リスティング広告の運用代行費用|手数料20%は年いくらで内訳はなにか?

リスティング広告の運用代行にかかる費用は、広告費とは別に「広告費の20%」の手数料がかかるのが相場です。広告費が月50万円なら手数料は月10万円、年120万円。月100万円なら年240万円になります。
相場を「20%」とだけ覚えていると、契約後に想定と違う請求が来ることがあります。最低手数料が別に設定されていたり、レポートの作成やLPの改修が手数料の範囲外だったりするためです。この記事では、費用の内訳と年間の総額、そして手数料に含まれない作業までを整理します。
目次
10まとめ
1.運用代行にかかる費用の内訳
1-1.広告費(媒体に払う)
広告がクリックされるたびに発生する費用です。支払先はGoogleやLINEヤフーといった媒体で、代理店の収入にはなりません。
代理店経由で出稿する場合、広告費を代理店に立て替えてもらい、手数料と合わせて請求される形が一般的です。請求書の合計金額を見て「代理店に高い金額を払っている」と感じることがありますが、その大部分は媒体に流れる広告費です。見積もりを比較するときは、広告費を除いた部分だけを見てください。
1-2.運用手数料(代理店に払う)
代理店の収入にあたる部分です。キーワードの選定、広告文の作成と入稿、入札の調整、レポートの作成といった業務に対する対価になります。
相場は広告費の20%。主要な代理店の公開情報を確認したところ、料率制を採用している代理店はほぼすべてが20%でした。
1-3.初期費用
アカウントの開設、初期のキーワード設計、コンバージョン計測の設定などにかかる一時費用です。相場は0円から10万円程度で、初期費用を無料としている代理店も多く見られます。
初期費用が有料の代理店でも、契約期間の縛りとセットで無料になるケースがあります。初期費用の有無だけで判断せず、最低契約期間と合わせて確認してください。
1-4.別途かかることが多い費用
手数料の外側で発生しやすい費用です。見積書に含まれていないことが多く、あとから追加されます。
| 費用 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ランディングページの制作 | 1本あたり25万〜100万円 | 広告専用のページを新規で作る場合 |
| ランディングページの継続改善 | 月10万〜15万円 | 公開後にテストと改修を続ける場合 |
| バナー・画像の制作 | 都度見積もり | ディスプレイ広告を併用する場合 |
| コンバージョン計測の設定 | 初期費用に含まれる場合と別途の場合がある | タグの実装が必要 |
※本記事の金額は、主要代理店および比較メディアが公開している情報(2026年9月時点)をもとに整理しています。条件は変更されることがあるため、契約前に各社の最新情報をご確認ください。
2.運用手数料の4つの体系
| 体系 | 計算方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 料率制 | 広告費 × 20% | 広告費に応じて負担が変わるので分かりやすい | 広告費を増やすほど手数料も増える |
| 定額制 | 月額固定 | 広告費が大きいほど割安になる | 広告費が小さいと比率が重くなる |
| 成果報酬型 | コンバージョン件数などに応じて変動 | 成果が出なければ支払いが抑えられる | 件数だけを追われ、質が落ちることがある |
| ハイブリッド型 | 定額+料率、または料率に下限を設定 | 双方のリスクを分け合える | 計算が複雑で他社と比較しにくい |
2-1.料率制(広告費の20%)
もっとも多い体系です。広告費が増えれば手数料も増えます。代理店側から見ると、広告費を増やす提案が自社の収入増につながる構造になっている点は理解しておいてください。
提案された増額が成果に基づくものかどうかは、CPAの推移で確認できます。広告費を増やしてもCPAが悪化していないなら、その提案は妥当です。
2-2.定額制
広告費に関わらず月額が一定の体系です。広告費が大きい企業ほど、料率制より有利になります。
広告費が月500万円の場合、料率制なら手数料は月100万円。定額制で月50万円なら、年間で600万円の差が出ます。広告費が月300万円を超えたあたりから、定額制の提示を依頼する価値があります。
2-3.成果報酬型
コンバージョン1件あたりいくら、という形で支払う体系です。成果が出なければ支払いが減るため、一見すると発注側に有利に見えます。
注意したいのは、何を成果と定義するかです。資料請求を1件とカウントする場合、質を問わず件数を増やす方向に運用が寄ることがあります。受注につながらない問い合わせが増えて、営業側の工数だけが膨らむ、という事態が起こりえます。成果の定義は契約時に具体的に詰めてください。
2-4.ハイブリッド型
