2026年最新|デジタルアダプションツール比較10選!タイプ別の選び方とおすすめを解説

デジタルアダプションツールとは、業務システムやSaaSの画面上に操作ガイドをノーコードで表示し、ユーザーの自己解決を促すツールです。社内システムの定着促進から、SaaSプロダクトの顧客オンボーディング、ECサイトの離脱防止まで、用途に応じて3つのタイプに分かれます。
本記事では、国内外の主要10製品をタイプ別に整理し、比較表・選び方・費用相場・導入事例をまとめています。
- 社内システムを導入したものの定着せず、問い合わせ対応に追われている
- 自社SaaSのオンボーディングを効率化し、解約率を下げたい
- デジタルアダプションツールの種類が多く、自社にどれが合うか判断できない
このような課題をお持ちの情報システム部門・カスタマーサクセス部門・DX推進担当の方に特におすすめの内容です。
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目次
デジタルアダプションツール比較表【2026年最新】
デジタルアダプションツールの導入を検討する際、まず必要なのは「どのツールが自社の用途に合うか」を把握することです。以下の比較表では、国内外の主要10製品を対応用途・料金・主な機能で一覧化しています。
| ツール名 | 対応用途 | 提供元 | 料金目安 | ノーコード | 主な強み |
|---|---|---|---|---|---|
| テックタッチ | 社内DX | 国産 | 要問合せ | ○ | 国内DAP市場シェア首位。オートフロー(定型操作の自動化)に強み。公共団体・大企業の導入実績が豊富 |
| WalkMe | 社内DX | 海外(イスラエル) | 要問合せ | ○ | Web・デスクトップ・モバイル横断対応。複数アプリにまたがるワークフローを一元管理できる |
| Fullstar | 社内DX・SaaS CS | 国産 | 月額(要問い合わせ) ※無料プランあり |
○ | 社内DXとSaaS CSの両用途に対応。従量課金なしの料金体系。作成代行プランあり。DAP市場シェアNo.1(従業員300名未満) |
| Whatfix | 社内DX | 海外(インド) | 要問合せ | ○ | ERP・CRM等の複雑なエンタープライズシステムに強み。AIによるガイド自動生成。70言語対応 |
| BizFront | 社内DX | 国産(NTTテクノクロス) | 年額100万円〜 | ○ | 全Windowsアプリ・オンプレミス対応。ネットワーク接続不要で動作するためセキュリティ要件の厳しい環境に適合 |
| Dojoナビ | 社内DX | 国産(テンダ) | 月額55,000円〜 | ○ | シンプルな機能構成でスモールスタート向き。マニュアル作成ツール「Dojo」との連携が可能 |
| Onboarding | SaaS CS | 国産(STANDS) | 要問合せ | ○ | ノーコードの直感的UIに定評。機能活用レポートでユーザーごとの利用状況を可視化 |
| Pendo | SaaS CS | 海外(米国) | 要問合せ(無料プランあり) | ○ | プロダクト分析とガイダンスを統合。モバイルアプリ対応。独自AIによるインサイト自動抽出 |
| KARTE | CX・Web接客 | 国産(プレイド) | 要問合せ | ○ | 顧客行動のリアルタイム解析に強み。問い合わせ前の行動を可視化し、自己解決を促す |
| Sprocket | CX・Web接客 | 国産 | 要問合せ | ○ | ポップアップ・動画接客・チャットボットを組み合わせた施策設計。専任コンサルタントによる伴走支援 |
※料金・機能は2026年7月時点の情報です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
※Fullstarの市場シェアNo.1は、デロイト トーマツ ミック経済研究所「SaaS管理・運用・開発市場の実態と展望 2025年度版」における従業員300名未満のデジタルアダプション売上高に基づきます。
デジタルアダプションツールの3つのタイプと活用シーン
デジタルアダプションツールは、用途によって大きく3つのタイプに分かれます。自社がどのタイプに該当するかを把握することが、ツール選定の第一歩です。
社内DX定着型
社内の業務システム(経費精算・人事管理・CRM・ERP等)に操作ガイドを後付けし、従業員のシステム利用を定着させるタイプです。このタイプが解決する課題は、主に以下の3つです。
- システム導入後の問い合わせが情報システム部門に集中し、本来業務を圧迫している
- マニュアルを作成しても閲覧率が低く、結果として同じ質問が繰り返される
