商品の価格設定や広告費は妥当なもの?それを知るためのLTV(顧客生涯価値)について
最終更新日:2025/11/04

【この記事の要約】
マーケティングファネルとは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでの心理的なプロセスを、段階的に漏斗(ファネル)の形で図式化したものです。一般的に、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4段階で表されます。
このフレームワークを活用することで、顧客がどの段階で離脱(ファネルから脱落)しているのか、ボトルネックを可視化できます。例えば、「認知」から「興味・関心」への移行率が低いなら、広告のメッセージが魅力的でない、といった仮説が立てられます。各段階の顧客に合わせた最適なアプローチを考え、スムーズに次の段階へと引き上げるための施策を打つことが、マーケティング全体の成果を最大化させる鍵です。
【よくある質問と回答】
「マーケティングファネル」と「カスタマージャーニー」は、どう違うのですか?
どちらも顧客の購買プロセスを可視化するモデルですが、視点が異なります。ファネルは、各段階で顧客数が減少していく様子を「量」で捉え、ボトルネックを発見することに主眼を置きます(企業・分析者視点)。一方、カスタマージャーニーは、一人の顧客(ペルソナ)の行動や感情の起伏を「質」で捉え、顧客体験の向上を目指します(顧客視点)。
ファネルの各段階で、どのような施策が有効ですか?
「認知」段階では、Web広告やプレスリリースで広く知ってもらいます。「興味・関心」段階では、オウンドメディアのブログ記事やSNSで役立つ情報を提供します。「比較・検討」段階では、導入事例や詳細な資料ダウンロードを用意します。そして「購入」段階では、無料トライアルや限定オファーで最後の一押しをします。
最近のファネルの考え方で、何か変化はありますか?
はい。購入で終わりではなく、購入後の顧客がファンとなり、口コミなどで新たな顧客を連れてきてくれるという「ダブルファネル」や、顧客が推奨者となるループ構造を描く「フライホイール」といった、購入後の顧客ロイヤルティを重視する考え方が主流になってきています。
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こんにちは。
スターティアラボ ブログ編集部です。
ビジネスを拡大する上では、「新規顧客の獲得」と「一顧客あたりの売上を伸ばす」の2軸が必要になりますが、「一顧客あたりの売上を伸ばす」ために顧客シェアが重要視されている中で、「顧客生涯価値(Lifetime Value=LTV」という言葉が注目されています。今回はこちらを取り上げます。
1.LTVとは?
LTVとは、Lifetime Value(顧客生涯価値)の略で、一顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の平均値のことです。
お客様の購買パターンは多数あります。
製品を一度だけ購入する方
毎月一回、購入する方
一回の購入で、1000円購入する方
一回の購入で、10万円購入する方
その全顧客の平均値、平均単価がLTVとなります。
例えば単価1,000円のAという商品があります。この商品を1点買うお客様と3点買うお客様がいると、平均2点(平均2,000円)となり、この時のLTVは2000円です。
※本来は利益換算ですが、今回はわかりやすく説明するために売値=利益としております。
2.LTVを構成する要素と計算式
LTVを構成する要素としては下記の項目があげられます。
①平均単価
②収益率
③生涯購入回数
この項目を用いてLTVを表すと、「LTV=(平均単価)×(収益率)×(生涯購入回数)」となります。
例えば、下記条件の洗顔料の場合ですと
平均単価:1000円
収益率:300円
生涯購入回数:購入頻度は一ヶ月に一度、利用期間は一度使ってもらうと平均一年使い続けてもらえる
1000円(平均単価)×30%(収益率)×12回(月に一回を、一年間使った時の利用回数)=3600円、となります。
ですのでこの商品の場合、LTVは3600円となり、一顧客を獲得することで一年間で3600円の利益が見込めます。
3.LTVがなぜ必要なのか
ここまでLTVについて説明してきましたが、このLTVがなぜ注目されているのか、つまりは必要なのか。
急ではありますが皆様に質問です。
貴社商品拡販のために広告費にいくら費やしていますか?
そしてその広告費は果たして妥当な価格でしょうか?
というような事が社内で話題になったことはありませんか?
これらの疑問を解決するヒントになるのが、LTVなのです。
100円の商品に月5万円の広告費をかけていたとしたら、この広告費は妥当に思えるでしょうか?