「広告費の20%。ただし下限は月10万円」といった形です。実態としては、料率制に最低手数料を組み合わせたものが多く見られます。次章以降で扱う最低手数料が、この体系にあたります。
3.なぜ手数料は20%で揃っているのか
主要な代理店の料率がほぼ20%で一致しているのは偶然ではありません。広告運用の作業量は、広告費の大小にそこまで比例しません。キーワードを設計し、広告文を作り、毎週数字を見て調整するという一連の作業は、広告費が月30万円でも月300万円でも大きくは変わらないためです。
そのうえで代理店が事業として成り立つ水準を逆算すると、20%前後に落ち着きます。つまり20%という数字は、発注側の価値ではなく受注側の採算から決まっています。
ここから2つのことが言えます。1つは、料率で比較しても差がつかないということ。もう1つは、広告費が大きい企業ほど、同じ作業に対して多く払っているということです。広告費が月500万円の企業は月30万円の企業と作業量がさほど変わらないのに、手数料は16倍以上払っています。規模が大きいなら、料率以外の体系を提示してもらう交渉余地があります。
4.【実額表】広告費別に見る年間の総額
4-1.広告費と手数料を合わせた年間支出
| 月の広告費 | 月の手数料(20%) | 年間の広告費 | 年間の手数料 | 年間の総額 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 4万円 | 240万円 | 48万円 | 288万円 |
| 50万円 | 10万円 | 600万円 | 120万円 | 720万円 |
| 100万円 | 20万円 | 1,200万円 | 240万円 | 1,440万円 |
| 200万円 | 40万円 | 2,400万円 | 480万円 | 2,880万円 |
| 300万円 | 60万円 | 3,600万円 | 720万円 | 4,320万円 |
| 500万円 | 100万円 | 6,000万円 | 1,200万円 | 7,200万円 |
月額で見ると数万円の話に思えても、年額に直すと桁が変わります。広告費が月100万円の企業は、運用を外注しているだけで年240万円を支払っています。
4-2.広告費が増えるほど、手数料の絶対額が増える
料率制では、広告費を倍にすると手数料も倍になります。広告費が月50万円から100万円に増えたとき、代理店の作業量が倍になっているかというと、そうではないことがほとんどです。
成果が安定して広告費を増やす段階に入ったら、料率のまま進めるか、定額制への切り替えを打診するかを検討する価値があります。年間の差額が100万円を超えるなら、交渉のコストに見合います。
5.見落とされやすい「最低手数料」と「最低出稿額」
5-1.最低手数料は月5万〜20万円
料率で計算した金額がこれを下回っても、この金額は請求される、という下限です。調査した範囲では月5万円から20万円の設定が見られました。
広告費が月100万円未満の場合に最低20万円という設定を公開している代理店もあります。この場合、広告費が月50万円なら料率換算では10万円のところ、実際には20万円を支払うことになります。
5-2.最低出稿額は月30万〜100万円
この広告費に届かないと契約を受けない、という下限です。月30万円から100万円という水準が公開されています。
一方で、最低出稿額を設けていない代理店も存在します。少額から始めたい場合は、この条件で絞り込むのが早道です。
5-3.【試算】広告費が小さいほど実質の手数料率は上がる
最低手数料が月10万円に設定されている場合の試算です。
| 月の広告費 | 料率20%での計算 | 実際に支払う手数料 | 広告費に対する実質の率 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 2万円 | 10万円 | 100% |
| 20万円 | 4万円 | 10万円 | 50% |
| 30万円 | 6万円 | 10万円 | 33% |
| 50万円 | 10万円 | 10万円 | 20% |
| 100万円 | 20万円 | 20万円 | 20% |
広告費が月50万円を超えたところで、ようやく表示どおりの20%になります。それ未満の規模では、最低手数料が実質的な料金を決めています。見積もりを取るときは、料率ではなく「自社の広告費だと月いくらか」を金額で聞いてください。
5-4.少額予算でも依頼できる代理店の条件
- 最低出稿額を設けていない
- 最低手数料が低い、または定額制で月3万〜5万円程度から受けている
- 最低契約期間が1か月から、または期間の縛りがない
この3つが揃っている代理店は存在します。ただし選択肢は絞られるため、広告費が月20万円を下回る場合は、次章以降で扱うツールでの内製化も並行して検討することになります。
6.手数料に含まれる作業・含まれない作業