- 申請書類の入力ミスや記入漏れによる差し戻しが頻発している
具体的な活用シーンとしては、経費精算システムの申請画面で必須項目の横に入力ルールを自動表示したり、新システム導入直後にステップバイステップの操作ガイドを画面上に設置したりする使い方があります。
クラウドサーカス社の調査データによると、一般的なマニュアルの閲覧率は10〜15%程度、チャットボットの利用率も5〜15%程度にとどまるとされています。画面上に直接ガイドを表示するDAPは、ユーザーが「わざわざ見に行く」必要がないため、これらの手段よりも接触率が高くなる構造を持っています。
SaaS提供者向けCS効率化型
自社が提供するSaaSプロダクトにガイドやチュートリアルを埋め込み、顧客のオンボーディングや機能活用を促進するタイプです。このタイプが解決する課題は以下の通りです。
- 顧客ごとにカスタマーサクセス担当が個別対応しており、スケールしない
- 初期設定の完了率が低く、導入直後の離脱(早期チャーン)が発生している
- 新機能をリリースしても利用率が上がらない
活用シーンとしては、初回ログイン時に「プロフィール設定→チームメンバー招待→初期データ登録」の順で案内するプロダクトツアーの設置や、利用頻度の低い顧客にだけ新機能の案内ポップアップを表示する仕組みがあります。
カスタマーサクセスにおける「ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ」の考え方でいえば、DAPはテックタッチ施策の中核となるツールです。人手をかけずにオンボーディングを自動化し、CS担当者はアップセルや解約防止など、より判断が必要な対応に集中できるようになります。
CX・Web接客強化型
ECサイトやサービスサイトに来訪したユーザーの行動データをもとに、ポップアップ・チャットボット・動画接客などをリアルタイムで出し分けるタイプです。このタイプが解決する課題は以下の通りです。
- カートに商品を入れたまま離脱するユーザーが多い(カゴ落ち)
- FAQページへの遷移で離脱が発生し、問い合わせにもつながっている
- キャンペーンバナーが埋もれて気づかれていない
活用シーンとしては、カート離脱の直前にクーポンを表示する仕組みや、入力フォームの横にFAQの回答を吹き出しで表示する仕組みがこれに該当します。マーケティング部門やEC運営部門が主導するケースが多く、コンバージョン率や離脱率といったKPIを追う場面で導入されています。
複数タイプに対応するツールもある
上記3タイプはあくまで主な用途による分類であり、複数のタイプをカバーするツールも存在します。たとえばFullstarは、もともとSaaS企業のカスタマーサクセス効率化を目的に開発されたツールですが、現在は社内DX用途での導入実績も増えています。WalkMeやPendoも、社内向け・顧客向けの両方でサービスを展開しています。
自社の課題が「社内システムの定着」と「顧客向けSaaSの活用促進」の両方にまたがる場合は、両対応のツールを1つ導入する方が、運用負荷とコストの両面で効率的です。
デジタルアダプションツールの比較ポイント5つ
ツールの選定で失敗しないためには、比較表の情報だけでなく、以下の5つの観点で評価することが重要です。
用途への適合
最も優先すべきポイントは、「誰にガイドを表示するか」が自社の課題と合っているかどうかです。ガイドの対象が社内の従業員なのか、自社SaaSの顧客なのか、ECサイトの来訪者なのかによって、最適なツールは変わります。前述の3タイプ分類を参考に、自社の主な用途を特定した上で候補を絞り込んでください。
ノーコードでの作成・更新のしやすさ
DAPの導入効果を最大化するには、現場の担当者がガイドを自分で作成・修正できる必要があります。エンジニアへの依頼が必要な構造では、改善サイクルが回りません。確認すべき点は以下の3つです。
- ドラッグ&ドロップ等の直感的な操作でガイドを作成できるか
- 条件分岐(ユーザーの属性や操作状況に応じた出し分け)をGUI上で設定できるか
- プレビュー・テスト公開の機能があるか
実際のところ、「ノーコード対応」と記載があっても操作の複雑さはツールによって差があります。無料トライアルやデモ環境で実際に触ってから判断するのが確実です。
対応システムの範囲
ガイドを表示したいシステムが、ツールの対応範囲に含まれているかを事前に確認する必要があります。Webアプリのみ対応のツールと、デスクトップアプリ・モバイル・オンプレミス環境までカバーするツールでは、適用できる範囲がまったく異なります。たとえばBizFrontは全Windowsアプリとオンプレミスシステムに対応しており、ネットワーク接続を必要としない環境でも動作します。一方、多くのクラウド型DAPはWebブラウザ上のシステムを主な対応範囲としています。
