広告の新たな考え方。話題のネイティブアドについて知る。
最終更新日:2017/12/22

こんにちは
スターティアラボ ブログ編集部です。
2014年、広告業界の話題で最も注目されているキーワードは"ネイティブアド"ではないでしょうか?企業の販促活動において、新たな鍵となり得るかも知れません。
昨今、スマートフォン、スマホアプリ、FacebookやTwitterのSNS、キュレーションサイトなど、ユーザーのインターネットへの接触手段が多様化したことにより、本来の“広告”の効果がどんどん薄れ、むしろ避けられるようにもなってきてます。
その中で新たな広告手段として注目を集めているのが"ネイティブアド"です。
実は、私もその可能性に大いに期待している1人であり、今回はそのネイティブアドについて多角的な視点で解説していきます。
1、ネイティブアドとは
米国ではネイティブアドが他の広告シェアをついに超えたと言われており、その可能性に、国内での参入企業も2014年現在、一気に20社を超え注目されています。
そのネイティブアドとは、「広告コンテンツを、メディア媒体のデザインや記事デザインとの統一性を持ち合わせ、ユーザーにストレスを与えることなく情報を届ける広告手法である。」であったり、「記事と広告を自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えず情報を届ける広告のこと。」と考えられています。
言うまでもありませんが、あくまでも企業が提供する“広告”の一種となり、もちろんペイドメディアに属する訳ですが、そのあり方や定義が他のマス広告と違っていることが大きな特徴です。
2、ネイティブアドの役割とメリット
次にネイティブアドの役割とメリットについて考えてみます。
「ネイティブアドとは、広告コンテンツをメディア媒体のデザインや記事デザインとの統一性を持ち合わせ、ユーザーにストレスを与えることなく情報を届ける広告手法である。」
この事から、私がネイティブアドに一番初めに抱いた感情は「面倒くさいもの・・・?」でした。
「なぜこんな面倒な手段を取らなくてはいけないのだろうか?」、「メリットはなんなのだろう?」と疑問を感じました。
企業がユーザーに情報を届けたいという欲求については現在も変化はしていません。企業側の情報の届け方は大きく分けると以下になるかと思います。
- ① TVCM
- ② 看板広告
- ③ 雑誌
- ④ インターネット
これを見るとあることに気付きます・・・そう、影響力の低下がどれも顕著である事です。
TVCMは、視聴率の低下が進む昨今、従来の役割が薄れていますし、看板広告、雑誌等も同様に“売れ難い時代”なのは言うまでもありません。インターネットも、デジタル情報化社会の現代では、2000年との情報量の差が26,000倍以上と言われており、その信頼性が損なわれ始めています。つまり、これまでのような既存の手法では、ユーザーに企業メッセージが届かなくなっているのです。
その一方で、スマートニュースやグノシー、アンテナといったサービスに代表されるキュレーションメディアの台頭が顕著になってきています。言い換えると、キュレーションメディアで情報に触れる人が急激に増えているのです。
また、TwitterやFacebookやLINEなどのソーシャルメディア上で情報を収集することも一般的になってきました。まとめサイトやブックマークサービスなども人気があり、これらのことから、ユーザーが情報に触れる・情報を得る手段が大きく変化していることがわかります。
そこでネイティブアドの存在についてですが、いわゆる潜在層、つまり自分に必要な商品かどうか意識してないユーザー、企業との接触がないユーザーに対して、企業の情報を届けることがネイティブアドの大きな役割であり、ユーザー体験の変化を踏まえると、ネイティブアドの方が一般的なインターネット広告よりもユーザーにストレスなく情報を届け、さらにその親和性から高い効果を得られることが大きなメリットであり、注目を浴びているものと考えています。
3、ネイティブアドの種類
ネイティブアドの種類にどういったものがあるのか紹介します。先程述べましたように、役割は様々ですが、大きく分けると以下となります。
1. In-Feed Units(インフィード型)