6-1.含まれることが多い作業
- アカウント・キャンペーンの設計と初期構築
- キーワードの選定と追加、除外キーワードの設定
- 広告文の作成と入稿、差し替え
- 入札単価と日予算の調整
- 月次または週次のレポート作成
- 定例ミーティングでの報告
6-2.別費用になりやすい作業
| 作業 | 扱われ方 |
|---|---|
| ランディングページの制作 | ほぼ別費用。1本25万〜100万円 |
| ランディングページの改修・ABテスト | 提案までは含まれ、実装は別費用というケースが多い |
| バナー・動画の制作 | 別費用 |
| コンバージョン計測タグの実装 | 初期費用に含まれる場合と別費用の場合がある |
| 他媒体(SNS広告など)の追加 | 媒体ごとに手数料が発生することがある |
| レポートの形式変更・追加分析 | 標準の範囲を超えると別費用になることがある |
とくにランディングページまわりは、提案はされるが実装は別、という線引きになっていることが多い項目です。広告の成果はLPに大きく左右されるにもかかわらず、その改修が予算の外にあると、提案が出ても実行されないまま数か月が過ぎます。
6-3.見積もりを受け取ったときに確認すること
見積もりの確認項目
- 手数料は料率か定額か。料率の場合、最低手数料はいくらか
- 自社の想定広告費だと、手数料は月いくらになるか(率ではなく金額で)
- 初期費用の内訳と、その範囲でどこまでやってもらえるか
- 最低契約期間と、途中解約した場合の扱い
- レポートの頻度・項目と、改善提案が含まれるか
- LPの改修は提案までか、実装まで含まれるか。実装が別費用ならいくらか
- 媒体を追加した場合に手数料がどう変わるか
- 広告費が増減した場合の手数料の計算方法
7.代理店に払う手数料と、ツールで内製化した場合の比較
7-1.【比較表】年間コストの差
広告費を月100万円(年1,200万円)としたときの比較です。
| 体制 | 運用コストの計算 | 年間の運用コスト | 広告費と合わせた年間総額 |
|---|---|---|---|
| 代理店に依頼 | 広告費の20% | 240万円 | 1,440万円 |
| 広告運用ツールを使って自社運用 | 広告費の5%程度(ツールによる) | 60万円 | 1,260万円 |
| 完全に自社だけで運用 | 担当者の人件費 | 体制による | 体制による |
代理店とツールの差は年180万円です。広告費が月300万円なら差は年540万円に広がります。
なお、広告費連動型のツールの料率は複数の製品で5%前後に設定されており、特定のツールだけが安いというわけではありません。ツールを選ぶときは料率ではなく、対応媒体と機能の範囲で比べることになります。
7-2.コスト以外に変わること
| 項目 | 代理店に依頼 | ツールで自社運用 |
|---|---|---|
| 改善のスピード | 依頼して数日 | 自社の判断で即日 |
| 必要な社内工数 | ほぼ不要 | 週2〜3時間程度 |
| 専門性 | 運用者の経験が入る | 社内で習得が必要 |
| ノウハウの蓄積 | 社外に残る | 社内に残る |
| 複数媒体の運用 | まとめて任せられる | ツールの対応媒体次第 |
| LPの改修 | 別費用になりやすい | LP機能を持つツールなら同じ体制で回せる |
年180万円の差に対して、代理店側が提供するのは運用者の経験と、社内工数がほぼ不要になることです。週2〜3時間を社内で確保できるかどうかが、この差額を払う意味があるかどうかの分かれ目になります。確保できないならツールを入れても成果は変わりません。
7-3.内製化に切り替えるときの注意
代理店からツールでの自社運用に切り替える場合、最初に確認するのは広告アカウントの名義です。
アカウントが代理店の名義で作られている場合、解約にあたって譲渡を受けられないことがあります。引き継げないと、蓄積した配信データも、学習の進んだ自動入札の設定も手元に残りません。ゼロから作り直すことになり、成果が元の水準に戻るまでに数か月を要します。
契約前であれば、自社のGoogleアカウントでアカウントを開設し、代理店には運用権限を付与する形にしておいてください。すでに契約中であれば、譲渡の可否を早い段階で確認しておくと、切り替えの判断がしやすくなります。
- 手数料を抑えつつ、広告とLPを同じ体制で回す
- 広告AIエージェント「CIRCUS Ads」
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CIRCUS Adsは、初期費用0円・月額のツール費用は基本0円で、月額広告費が20万円以上の場合は広告費の5%、20万円未満の場合は月1万円という料金体系のツールです(最低契約期間は3か月)。最低出稿額は設けていません。