導入後に「このシステムには対応していなかった」という事態を避けるため、対象システムのURL・技術構成をベンダーに事前共有し、動作確認を取ることをおすすめします。
料金体系
料金体系は導入規模によって最適解が変わります。主な課金モデルは以下の3つです。
| 課金モデル | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ユーザー数に応じた従量課金 | 利用者が増えるほどコスト増 | 少人数で始めたい場合 |
| 月額・年額の定額制 | 利用者数に左右されない | 全社導入や大規模利用 |
| 対象システム数に応じた課金 | 適用範囲が広がるほどコスト増 | 限定的なシステムへの導入 |
従量課金型のツールを社員数の多い企業が社内DX用途で導入すると、コストが大きくなりやすい点には注意が必要です。Fullstarのように従量課金なしの定額制を採用しているツールや、無料プランを提供しているツール(Fullstar、Pendo)であれば、まず小規模で効果検証し、成果を確認してから拡大する進め方が可能です。
サポート体制と作成代行の有無
ノーコードで作成できるとはいえ、初期のガイド設計には一定の工数がかかります。社内にリソースが不足している場合、ベンダー側のサポート体制が導入の成否を左右します。確認すべき点は以下です。
- 導入時にキックオフから定着まで伴走する専任担当がつくか
- ガイドの作成代行サービスがあるか(ある場合、費用はいくらか)
- 定例ミーティング等の継続的な改善支援があるか
国産DAPは日本語UIと日本語サポートに強みがあり、テックタッチやFullstarは専任のカスタマーサクセス担当が伴走するケースが多いです。海外製(WalkMe・Pendo・Whatfix)はグローバル基準の多言語サポートや24時間体制が充実していますが、日本特有の業務プロセスへの細かい対応は国産の方が一歩リードする傾向があります。
【社内DX定着型】デジタルアダプションツール6選
社内の業務システム(経費精算・人事管理・CRM・ERP等)の定着促進を主な用途とするツールです。情報システム部門やDX推進部門が導入を主導するケースが多く、従業員からの問い合わせ削減やシステム操作の標準化を目的としています。
テックタッチ
- 提供会社:テックタッチ株式会社
- 対応用途:社内DX(大企業・公共団体)
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:デジタルガイド作成(ステップバイステップ・ツールチップ)、オートフロー(定型操作の自動実行)、利用状況の分析・レポーティング、条件分岐による表示出し分け
- 導入企業例:トヨタ、三菱UFJ銀行、損害保険ジャパン、経済産業省
- 市場シェア:国内DAP市場5年連続首位(ITR調べ)
テックタッチは国内DAP市場でシェア首位の実績を持つデジタルアダプションプラットフォームです。Salesforce・SAP・kintone等の主要業務システムに対応しており、大企業や公共団体への導入実績が豊富です。他社との差別化ポイントはオートフロー機能で、ガイド表示だけでなく、定型的なシステム操作(データ入力・転記・申請等)そのものを自動化できます。
一方で、料金は公開されておらず個別見積もりが必要です。大企業向けの価格帯であることが推測され、オートフロー等の高度な機能を使いこなすには初期設計にある程度の工数がかかります。
参照:テックタッチ公式サイト
WalkMe
- 提供会社:WalkMe株式会社(2024年にSAPが買収)
- 対応用途:社内DX(グローバル大企業)
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:デジタルガイド作成(Web・デスクトップ・モバイル横断)、ActionBot(対話型AIによる自動回答)、インサイト分析、複数アプリ横断のワークフロー管理
- 導入企業例(国内):日清食品、農林中央金庫、荏原製作所
イスラエル発のグローバルDAPベンダーで、2024年にSAPの傘下に入りました。Web・デスクトップ・モバイルの3環境を横断してガイドを管理できる点が特長で、複数アプリをまたぐワークフローの一元管理に強みがあります。SAP傘下となったことで、SAP製品群との連携がさらに強化される見通しです。ActionBot(対話型AI)によるチャット形式の自動回答機能も搭載しています。
ただし、グローバル製品のため日本語でのきめ細かいサポート対応には限界がある場合があります。エンタープライズ向けの価格帯であり、中小企業がスモールスタートするには導入ハードルが高い点にも留意が必要です。
参照:WalkMe公式サイト
Fullstar(社内DX用途)
