Webサイトの運用は、具体的な目標を設定をする事で成果をさらに上げる事ができます
最終更新日:2025/10/31

【この記事の要約】
KGI、KPI、KSFは、目標達成のためのフレームワークです。KGI(Key Goal Indicator)は、「売上高」などの最終目標を、KPI(Key Performance Indicator)はKGI達成のための中間目標(プロセス指標)を指します。
そしてKSF(Key Success Factor)は、事業を成功させるための「主要成功要因」です。KPIが「何を」測定するかという指標であるのに対し、KSFは「なぜそれが重要なのか」という要因・活動を指します。例えば、KPIが「サイト経由の問い合わせ数」なら、KSFは「質の高いコンテンツによるSEO」といった具体的な戦略や活動になります。これら3つを連動させて設定することで、目標達成への道筋が明確になります。
【よくある質問と回答】
KGI、KPI、KSFを設定する順番を教えてください。
まず最終目標である①KGIを定め、次にその事業を成功させるための要因である②KSFを特定し、最後にそのKSFがうまくいっているかを測るための指標として③KPIを設定する、という流れが最も論理的で効果的です。
KPIとKSFの具体例を教えてください。
ある飲食店のKGIが「リピート売上を前年比120%にする」だとします。そのためのKSFは「顧客満足度の向上による、再来店促進」や「魅力的な新メニューの開発」などが考えられます。そして、それぞれのKSFを測るKPIとして、「アンケートでの満足度スコア」や「新メニューの注文率」などが設定されます。
なぜKPIだけでなく、KSFも考える必要があるのですか?
KPIはあくまで「結果の数値」であり、なぜその数値を目指すのかという戦略的な背景を示してはくれません。KSFを考えることで、「我々が本当に注力すべき活動は何か」という本質的な議論ができます。KSFが明確であれば、たとえ市場環境が変わりKPIの達成が難しくなっても、KSFに立ち返って新しいKPIを設定し直すといった、柔軟な戦略修正が可能になります。
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こんにちは。
スターティアラボ ブログ編集部です。
「Webサイトは作って終わりではありません」
Webサイトを新たに立ち上げたり、リニューアル公開すると、必ず誰かからこんなセリフを聞きませんか?
もちろん、その通りであり、Webサイトは公開した後のPDCA、つまり現状把握と改善更新を繰り返して常に新鮮な情報をユーザーに届けなければなりません。
そのためには、"明確な目標設定"が必要になります。
今回は、Webサイト運用における目標の設定方法をお伝えします。
1.目標を設定する理由
ユーザーのアクセス数値からWebサイトの現状を把握し、そこで見えた課題を解消するための改善更新は、"そもそも何を目指しての、更新なのか?"という事が前提になければ、ゴールのないマラソンを走り続けている事と同じになってしまいます。
つまり、何から逆算して、これから行うWebサイト更新の価値を計るかというお話になります。
これだけだと難しい話のように感じられる方もいるかも知れませんが、簡単に言ってしまうと、「100万円の売り上げが目標で、この更新から見込める効果は10万円。なのでこれからやろうとしているWebサイトの更新は10万円の費用対効果がある」と仮説する事が出来るということです。
もちろんそこには、そのために必要な作業時間や更新内容の分析が必要であり、具体的な数値に置き換えるのはきっちりとした現状分析が必要です。
もし、具体的な目標がないまま数年間Webサイトを更新し続けたとしましょう。その場合、何を持ってWebサイトの更新は意味があったと判断出来ますでしょう?
「導入費用のペイラインは超えたから」
「なんとなく更新を頑張った成果はある気がしているから」
「定期的にお問い合わせが来ているから」
よく上がる声はこんなところですが、確かに成果は出ていると言えます。しかし、これらは厳密には求めていた成果ではなく、結果論として最低限のラインを越えていたに過ぎません。
Webサイトは活用の幅を広げればその分だけの成果を見込むことが出来ます。しかし、上記のケースではその伸び代の存在に気づく事が出来ず、自然と可能性を狭めてしまってるのです。なので、Webサイトは運用当初に「○○年後にWebサイトで○○を実現する!」という明確な目標設定を行っておく必要があります。
2.目標設定に不可欠な3つの項目
目標を設定する際には、出来るだけそのプロセスと評価指標を明確に定めましょう。必要なのは、KGI、KPI、KSFの3つの項目です。
KGI (重要目標達成指標)
目標の達成を定量的に示す指標であり、この数値の変化が目標の達成度合いになります。
KPI (重要業績評価指標)
KGIのプロセスを中間的に計測するための指標であり、「KPIの達成=KGIの達成度合い」という風に捉える事が出来ます。
KSF (重要成功要因)
目標を達成するための決定的な重要項目であり、KSFの達成が最終的にはKGIの設定に繋がります。具体的には行動項目であり、優先的に取り組まなければならない項目になります。
KSFの達成によってKPIの指標が達成され、その結果KGIが達成し、最終的には目標自体の達成となります。
目標 = 3年後にWebサイトからの売上1,000万円を上げる
KGI = 売上
KPI = お問い合わせ数
KSF = サイト構造の最適化と、新規ページ作成
仮にそれぞれこのように設定した場合は、「サイト構造の最適化と、新規ページ作成」を達成する事で「お問い合わせ数」が増加し、結果的に「売上」が上がって、「3年後にWebサイトからの売上1,000万円を上げる」という目標を達成、となります。
3.目標達成までのスケジューリング
前途の3項目を定めたら、次に考えなければならないのは「いつまでに」「どうするか」です。
目標が「3年後にWebサイトからの売上1,000万円を上げる」だったとして、いきなりそこに対してのみ達成度合いを測っていくのではありません。3年後までのプロセスを細分化して、「2年後にはいくらの達成度合いが必要」「1年後にはいくら、半年後にはいくら、3ヶ月後には、、、」と、途中経過として各スパンでスモールゴールを設定し、一定期間毎に目標数値との剥離を計測しましょう。
結論、その経過の達成度合いがわかれば、最終目標に対して今自分はどこにいるのかが明確になります。
以下はそのスケジューリングの参考イメージですが、これを埋める事でまずは可視化出来るでしょう。

