カスタマーサクセスをスムーズにおこなうためにはWebサイトを活用することが不可欠です。
Webサイトの中でも、コミュニティサイトの運用がカスタマーサクセス業界の中では注目されています。
コミュニティサイトとは、共通の関心事を持つ人達が集まり、情報交換や交流を行うためのWebサイトやWebサービスのことです。
 
コミュニティサイトは、もともと、趣味などを同じくする人たちがプライベートで集まる掲示板やメーリングリストから発達し、現在ではSaaSベンダーなどがビジネス目的で提供するものも多く、カスタマーサクセスに重要な役割を果たしています。
 
本コラムでは、カスタマーサクセスに欠かせないコミュニティサイトについて、必要なコンテンツや事例をまとめてご紹介いたします。
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>コミュニティマーケティングとは?意味・事例・ツール・本・セミナーを一挙にまとめました!
>カスタマーサクセスとは?目的、指標、カスタマーサポートとの違いなど、まとめました!
>カスタマーサクセスの考え方とは?今大注目の顧客の成果を実現する概念
 
カスタマーサクセスとは、契約や購入してもらった後の顧客に対し、自社の製品・サービスを活用してもらうことで顧客の利益や課題解決につなげ、成功してもらうために、能動的に働きかける活動や担当部門をいいます。
 
SaaSを始めとするサブスクリプション型ビジネスの台頭でカスタマーサクセスも浸透しました。買い切り型の商品購入とは異なり、契約後も継続してもらってLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)を向上させなければ、利益向上が見込めないためです。
 
カスタマーサクセスについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
>カスタマーサクセスとは?目的、指標、カスタマーサポートとの違いなど、まとめました!
セルフサーブとは、顧客自身が自力で検討・導入を進められる製品・サービスのこと、またその営業手法を指す言葉です。
 
セルフサーブが可能なのは、機能がシンプルで顧客が理解しやすく、導入フローもわかりやすいなどの条件が揃った商材です。
 
セルフサーブ商材を提供する場合、顧客の導入から契約、利用中のヘルプデスクまで、基本的にはすべてオンラインで完結している必要があるため、これらのタッチポイントを充実させる必要があります。
主なセルフサーブSaaSの例を3つご紹介します。
 
LINE広告(旧:LINE Ads Platform)は、月間利用者数 8,600万人(※2019年12月末時点の数値)が利用するSNSであるLINE内に広告配信が可能な広告配信プラットフォームで、2019年11月に誰でも容易に広告配信ができるセルフサーブ機能が付加されました。
 
これにより、それまでは代理店を介してのアカウント開設や手続きが必要だったところから、支払いまですべてオンラインで完結できるようになり、中小企業や個人店などにも利用しやすくなりました。
G suite(ジー・スイート)は、Googleが提供しているGmailやGoogleドライブ、Googleカレンダー、Googleドキュメントといったウェブアプリケーションが揃ったクラウドサービスで、Web上で契約から利用、ヘルプデスクまでが完結します。
 
G suiteでは「G Suite ユーザー会」というコミュニティサイトを用意しており、メンバー同士で質問に回答し合ったり、Googleが主催するイベントに参加したり、新たな活用法を模索したりといった活動が行われています。
Zoomは、無料でも使えるオンライン会議システムで、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワーク推進の流れで利用者数を大きく伸ばしています。
 
公式Webサイトからインストールすれば、すぐに使えるようになり、セルフサーブ向きの商材といえます。
セルフサーブ商材を提供するに当たり充実させたいタッチポイントの一つとして「コミュニティサイト」があります。
 
コミュニティサイトには、企業が提供するアフターサポートを補助する機能があります。
ここでは、コミュニティサイトにぜひ設けたいコンテンツを7つご紹介いたします。
チュートリアルとは、製品・サービスの使い方を指導する教材のことで、特に導入初期の基本操作を順序立てて教えるものです。基本的な操作を身につけてもらう目的があります。
ユーザーが学び終わったものとそうでないものをマークでわかりやすく表示しているものも多いです。
 
専用チュートリアルコンテンツ作成サービスを埋め込むという方法もあり、双方向性の高いチュートリアルを作成することができます。
※2021年4月、チュートリアル機能も付いた無料から使えるCS支援ツールをリリースいたしました!
 >カスタマーサクセスマネジメントシステム「Fullstar(フルスタ)」
学習ガイドとは、製品・サービスを活用するために必要な使い方や知識を体系的に、順序立てて学ぶことができる教材を指します。
 
「チュートリアル」が導入初期の基本操作習得を目的としているのに対し、学習ガイドでは、ツールの利用・運用に欠かせない知識全般を学べます。
上でご紹介したチュートリアルや学習ガイドは、テキスト情報やアニメーションなどで解説するほか、動画で作成するのも効果的です。
 
操作説明や概念などを動画にまとめて掲載しておけば、ユーザーは、テキストか動画か、自分の理解しやすいコンテンツを選んで学習できます。
FAQとは、Frequently Asked Questionsの頭文字を取ったもので、ユーザーからの質問が想定される内容とその回答をあらかじめまとめて表示するものです。
 
FAQを用意しておくことで、ユーザーは問い合わせの手間が、企業は回答の手間が省けます。
掲示板とは、Webサービス上に特定テーマのスレッド(トピック)に沿った話題をユーザーが自由に投稿・閲覧できるものです。
 