- 提供会社:クラウドサーカス株式会社
- 対応用途:社内DX・SaaS CS
- 料金:Freeプラン(無料・機能制限あり)/上位プラン:月額要問い合わせ(従量課金なし)
- 主な機能:チュートリアル・ツールチップ作成(ノーコード)、利用状況モニタリング・解約アラート通知、プロダクト内アンケート、条件分岐による表示出し分け、Slack・Salesforce連携、ガイド作成代行プラン
- 導入社数:2,200社以上(2026年3月末時点)
- 市場シェア:従業員300名未満のDAP売上高シェア2年連続No.1(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)/ITreview DAP部門「Leader」11期連続受賞
もともとSaaS企業向けのカスタマーサクセスツールとして開発されましたが、現在は社内DX用途での導入が増加しており、経費精算・人事管理・原価管理等の社内システムへの導入事例が蓄積されています。従量課金なしの定額料金体系を採用しており、全社展開時にもコストが膨らみにくい設計です。また、ガイドの作成代行プランがあり、社内リソースが不足している場合でも導入初期の負担を軽減できます。
注意点としては、Web/SaaSアプリが主な対応範囲であり、デスクトップアプリやオンプレミス環境への対応はBizFront等の特化型ツールに劣ります。また、オートフロー(定型操作の自動化)のような高度な自動化機能は搭載されていません。
Whatfix
- 提供会社:Whatfix
- 対応用途:社内DX(グローバルエンタープライズ)
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:デジタルガイド作成(AIによる自動生成支援)、セルフヘルプウィジェット、プロダクトアナリティクス、70言語対応
- 連携実績:Salesforce・Oracle・SAP・ServiceNow
インド発のグローバルDAPベンダーで、ERP・CRM等の大規模エンタープライズシステムへの導入に強みがあります。AIがシステム画面の構造を解析してガイドの下書きを自動生成する機能があり、初期設計の工数を削減できます。70以上の言語に対応しているため、海外拠点にも同じDAPを展開しやすい設計です。
ただし、日本語でのサポートは国産ツールと比較すると手厚さに差がある場合があります。エンタープライズ向けの製品であり、中小企業が少数のシステムで試すにはオーバースペックになりやすい点にも注意が必要です。
参照:Whatfix公式サイト
BizFront
- 提供会社:NTTテクノクロス株式会社
- 対応用途:社内DX(デスクトップアプリ・オンプレミス環境特化)
- 料金:年額100万円〜(個別見積もり)
- 主な機能:全Windowsアプリ上でのガイド表示、ステップバイステップナビゲーション、入力チェック・入力補助、オフライン動作対応
NTTテクノクロスが提供する、デスクトップアプリ・オンプレミス環境に特化したDAPツールです。全てのWindowsアプリケーション上にガイドを設置でき、ネットワーク接続を必要としない環境でも動作する点が最大の特長です。セキュリティポリシー上クラウド接続が制限される環境(製造現場・金融機関・公共機関等)でも導入でき、NTTグループの提供であるため大企業・公共機関にとっては稟議が通りやすいという利点もあります。
一方で、Windows環境に特化しているため、macOS・モバイル・Webアプリのみで完結する業務には適しません。年額100万円〜と、スモールスタートには向かない価格帯です。
Dojoナビ
- 提供会社:株式会社テンダ
- 対応用途:社内DX(スモールスタート向け)
- 料金:月額55,000円〜
- 主な機能:ステップバイステップガイド・ツールチップ表示、マニュアル作成ツール「Dojo」との連携、利用状況レポート
株式会社テンダが提供するデジタルアダプションツールです。同社のマニュアル自動作成ツール「Dojo」との連携を前提に設計されており、マニュアルをDAPのガイドとして再利用できる点が他社にない特長です。シンプルな機能構成でDAPの初回導入や少数のシステムへの適用に向いており、月額55,000円〜と比較的安価にスタートできます。
ただし、条件分岐やユーザーセグメントごとの出し分け等の高度な機能は、テックタッチやWalkMeと比較すると限定的です。Dojo未導入の企業にとっては、連携メリットが活きづらい点にも留意してください。
参照:Dojoナビ公式サイト
社内DX用途でDAPの導入を検討中の方は、まず無料プランで効果を検証してみるのがおすすめです。Fullstarは無料プランですぐに始められます。