Webサイトでは主要コンテンツ、FacebookやTwitterではフィード内など、メインコンテンツの中に含まれる広告です。様々なメディアサイトで、メインコンテンツの記事と、記事広告が同列に表示されているものを目にしますが、これもインフィード型に含まれます。
2. Paid Search Unit(ペイドサーチ型)
ユーザーの検索結果の表示される、検索連動型の広告です。Google等のリスティング広告ですね。
これも、検索結果に表示される広告なので、インプレッションされたWebサイトのような感覚でユーザーの目に止まります。
3. Recommendation Widgets(レコメンドウィジェット型)
あるWebサイトを閲覧した際に表示される、関連情報や、あなたにオススメの情報といったような広告です。
こちらも、表示されるのはフィード内に変わりありませんので、ペイドサーチ型に近い、パーソナライズされたものです。
4. Promoted Listings(プロモートリスティング型)
Amazonをご利用になった方は多いかと思いますが、商品の検索結果に表示される下記の広告です。検索されたキーワードに対して広告を表示しています。こちらはリスティング広告とほぼ同意義かと。
5. In-Ad (IAB Standard)with Native Element Units(ネイティブ要素を持つ広告型)
IABスタンダードと約し、こちらは文字通りIABがスタンダードとしています。これまで紹介した上記の広告に比べて、メインコンテンツ枠内に紛れるというよりは、はっきりと広告表示させるので、求めているコンテンツとの親和性は高いです。しかし、やはり比べると他のコンテンツデザインとの見栄えは、逆に親和性が下がります。
6. Custom /”Can’t Be Contained”(カスタム型)
これまでの5つの類型にあてはまらない、各メディア固有のプラットフォームにあわせた広告の表示になります。
たとえばLINEのスポンサードスタンプであったり、TumberやFlipboardでの広告表示がこれにあたると考えられています。
引用元:IAB(Interactive Advertising Bureau)
http://www.iab.net/media/file/IAB-Native-Advertising-Playbook2.pdf
4、ネイティブアドのデメリット
一番に挙げるべきは、炎上性のリスクです。
ユーザーには記事のように見えるが、ネイティブアドはあくまでも“広告”である為、自作自演に思われてしまうリスクが発生します。「興味ありそうなコンテンツだと思ったら、ただの広告だった」と思わせてしまうような質の低い内容の場合、なんのメリットも生み出さず、デメリットとなります。これを避けるためには、よりユーザー視点であり、より興味深い記事を作らないとなりません。
二番目には、企業にとっては大きな手間と時間とお金がかかる事です。
ネイティブアドの本来の真価が発揮されるのは、ユーザーに共感をされ、行動され、共有されることにあります。その為には、最低限以下の条件が必要です。
- 信頼されているメディアであること
- ユーザー目線でのコンテンツであること
- メディアコンテンツと同じフォーマットであること
- コンテンツが興味深く面白いこと
これを企業が再現する為には、当然、一朝一夕でできるものではないですね。。。
企業は従来、自社のアピールは得意としているところではあるが、ユーザーに寄り添った興味深い情報を自然に発信することには優れていない場合が多いです。だからこそ、そこには大きな手間(リサーチ)や、時間(内容の選定)、お金(最適な人材配置)がかかってしまいます。
5、まとめ
ネイティブアドは、ユーザーに信頼されるメディアである必要があり、どれだけユーザーに興味深いコンテンツであるかが重要であり、いかに自然であるかが大切なのです。広告であるか否かも重要ですが、いかに「ユーザー体験を自然にインターネット上で生み出すか」ということがネイティブアドに求められている役割なのです。
今後のインターネットビジネスで成功するためには、「共感」が鍵となります。そのユーザー共感は「論理」×「感情」で生み出され、共感が生まれると爆発的な普及を生み出します。
ネイティブアドが注目されているのは、その「共感」を生むことの大きな一端を担っているからであると私は考えていまして、このネイティブアドについては今後も注目していきます。