施策=KSFは、各施策毎にその詳細を記載し、それによってKPIがどう変化するのかも明確にします。

4.売上目標の算出はLTVを考える
短期的な目標では考える必要はないかも知れませんが、長期(数年単位)の目標になればなるほど、"1社の顧客から、継続発注を含めて生涯に渡っていくらの価値を提供してくれるのか"を考慮しなければなりません。これをLTV(顧客生涯価値)と言います。
詳しくは"商品の価格設定や広告費は妥当なもの?それを知るためのLTV(顧客生涯価値)について"で説明していますのでご覧ください。
LTVを評価に加える事で、売上目標に対しての新規獲得数であったり、反対に、目標達成のために何社新規顧客を獲得すれば良いかが可視化出来ますので、プロセスがより正確になります。
5.まとめ
目標を立てる事の重要性は、Webサイト以外のもので考えてみるとイメージしやすいかも知れません。
例えば、「貯金をする目的は、家を買うという目標があるため」など。
目的もなくただ闇雲に貯金していたのでは、毎月の貯金額が具体的にどんな価値に換算出来るのかわからないですよね。
それではモチベーションも続きませんし、「そもそもそれは何のため?」という本質的な質問に答える事ができないでしょう。
極論、それはやらなくてもいい事かも知れないのです。
明確な目標を立てて、Webサイトを運用する事をオススメします。
【English summary】
KGI, KPI, and KSF are frameworks for goal achievement. KGI (Key Goal Indicator) refers to the final goal, such as "sales revenue," while KPI (Key Performance Indicator) refers to the intermediate goals (process indicators) for achieving the KGI.
KSF (Key Success Factor), on the other hand, is the "key factor for success" in a business. While a KPI is a metric that measures "what," a KSF refers to the factor or activity that explains "why it is important." For example, if the KPI is "number of inquiries via the website," the KSF would be a specific strategy or activity like "SEO with high-quality content." By setting these three in conjunction, the path to achieving the goal becomes clear.