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【SaaS提供者向けCS効率化型】デジタルアダプションツール3選
自社が提供するSaaSプロダクトにガイドやチュートリアルを埋め込み、顧客のオンボーディングや機能活用を促進するタイプです。カスタマーサクセス部門やプロダクト部門が導入を主導し、解約率の低下やサポート工数の削減を目的とするケースが中心です。
Fullstar(SaaS CS用途)
- 提供会社:クラウドサーカス株式会社
- 対応用途:社内DX・SaaS CS
- 料金:Freeプラン(無料・機能制限あり)/上位プラン:月額要問い合わせ(従量課金なし)
- 主な機能:チュートリアル・ツールチップ作成(ノーコード)、利用状況モニタリング・解約アラート通知、プロダクト内アンケート、条件分岐による表示出し分け、Slack・Salesforce連携、ガイド作成代行プラン
- 導入社数:2,200社以上(2026年3月末時点)
- 市場シェア:従業員300名未満のDAP売上高シェア2年連続No.1(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)/ITreview DAP部門「Leader」11期連続受賞
FullstarはSaaS提供者が自社プロダクト上にチュートリアルやツールチップを設置し、顧客のオンボーディングを効率化する用途にも対応しています。もともとカスタマーサクセスツールとして開発された経緯があり、利用状況モニタリングや解約アラート通知など、CS業務に直結する機能を標準搭載しています。
SaaS CS用途での主な活用ポイントは以下の通りです。
- 初回ログイン時にプロダクトツアーを表示し、初期設定の完了率を引き上げる
- 利用頻度の低い顧客にだけ新機能のポップアップを出し分け、休眠ユーザーの活性化を促す
- 解約予兆のある顧客をアラートで検知し、CS担当に通知する
- NPSアンケートをプロダクト内で配信し、顧客満足度を定点観測する
カスタマーサクセスにおける「テックタッチ施策」の実装基盤として、CS担当者がエンジニアの工数を使わずに施策を回せるのが強みです。無料プランがあるため、まず自社SaaSの一部機能で効果検証し、成果が出てから全画面に展開する段階的な導入が可能です。
Onboarding
- 提供会社:STANDS株式会社
- 対応用途:SaaS CS
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:プロダクトツアー・ツールチップ作成(ノーコード)、機能活用レポート、ユーザーセグメントごとのガイド出し分け、NPSアンケート
STANDS株式会社が提供する、ノーコードのオンボーディングツールです。直感的なUIでのガイド作成に定評があり、SaaSプロダクトの初期設定完了率向上や機能活用促進を主な用途としています。機能活用レポートにより、ユーザーごとにどの機能を使っている・使っていないかを可視化でき、CS担当者が個別対応の優先順位を判断する際に役立ちます。国産ツールのため、日本語でのサポートが手厚い点も強みです。
一方で、SaaS提供者向けに特化しているため、社内DX用途での活用実績は他社と比較すると限定的です。料金は公開されておらず、個別見積もりが必要です。
Pendo
- 提供会社:Pendo.io(日本法人:Pendo.io Japan株式会社)
- 対応用途:SaaS CS
- 料金:Pendo Free(無料・機能制限あり)/有料プラン:要問合せ
- 主な機能:プロダクトアナリティクス(機能利用状況・パス分析・ファネル分析)、ガイド・ツールチップ・ポップアップ作成、AIインサイト自動抽出、NPSアンケート・フィードバック収集、モバイルアプリ対応、Salesforce・Slack・Jira連携
- 導入企業例:Salesforce、三井住友海上火災保険、KDDI、NEC、freee、弥生
米国Pendo社が提供する、プロダクト分析とガイダンスを統合したプラットフォームです。ユーザー行動データを深く分析した上で、その分析結果に基づいてガイドやメッセージを出し分けるという「分析→施策」の一気通貫が強みです。モバイルアプリにも対応しており、Web版とアプリ版の両方を提供しているSaaS企業に適しています。独自AIが利用データからインサイトを自動抽出し、改善すべきポイントをレコメンドする機能も搭載。無料プラン(Pendo Free)があり、小規模なSaaSでもコストをかけずに試用できます。
ただし、海外製品のため管理画面やドキュメントは英語ベースが中心で、日本語サポートの手厚さは国産ツールに劣ります。分析機能が高度なぶん、設定や運用には分析の知見がある程度必要です。
