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コーラのメイン購買層は40代の主婦?消費者ではなく"購買者"へ訴求する、コカ・コーラも実践しているショッパーマーケティングとは

記事公開日:2014/10/06
最終更新日:2023/11/10
コーラのメイン購買層は40代の主婦?消費者ではなく"購買者"へ訴求する、コカ・コーラも実践しているショッパーマーケティングとは

こんにちは。

スターティアラボ ブログ編集部です。

今回は、価格競争や、サービスのパリティ化(同質化)に悩む人にとってヒントとなるお話をします。

サービスの消費者のことを「コンシューマー」と呼びますが、では、「ショッパー」とは何を指すかご存知ですか?

ショッパーとは"購買者"を意味します。物を購入した人=消費者、とはならない場合も存在し、その場合は購買者と消費者が別々に存在する事になります。今回注目するのは、このショッパーをマーケティング対象とした手法です。

日本では、コカ・コーラが代表的な例となる"ショッパーマーケティング"をご紹介します。

1.ショッパーマーケティングとは

簡単にいうと、消費する人(コンシューマー)ではなく、購入する人(ショッパー)に対する興味付けや、商品を購入してもらうための仕掛けづくりのことです。

この「ショッパーマーケティング」という概念が現れたのは、米国の団体GMA(Grocery Manufactures Association)が、2007年頃に定義づけたことが始まりと言われています。ある報告書の中で、ショッパー・マーケティングは「ショッパー行動の深い理解に基づくマーケティング活動の全般であり、ショッパーを惹きつけ、購買に導くことを目的としている」と書かれています。

コンシューマーではなく、実際に商品を店頭で購入する買い物客(ショッパー)の心理行動をとらえた上で、購買に導くための同線作りやプロモーションを行うことが重要になります。

2.これまでのマーケティングとの違い

では、ショッパーマーケティングといままでのマーケティングは何が具体的に違うのでしょうか?


それはズバリ、「コンシューマーからショッパーへ」というマーケティング対象の違いです。

例えば、清涼飲料を購入する場合、自動販売機やコンビニで購入するかと思いますが、それは自分自身で飲むために購入するケースがほどんどです。
この場合は、「ショッパー=コンシューマー」であると言えます。

それに対してスーパーマーケットではどうでしょうか?例えばある主婦がスーパーに買い物に来た場合、購入するものの中で主婦自身が消費するものではなく、家族が消費するものが含まれています。この時、コンシューマー向けの訴求を行っても、実際に購入する主婦層の方に対しては効果が薄いという結果に繋がります。


このような時に、ショッパーに対しての活動を展開することによってはじめて、ターゲットとマーケティング活動の対象が一致するのです。

3.ショッパーマーケティングの活用例

前述したスーパーマーケットでの購買行動が一番わかりやすいかと思いますので、ビール業界での活用についてご紹介します。

最近、ビールのCMのシュチュエーションといえば、昼下がりのテラスや海をバックに撮影しているケースが多いかと思います。お酒を飲むシーンは「夜」をイメージされるケースが多いのですが、「昼から飲む」というテーマがトレンドになっているからですね。これは若者のお酒離れに対して「もともと飲む人の飲む時間を増やす」ことが目的であると考えられます。

また、アルコールの量をあえて減らして「飲めない人向け」のお酒も大ヒットしたり、主婦層に人気のアイドルが起用されるケースが多くなってきました。ショッパーマーケティングの観点からみるとこれは有効かと思います。

主婦層がビールや発泡酒を購入する場合、スーパーで購入することが多く、その消費者は旦那さんでショッパーとコンシューマーが異なります。このとき、主婦層が店頭に並ぶ多々ある銘柄から商品を選ぶわけですから、ショッパーへのイメージ訴求は重要になってくるわけです。最近では糖質やカロリーを抑えた商品もヒットしていますし、これらは旦那さんの体型や、健康を気遣う主婦(ショッパー)へのマーケティングが成功した事例と言えるでしょう。

4.コカ・コーラの例

スーパーでコーラを買う層は、女性が60%を占めるという調査結果が出ており、さらに、コカ・コーラグループのSBL(ショッパー・ビヘイビアル・ランドスケープ)と呼ばれる情報分析によって、購買行動を7つに分類すると、最も多いのは「食事と共に飲む」という事実がわかりました。

飲料水の場合、購買者=消費者と想像するのもですが、実際には、自分がすぐに飲むためというよりは「ご飯時のお供に」など、食事と紐ついていて、さらにその時の購買者が女性と判明しました。そのため、スーパーにおいては飲む人へ訴求するのではなく、買う人(主婦層)へ魅力的な見せ方をしなければなりませんでした。そこでコカ・コーラが取った手段は、食品メーカーと協賛し、コーラに合うレシピを月毎に紹介して販促するというものでした。

その月の紹介レシピがカレーであれば、コーラがカレーと合う内容を訴え、食材の周辺にもコーラを陳列するなど、献立毎にレイアウトを変更して対応できます。また、購買層が女性という点に対し、持ちやすい、1.65ℓのペットボトルを導入するなどして売上アップに成功しました。

実際に飲む人ではなく、購買者は何を目的として商品を購入するのかという視点から、興味を引き出した成功例となっています。

5.まとめ

ネットショッピングやO2Oなど、ユーザーが物を購入する際の心理行動は年々多様化しています。


店頭での購買マーケティングや、ISM(インストア・マーチャンダイジング)など、これまでマーケティング手法としては様々用いられてきました。しかし、いずれも成功しないケースがあり、それは商品の陳列等、どうしても消費者目線で商品展開が出来ないという慢性的な問題があったためです。消費者と購買者の違いに焦点を置き、マーケティング対象を変える事は、より合理的と言えます。

消費やと購入者の心理行動の違いを理解した上で、適切なマーケティング活動を行っていく事が、小売業以外でも有効活用出来る時代になっているように感じますので、ご参考になればと思います。


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