30代の女性が多いことを加味すると、ファッション・美容・グルメ・インテリア・旅行などがマッチします。

Instagramは基本的にリンクを貼って別ページへの誘導を図ることはできないため、ユーザーに直接的な行動を促すというよりは、ブランディングの一環として商品・サービスのイメージ向上や認知度アップを狙う目的で出稿します。

YouTube(ユーチューブ)

情報量の多い動画を使ってプロモーションできるのがYouTubeでの商品紹介。ユーザーもインフルエンサー(YouTuber)も子どもから大人までと幅広く、各インフルエンサーの特性やチャンネルの特性と商品・サービスがうまくマッチすれば、的確なターゲット層にプロモーションを行えます。

食品、おもちゃ、スマホアプリなど、実際に試した感想がユーザーに求められるような商品・サービスが相性が良く、商品の細部を見せたい場合などにも向いています。

また、Instagramとは異なり、商品購入ページやサンプル請求ページなどへのリンクを貼れるため、ユーザーへ動画視聴後の行動を促しやすいという特長があり、ECサイトで商品販売をしている企業とも相性も良いでしょう。

Twitter(ツイッター)

SNSとしてTwitterが持つ大きな特長は「拡散性の高さ」なので、特に認知度アップを狙った活用がマッチします。また、動画や画像の埋め込みやURLへのリンクも可能なので、キャンペーンページやECサイト、他SNSとのハブの役目を持たせることができます。

マッチする商品・サービスは、日用品からWebサービスまでと幅広いですが、特に爆発的な拡散性を活かし、イベント告知や店舗来店を促すキャンペーンなどに向いています。

4.インフルエンサーマーケティングのメリット

ここで改めて、インフルエンサーマーケティングのメリットとは何でしょうか?
おもなメリットを5つにまとめました。

消費者と同じ目線でレビュー発信してもらえる

いくら企業が自社の商品・サービスの良さを語っても、それはあくまでも「企業目線での宣伝」にしかなりません。

しかし、第三者であるインフルエンサーから商品・サービスを紹介してもらうことで、ターゲット層と近い消費者の感覚から商品・サービスの用途や使い勝手、効果といったものを発信してもらえます。

レビューを視聴する消費者にとって参考にしやすい情報として届けることができます。

ユーザーへの影響力の高さ

普段からインフルエンサーの情報発信を参考にしていたり楽しんでいたりするユーザーにとって、インフルエンサーが話す言葉はスッと入ってきやすいものです。

インフルエンサーが「おすすめ」といえば、「案件だから、良く言っているはず」と思いつつも、試してみたくなる心理が働くと期待できます。

広告に比べ拒否感が弱い

広告手法は新しいほど消費者に新鮮味をもって受け入れられますが、インフルエンサーマーケティングは特に、各インフルエンサーの意見やアイデアが中心となったクリエイティブで発信するため、押し付けがましさや宣伝色がかなり薄まります。

その結果、消費者に拒否感を持たれづらくなります。

SNSのタイムラインで上位表示されやすい

日頃から、好きなインフルエンサーをフォローして、投稿に「いいね」を押しているユーザーのタイムラインには、そのインフルエンサーの投稿が上位に表示されるようになっています。

このため、ユーザーがフォローしていない企業が自社アカウントで発信した情報がターゲット層に届かなくても、インフルエンサーマーケティングならリーチできます。

多様な施策が展開できる

インフルエンサーマーケティングと一口にいっても、その種類は幅広く、さまざまな施策を展開することが可能です。

たとえば、インフルエンサーに商品を送って、体験した感想を投稿してもらうギフティングや、広告塔として長期的に商品・サービスの魅力を発信し続けてもらうアンバサダー、ライブ動画を配信してリアルタイムで消費者からの質問に答えてもらうライブコマースなど。

商品・サービスの特性やプロモーションの目的によって、マッチする施策を選んで実施できます。

5.インフルエンサー広告の指標とは?

効果測定がしづらいといわれるインフルエンサーマーケティングですが、実際にインフルエンサー広告を出稿する場合、目標や効果測定の指標として何を設定すれば良いのでしょうか。
前章のSNS別にご紹介します。

Instagram(インスタグラム)

Instagramでは、投稿のなかにリンクを貼ることができないため、コンバージョンなどの直接的な効果は測定できません。その代り、インプレション数やインフルエンサーのフォロワー数増で認知度やイメージ向上を間接的に測ります。

Instagramの指標

  • インプレッション数
  • エンゲージメント数(いいね!、コメントなど)
  • フォロワー数

YouTube(ユーチューブ)

YouTubeでは、ユーザーが視聴後に良い評価(GOOD)だけでなく悪い評価(BAD)をつけることもできるので、これらの数の比較や比率を取ることでも効果測定が可能です。コメント内容にも注意を払いましょう。
また、リンクによるユーザー誘導も可能なので、その部分も指標になります。

YouTubeの指標

  • 再生回数
  • チャンネル登録数
  • エンゲージメント数(GOOD・BADの数や比率、コメント数・内容、シェア数)
  • クリック数
  • コンバージョン数(購入数、サンプル申し込み数など)

Twitter(ツイッター)