【CX・Web接客強化型】デジタルアダプションツール2選
ECサイトやサービスサイトに来訪したユーザーの行動データをもとに、ポップアップ・チャットボット・動画接客などをリアルタイムで出し分けるタイプです。マーケティング部門やEC運営部門が導入を主導し、コンバージョン率や離脱率の改善を目的としています。
KARTE
- 提供会社:株式会社プレイド
- 対応用途:CX・Web接客
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:リアルタイム顧客行動解析、ポップアップ・バナー・チャット・動画接客、ABテスト、アンケート・NPS配信、問い合わせ前行動の可視化、Salesforce・Slack・GA4連携
株式会社プレイドが提供するCXプラットフォームです。顧客行動のリアルタイム解析に強みがあり、「今この瞬間にサイト上で何をしているか」に応じた施策の出し分けが可能です。デジタルアダプション専業ツールとは異なり、Web接客・マーケティング・サポートを統合したCX基盤として設計されています。施策の設計自由度が高く、ポップアップだけでなくアンケート・動画・ABテストまで幅広い打ち手を実行できます。
ただし、多機能であるがゆえに運用設計に相応の工数が必要です。「操作ガイドの設置」だけが目的であれば機能過剰になる可能性がある点は留意してください。
参照:KARTE公式サイト
Sprocket
- 提供会社:株式会社Sprocket
- 対応用途:CX・Web接客
- 料金:要問合せ(個別見積もり)
- 主な機能:シナリオ型ポップアップ、動画接客、チャットボット連携、ABテスト・効果測定、専任コンサルタントによる伴走支援
- 実績:導入企業数300社以上、累計施策数50,000件以上
株式会社Sprocketが提供するWeb接客ツールです。ポップアップ・動画接客・チャットボットを組み合わせた施策設計に強みがあり、専任のコンサルタントが施策の設計・運用を伴走するサポート体制が特長です。「ツールは入れたが活用できていない」という事態を防ぎやすく、導入企業数300社以上、累計施策数50,000件以上という運用実績があります。
注意点として、CX・Web接客に特化しており社内DX用途やSaaS CS用途には対応していません。専任コンサルタントがつく分、セルフサーブで高速に施策を回したい企業には運用スタイルが合わない可能性があります。
デジタルアダプションツールの選び方
ここまで10製品の詳細を見てきましたが、最終的にどのツールを選ぶかは、以下の観点で判断すると失敗しにくくなります。
用途と費用相場で絞り込む
まず自社の主な用途(社内DX / SaaS CS / CX・Web接客)を特定し、次に費用相場と照らし合わせて候補を絞りましょう。参考として、規模別の費用感を整理します。
| 規模感 | 費用感 | 該当ツール例 |
|---|---|---|
| スモールスタート | 月額5〜10万円 | Fullstar、Dojoナビ、Onboarding |
| 中堅企業~エンタープライズ | 月額数十万~数百万円 | テックタッチ、Walkme |
従量課金型のツールを全社導入するとコストが大きくなりやすいため、料金体系の確認は重要です。Fullstarのように従量課金なしの定額制を採用しているツールであれば、利用者数が増えてもコストが変動しません。また、無料プランを提供しているのはFullstarとPendoの2製品です。まず無料プランで効果を検証し、成果を確認してから有料プランに移行する進め方ができます。
対応システムの範囲を確認する
多くのクラウド型DAPはWebブラウザ上のシステムを主な対応範囲としていますが、BizFrontのように全Windowsアプリ・オンプレミス環境まで対応するツールもあります。導入後に「このシステムには対応していなかった」という事態を避けるため、対象システムのURL・技術構成をベンダーに共有し、動作確認を取ることをおすすめします。
サポート体制で最終判断する
クラウドサーカス社の調査では、DAP導入企業の約8割が効果を実感している一方で、認知率は16%にとどまるという結果が出ています。つまりDAPは「導入すれば効果が出やすい」が「そもそも知られていない」状態にあり、導入時のガイド設計や社内定着まで伴走してくれるサポート体制が成功の鍵を握ります。
一般的にマニュアルの閲覧率は10〜15%程度、チャットボットの利用率も5〜15%程度にとどまるとされています。DAPは画面上に直接ガイドを表示するため閲覧率の構造的な問題を回避できますが、「どの画面のどの操作に、どんなガイドを設置すべきか」の初期設計は、社内の業務理解とツールの知見の両方が必要です。確認すべき点は以下です。
- 導入時にキックオフから定着まで伴走する専任担当がつくか