ユーザー同士でわからないことを投稿して教え合ったり、活用法について情報交換を行ったりして活用します。
コミュニティサイトによっては、企業が提供する認定資格の取得や、コミュニティサイト上での活躍に応じて称号やバッジを付与するなどの取り組みを行っているところもあります。
資格・バッジの設置は、コアなユーザーを育て、ロイヤルティを向上する効果が期待できます。
イベントの開催は、コミュニティの絆を深め、個々のメンバーの帰属意識を高めるのに効果的です。
 
新型コロナ禍でオフラインでのイベントは自粛傾向にありますが、オンラインでのイベントは活性化しており、難易度の高い活用法などに関する勉強会から懇親会まで、さまざまなイベントが考えられます。
 
また、コミュニティが成熟してくると、企業が主催するイベント以外にもユーザーがイベントを主催するようになってきます。コミュニティマネジャーは、そうした自走の状態を作り出すべく働きかけることが大切です。
 
コミュニティマネジャーについては、こちらの記事もご覧ください。
>コミュニティマーケティングとは?意味・事例・ツール・本・セミナーを一挙にまとめました!
最後に、コミュニティサイトの事例を8つご紹介いたします。
 
画像引用:Adobe XD Trail
 
Adobe XD Trail は、Webサイトやモバイルアプリを制作する際に活用できるUI/UXデザインツールである「Adobe XD」のコミュニティサイトです。
 
動画による学習コンテンツ(チュートリアル)や、目的別・作りたいもの別に実際に手を動かして学ぶ「レッスン」、オンラインワークショップなど、スキルを高めるコンテンツが充実しています。
画像引用:Trailhead
 
Trailhead は、世界のトップシェアを誇るSFAである「Salesforce」のコミュニティサイトです。
 
製品の学習コンテンツのほか、地域や業界ごとなどに数多くのコミュニティイベントが立ち上げられ、ユーザー同士でコミュニケーションを取りスキルを高め合っている点が特徴的です。
また、学習成果などに応じて付与されるバッジやポイント、「Salesforce」のスキルに応じて取得できる認定資格も用意されています。
 
Sansan Innovation Navi は、法人向け名刺管理ソリューション「Sansan」のコミュニティサイトです。
 
コンテンツは、チュートリアルや活用方法、セミナーの紹介、ユーザーコミュニティなど。
チュートリアルや機能ガイド、活用事例など、製品の活用を促すコンテンツが充実しており、カスタマーサクセスの要素が色濃く表れたWebサイトとなっています。
画像引用:kintone Cafe
 
kintone Café は、専門的なプログラミングの知識やスキルがない人でも簡単に業務アプリケーションを構築できるノーコード開発クラウドサービス「kintone」のコミュニティサイトです。
 
コミュニティの趣旨が「kintone」を普及させることと明確で、このための勉強会の開催が主な活動となっています。
 
日本の多くのコミュニティサイトが製品・サービスを実際に利用しているユーザーを対象にしている中で、kintone Café は、まだ「kintone」に触れたことのない層までターゲットとしている点が特徴的です。
画像引用:JAWS-UG
 
JAWS-UG は、Amazon.comが提供するクラウドコンピューティングサービス「AWS(Amazon Web Services)」のコミュニティサイトで、日本で最大規模のコミュニティです。
多数の専門支部を持ち、年間に約300回も開催されるミートアップには延べ約1万にもの参加があります。
 
コミュニティサイトのコンテンツも、ミートアップの開催情報と主催者・参加者への説明事項がメインになっています。
画像引用:Hubspotヘルプセンター
 
Hubspotヘルプセンター は、CRMやCMS、MA、SFAなどを提供するHubspotのユーザーコミュニティサイトです。
 
「ヘルプセンター」という名前からイメージされるようなサポートサイトの枠にとどまらず、「ナレッジベース」「アカデミー」といった学習コンテンツから、ユーザー同士で質問・回答を投稿し合う「コミュニティー」、APIやCMSの開発者向け資料など、コミュニティサイトに必要なコンテンツが一通り揃っています。
画像引用:KARTE SUPPORT
 
KARTE SUPPORT は、株式会社プレイドが提供するCX(顧客体験)向上のためのプラットフォーム「KARTE」のコミュニティサイトです。
 
管理画面や仕様に合わせた各種資料をまとめた「ドキュメント」、活用事例やハウツーをまとめた「レシピ」のほか、「リソース」では、同社の提供するほかの製品群が紹介されており、カスタマーサクセス(クロスセル)での活用がしっかり意識されています。
 
「スタートガイド」では、利用開始までの手順やTODOが詳細にまとめられており、契約前の検討層にも役立つコンテンツとなっています。
 
Tableau Community Forumsは 、グローバルに使われているビジネスインテリジェンスツールやデータ分析のプラットフォーム「Tableau(タブロー)」のコミュニティサイトです。
 
日本語版のコミュニティサイトでは、ユーザー同士で疑問を解決する掲示板がメインとなっています。
 
同社のコミュニティサイトには、ほかに「Tableau Public」もあり、こちらはいわばデータビジュアライゼーションのSNSで、世界中のユーザーが自作したデータビジュアライゼーションをアップロードし、共有できるプラットフォームとなっています。
コミュニティサイトについて、必要なコンテンツや事例を中心にご紹介いたしました。
 
今後はどのような業種・業態においても重要度の増していくカスタマーサクセスですが、特にSaaSベンダー、なかでもセルフサーブSaaSを提供する企業にとっては、カスタマーサクセスの手段の一つとしてコミュニティサイトの運営は欠かせないものとなるでしょう。
 
まだコミュニティサイトをお持ちでない企業様は、本コラムでご紹介した事例などをご参考に、立ち上げを検討されてみてはいかがでしょうか。
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