Twitterの場合、InstagramやYouTubeに比べ、リンクによる商品ページなどへの誘導がしやすいため、通常のWeb広告に近い指標設定が行えます。

Teitterの指標

  • インプレッション数
  • クリック数
  • エンゲージメント数(いいね!、リツイート、コメントなど)
  • コンバージョン数(購入数、サンプル申し込み数など)

6.【事例】インフルエンサー広告サービス

ここで、インフルエンサー広告サービスを提供する2つの企業を軸に、広告事例ご紹介します。

UUUM(ウーム)(Youtube)

UUUMは、Youtuber(ユーチューバー)へのマネジメントや技術提供を行うほか、Youtuberのオリジナルグッズの企画販売などを手がける企業です。

2017年4月、企業のプロモーションに合ったインフルエンサーをキャスティングするサービス「BUUUM(リンク先:https://buuum.io)」を開始しました。利用を希望する企業は、BUUUMのWebサイト上で利用登録を行い、プロモーションを検討中の案件情報を入力します。すると、BUUUMのインフルエンサーの検索サービスを利用できるようになり、オファーが出せるようになります。企業側の希望と適性からBUUUMが最適なキャスティングを行うという流れです。

代表的なインフルエンサーと事例

【HIKAKIN(ヒカキン)】

チャンネル登録者数594万人(HikakinTV /2018年4月末時点)を超えるYoutuberで、特技のヒューマンビートボックスを披露した動画のほか、企業とタイアップした商品紹介動画での再生回数が多く、実際に商品の売り上げにも貢献しています。

巨大なタマゴ温めたらなんか生まれてきた!!!
(タカラトミー「うまれて!ウーモ」)

【おるたなChannel】

チャンネル登録者数178万人(おるたなChannel /2018年4月末時点)を超える2人組のYoutuber。オリジナル料理や商品紹介動画を公開し、商品紹介では、不動産(デザイナーズマンション)、調理器具、菓子などの食品と幅広く扱っています。

「あいうえお」喋るの禁止でサッカー対決したら難しすぎるww
(タカラトミー「サッカーボーグ」)

【サイヤマングレート】

チャンネル登録者数26万人(サイヤマングレート /2018年4月末時点)を超えるYoutuber。筋トレやボディビルを扱った動画などを公開。商品紹介では、アルコール飲料やスマホアプリを扱っています。

【夢を叶える】電車1両貸し切って筋トレしたら楽しすぎた!!(東京モノレール)

よしもとクリエイティブ・エージェンシー(Instagram)

明治末期に創業して以来、100年以上にわたり人気芸人を輩出している芸能プロダクションの吉本興業の子会社である「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」も、2017年2月にインフルエンサーマーケティング事業に参入しました。

2017年2月当時の所属芸人の総フォロワー数は、Twitterで4,000万、Instagramで1,600万以上と国内最大規模。吉本興業には、日本で一番Instagramフォロワー数の多い渡辺直美が在籍しています。

代表的なインフルエンサー

【渡辺直美】

フォロワー数790万人(2018年4月末時点)を超え、インスタ女王ともいえる存在。コメントには日本語以外に中国語や英語の書き込みも。背景やアングルにこだわったおしゃれな写真と、芸人を中心に芸能人が頻繁に登場する豪華さなどが人気の理由です。

 

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【小籔千豊】

フォロワー数130万人(2018年4月末時点)。オリジナルの「カズニョロポーズ」でのタレントとの2ショット写真やネイル、ベーグルといった女子力の高い写真がウケています。

【岡村隆史】

Instagram以外のSNSをしていないことでフォロワー数を増やしているのが岡村隆史。フォロワー数は130万人(2018年4月末時点)。芸人ほか大物芸能人とのショットもアップされています。

 

okamuradesuさん(@okamuradesu)がシェアした投稿 -

7.インフルエンサーマーケティングを始めるときの注意点

インフルエンサーマーケティングを始めるにあたり、気をつけなければならない点が2つあるので、ご紹介します。

炎上に注意!タイアップであることを明記する

前半部分でも触れましたが、インフルエンサーマーケティングのメリットでもある「ユーザーにインフルエンサーのおすすめ情報として閲覧してもらいやすい」点が、ステマと認知されれば炎上につながりかねません。

動画の作り込み方や見せ方などのクリエイティブ部分はインフルエンサーに任せるとしても、タイアップであることを明記する点や、企業名、URLの入れ方など、事前に条件を共有しておく必要があります。

長期的に運用することを想定してスタートを

せっかくのインフルエンサー広告も、1回限りの出稿ではユーザーに「この人(インフルエンサー)は本当にこの商品・サービスが好きなわけではないのに、仕事だからおすすめしていたのか」と受け取られてしまい効果が下がるので、長期的な運用を想定して契約を結び、定期的に投稿してもらうことが大切です。

8.まとめ

消費者にとって広告は「見たくない」もの。そんな消費者をどうやって振り向かせるかは、広告出稿の永遠のテーマです。

インフルエンサーマーケティングは、信頼できる人からの口コミを重視する現代の消費者に受け入れられやすい広告手法といえます。

ステマと思われたり、一過性の広告だと捉えられないようにする点に注意しながら、商品・サービスの認知や売り上げアップのために効果的に活用しましょう。

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