- ガイドの作成代行サービスがあるか
- 定例ミーティング等の継続的な改善支援があるか
国産DAPは日本語でのきめ細かいサポートに強みがあります。海外製品はグローバル基準のサポート体制が整っていますが、日本特有の業務プロセスへの細かい対応は国産の方が一歩リードする傾向があります。
導入企業の声——DAPで何が変わったのか
ここでは、デジタルアダプションツールを導入した企業の具体的な成果を、業種別に紹介します。
技術商社:社内問い合わせ90%削減(RYODEN)
株式会社RYODEN(三菱電機グループの技術商社)は、会計システムにFullstarのツールチップを約300個設置しました。導入の背景には、システムの変更点が増えて把握しきれなくなった状況と、増加する新入社員への教育指導の限界がありました。
導入後、社内問い合わせは月250件から約25件へと90%削減されました。最も表示回数の多いツールチップは75,000回以上表示されており、従業員が日常的にガイドを参照していることが分かります。
アニメ制作会社:マニュアル作成工数80%削減(トムス・エンタテインメント)
株式会社トムス・エンタテインメントは、経費申請・工程管理システムにFullstarのチュートリアルを設置しました。マニュアルの内容をシステム画面上のチュートリアルとして公開する運用に切り替えたことで、マニュアル作成工数が80%削減。従業員向けのシステム説明会にかかっていた工数も140時間(5割)削減されました。ツールチップ設置から2か月でマニュアルの閲覧数が100件以上に増加し、閲覧率の向上にもつながっています。
地方銀行:問い合わせの大幅削減(沖縄銀行)
株式会社沖縄銀行は、事業者向けバンキングサービス「ビズバン」にFullstarのガイドを設置しました。ユーザー数の増加に伴い操作に関する問い合わせが増えていましたが、システムの画面改修には開発工数が必要で、迅速に対応できない状況が課題でした。導入後、開発を介さずにサービス担当部門(デジタル事業部)だけで操作案内を追加できるようになり、導入前に多かった「権限設定」に関する問い合わせが劇的に減少しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 国産DAPと海外製DAPの主な違いは何ですか?
国産DAPは日本語UI・日本語サポートが標準であり、日本企業特有の業務プロセス(稟議・ハンコフロー等)への対応に長けている傾向があります。一方、海外製DAPは対応システムの範囲が広く(Web・デスクトップ・モバイル横断等)、多言語対応やグローバル展開時の拡張性に優れています。自社が日本国内のみで運用するのか、海外拠点にも展開するのかが大きな判断基準になります。
Q. 無料プランがあるデジタルアダプションツールはどれですか?
本記事で紹介した10製品のうち、無料プランを提供しているのはFullstarとPendoの2製品です。Fullstarは機能制限つきのFreeプランを提供しており、Pendoは「Pendo Free」として無料プランを用意しています。いずれも、まず小規模で効果を検証してから有料プランに移行する使い方が可能です。
Q. DAPの導入にどのくらいの期間がかかりますか?
ツールや対象システムの複雑さによりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- スモールスタート(1システム・基本的なガイド数十個):2〜4週間
- 中規模導入(複数システム・ガイド100個以上):1〜3か月
- 大規模導入(全社展開・多言語対応):3〜6か月以上
作成代行プランを利用すれば、自社の工数を抑えつつ導入期間を短縮することも可能です。
まとめ
本記事では、デジタルアダプションツール10製品を「社内DX定着型」「SaaS CS効率化型」「CX・Web接客強化型」の3タイプに分けて比較しました。
ツール選定において最も重要なのは、自社の課題と用途に合ったタイプのツールを選ぶことです。社内システムの定着が課題なのか、SaaSプロダクトの顧客オンボーディングが課題なのか、ECサイトのコンバージョン改善が課題なのかを明確にした上で、対応範囲・料金体系・サポート体制の3点で絞り込むと、判断がしやすくなります。
DAPは「導入すれば効果が出やすい」反面「そもそも認知が低い」領域です。本記事の比較表や個社解説を参考に、まずは無料プランやトライアルで小さく始め、効果を確認してから拡大していく進め方をおすすめします。
Fullstarは無料プランですぐに始められます。サービス資料では、機能一覧・料金・導入事例をまとめてご確認いただけます。
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