仮の設定として、この商品が購入される時は平均5つ購入されることが多く、この商品Aを購入したお客様の5割が商品B(200円)も購入する傾向にあったとします。そうすると平均単価は600円となります。そして一度来てくれたお客様がお店に訪れるのは週二回。この場合一ヶ月で見込める売上は4800円になり、この売上ベースで広告費をペイするに一ヶ月で約11名の新規購入者が必要となります。また、継続的に一顧客が11ヶ月通ってもらえるようになれば、5万円の広告費は妥当だといえます。
このように広告費が妥当か否かを図る事ができ、また目標を決めるヒントを与えてくれるのです。
LTV向上施策の例
それでは、LTVを向上させるための事例をご紹介します。
一顧客あたりの平均単価を上げる
一顧客あたりの平均単価を上げる方法は2つあります。
一つ目は商品のグレードをあげる事、二つ目は一緒に別の商品も購入してもらう事です。
一つ目の商品のグレードをあげる事ですが、コンビニへ行った際に「おとなのお菓子」と最近良く目にしませんか?
今まで子供がメインターゲットだった御菓子を、大人に変えることで「ちょっとした贅沢」をウリにして単価を上げています。既存商品でもターゲットや訴求方法を変えることで、製品のグレードを上げ単価アップに繋がります。
「大人向けのお菓子」から学ぶ、商品価値をあげるポイントとは?
2つ目の一緒に別の商品を購入してもらう事について、同じくコンビニへ行った時に「おにぎり100円!」といったようなセールをよく目にしませんか?今や当たり前のように思えますが、改めてなぜコンビニはおにぎりのセールをするのでしょうか?
粗利率が良いから値引きをするのでしょうか?それともおにぎりの売り上げが著しくないから?
答えは、他の商品と一緒に購入されることが最も多い商品がおにぎりだからです。
私もカップラーメンとおにぎりや、揚げ物とおにぎりなど、何かと一緒に購入するときはおにぎりが大体入ってきます。そのため、おにぎりが売れる=他の商品が売れることで、値引きをしても結果としてLTVが高くなるのです。
購入頻度を増やす
最近良くCMで目にしますが、マクドナルドでは朝マックが当たり前になってきました。実はこれこそ購入頻度を上げる施策の一つであり、今まで、マクドナルドはお昼に食べるものというイメージが強かったものを、「昼だけではない、朝もマクドナルド」というイメージ付けを行いました。
人の胃袋でカウントし、一日の食事は3回、一週間にすると21回の食事をします。その食事回数の内、何回マクドナルドに来てもらうかにフォーカスしてまして、朝にはバーガーとドリンクのダブルや、ボリューミーな食事が欲しい夜にはクオーターパウンダーなど朝昼晩に合ったメニューを出しています。この結果として、一週間に一度の来店だったお客様を、一週間に二度・三度と頻度を増やしています。
サービス利用期間を長くする
こちらもCM等で良く見るようになったもので、「パソコンとWi-Fiを同時購入すると初期費用が安くなる」というキャンペーンがあり、最低利用期間が2年と定められています。初期費用を値引きしても2年使ってもらえれば元が取れる、また、2年使うことで解約率が低くなるために同時購入で初期費用を値引きしています。
顧客獲得コストを下げる
美容室では競合が多く、このような新規獲得が難しい業界では広告費が高くつく傾向があります。そこで「友人紹介でお値引き」というキャンペーンを行い、顧客獲得コストを下げるために顧客獲得コストを下げる施策を行っています。
まとめ
一顧客と、如何に長く濃いお付合いができるかがさらに重要になってくる今後。もちろん新規顧客の獲得も併せて重要です。そんな中、貴社ではLTV向上のための施策は出せていますでしょうか?
もしかすると、今回初めてLTVについて詳しく知ったという方もいるかと思います。サービスや製品のマーケティングにおいて、費用対効果にこだわると言う事は当然ながら目を背けることは出来ません。LTVを通して知っていただきたいのは、それをどれだけ掘り下げて正確な数値を出し、的確な価格設定や、広告の打ち出しが出来るかという事です。
いかがでしたでしょうか?次回はWebを活用したLTV向上の事例を紹介していきますのでご期待下さい。
【English summary】
A marketing funnel is a diagram that models the psychological process a customer goes through from product awareness to purchase, shaped like a funnel. It is generally represented in four stages: "Awareness," "Interest," "Consideration," and "Purchase."
By utilizing this framework, you can visualize the bottlenecks where customers are dropping off (falling out of the funnel). For example, if the transition rate from "Awareness" to "Interest" is low, you can hypothesize that the advertising message is not appealing. The key to maximizing overall marketing results is to consider the optimal approach for customers at each stage and implement measures to smoothly guide them to the next stage.