AIとの対話でLPの作成と広告キャンペーンの作成を行い、自社のGoogle広告アカウントに連携して配信まで実行できます。LPの改修が別費用として切り離されないため、広告とLPをまとめて回せる構成になっています。
ただし、連携できるのはGoogle広告です。複数媒体を横断して運用したい場合や、社内に週数時間の確認時間を確保できない場合は、代理店に依頼するほうが適しています。
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8.安すぎる代理店・高すぎる代理店の見分け方
手数料が相場より低い場合に確認すること
手数料10%といった提示を受けたときは、何を削ってその水準にしているかを確認してください。
- 担当者1人あたりの担当社数に上限があるか(多いほど1社あたりの対応時間は減ります)
- レポートの頻度と、報告の場が設けられるか
- 提案を含むのか、指示された作業を行うだけなのか
- 再委託が入っていないか
低い料率そのものが問題なのではなく、その料率で成立する体制になっているかどうかが判断の基準です。
手数料が相場より高い場合に確認すること
20%を超える提示や、定額で高額な提示を受けた場合は、その分どの作業が含まれているかを確認してください。LPの改修まで含む、クリエイティブ制作を含む、複数媒体を含む、といった理由があれば妥当な場合もあります。
比較するときは、手数料の金額ではなく「手数料 ÷ 含まれる作業」で見ると判断しやすくなります。
同じ広告費でも成果は変わる
広告費が同じでも、運用する会社が変わると成果は動きます。ある比較メディアが公開している事例では、月額広告費が同水準であってもコンバージョン数に3倍近い開きが出ていました。手数料を数万円抑えた結果、獲得件数がそれ以上に落ちることは起こりえます。費用は比較の入口であって、判断の全部ではありません。
9.運用代行の費用に関するよくある質問
リスティング広告の運用代行の相場はいくらですか?
広告費の20%が相場です。これに加えて初期費用が0円から10万円、最低手数料が月5万円から20万円設定されている場合があります。広告費が月50万円を下回ると、最低手数料のほうが料率換算の金額を上回ることが多くなります。
手数料20%は高いですか?
広告費の規模と、含まれる作業の範囲で変わります。広告費が月50万円なら手数料は月10万円で、専任の担当者を置くより安く済みます。一方、月500万円なら手数料は月100万円となり、社内に運用チームを作ったほうが安くなる水準に入ります。判断の軸は「同じ金額を人件費に充てた場合と比べてどうか」です。
広告費が月10万円でも運用代行を頼めますか?
最低出稿額や最低手数料の条件を満たせないことが多く、依頼先は限られます。仮に契約できても、最低手数料が月10万円なら広告費と同額を手数料として払うことになります。定額制の代理店か、ツールでの自社運用が現実的な選択肢になります。
手数料の他に初期費用はかかりますか?
0円から10万円程度です。初期費用を無料としている代理店も多く見られます。ただし無料の代わりに最低契約期間が設定されていることがあるため、セットで確認してください。
運用代行を解約するとき、広告アカウントはどうなりますか?
代理店名義で開設されたアカウントは譲り受けられないことがあります。譲渡の可否は契約内容によります。譲渡できないと配信データと自動入札の学習を引き継げず、再構築に数か月かかります。契約前に必ず確認してください。
広告費を増やすと手数料も増えますか?
料率制なら増えます。広告費を倍にすれば手数料も倍です。広告費が月300万円を超える規模になったら、定額制やハイブリッド型の提示を依頼する価値があります。
LP制作費も運用代行の費用に含まれますか?
ほとんどの場合、含まれません。LP制作は1本25万円から100万円程度が目安で、公開後の継続的な改善は月10万円から15万円程度が別途かかります。広告費とは別枠で見積もってください。
成果報酬型のほうが安全ではありませんか?
支払いのリスクは下がりますが、何を成果とするかの定義によっては、質より件数を追う運用になることがあります。資料請求の件数で契約する場合は、受注につながる質をどう担保するかを合わせて決めておく必要があります。
10.まとめ
リスティング広告の運用代行費用は、広告費の20%が相場です。ただしこの数字だけを見て予算を組むと、最低手数料や別費用で想定を超えます。
確認すべきは3つ。自社の広告費だと手数料は月いくらか(率ではなく金額で)。最低手数料はいくらか。手数料にLPの改修が含まれるか。この3つが分かれば、代理店ごとの提示を同じ土俵で比べられます。
そして、年額に直してみてください。広告費が月100万円なら手数料は年240万円です。この金額を運用体制にどう配分するか、という問いに置き換えると、代理店・ツール・内製のどれを選ぶかの判断がしやすくなります。




