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FAX DMや郵送DMの目標ってどうやって決めればいいの?オフライン施策に初めて取り組む方へ

記事公開日:2018/06/12
最終更新日:2025/10/31
FAX DMや郵送DMの目標ってどうやって決めればいいの?オフライン施策に初めて取り組む方へ

【この記事の要約】

ダイレクトメール(DM)は、デジタル時代の今だからこそ、改めてその価値が見直されているマーケティング手法です。Web広告などとは異なり、手元に物理的に届くDMは、五感に訴えかけ、記憶に残りやすいという大きな特徴があります。

DMを成功させる鍵は、「ターゲットの明確化」「魅力的なオファー」「効果測定」の3点です。誰に、何を伝え、どう行動してほしいのかを設計し、送付後には専用URLやクーポンコードを用いて、どれだけの反応があったかを必ず測定します。Webマーケティングと組み合わせ、顧客データに基づいてパーソナライズされたDMを送ることで、DMは開封率・反応率の高い強力なコミュニケーションツールとなり得ます。

 

【よくある質問と回答】

なぜデジタル全盛の今、DMが有効なのですか?

デジタル広告やメールが溢れているため、消費者が情報疲れを起こしており、一つひとつの情報が埋もれやすくなっているからです。その中で、実際に手に取って触れることができる物理的なDMは、かえって新鮮で特別感があり、受け手の注意を引きやすく、記憶に残りやすいというメリットがあります。

DMの反応率を高めるには、どんな工夫が必要ですか?

「自分ごと」だと感じさせるパーソナライズが有効です。例えば、顧客の名前を記載するのはもちろん、過去の購入履歴に基づいて「〇〇様におすすめの商品はこちらです」といったメッセージを入れることで、開封率や反応率は大きく向上します。また、「DMを受け取った方限定」のクーポンなど、お得なオファーを付けることも重要です。

DMの効果測定は、どのように行えばよいですか?

DM経由でのアクセスや購入を識別できる仕組みを用意します。具体的には、DMに専用のQRコードや電話番号を記載したり、「Webで続きを見る」のリンク先をDM限定のURLにしたりする方法があります。これにより、「DMをきっかけに何人が行動してくれたか」を正確に計測できます。

 

【ここから本文】

FAX DMや郵送DMとは、企業が個人または法人の見込み客へ資料や商品カタログを郵送またはFAXで送付するものですが、
今になってマーケティング施策としてDMに着目する企業が増えてきています。
今さらDM?と思う方も多いかもしれませんが、コツさえおさえれば効果的な施策なのです。

今回は、DMが注目されている背景とオフライン施策に初めて取り組む方へ向けたDMの目標の立て方を紹介します。

DMの広告費は拡大傾向にある

現代はネット広告が主流だと言われていますが、2017年度のDM広告費は3,701億円にものぼります。(電通,日本の広告費:http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2017/
そして、電通によるとこの調査に含まれないデータマーケティング関連のDM市場は拡大傾向にあるという調査結果となっていて、DM市場が拡大していきつつあることがわかります。

なぜ今さらオフライン施策が必要なの?

オンライン施策の重要性が高まってきている今、多くの企業がオフライン施策からオンライン施策へと移行しています。
そんな中オフライン施策であるFAX DMや郵送DMを送ることは、逆に周りの企業と差別化でき、そのためユーザーの開封率も高くなってきているといわれています。

また、オフライン施策はオンライン施策で接触できないターゲット層に対してアプローチできるため、オンライン施策だけでは獲得できなかった層のリード(見込み客)を獲得することもできます。

成功するためのコツ

FAX DMや郵送DMを成功させるために重要なことは、きちんとユーザーをセグメントをして送ることです。
セグメントとは、ユーザーを条件や情報ごとに分類し、その分類したグループごとに合った内容を届けるというものです。
例えば、経営層であれば封書、担当者であれば定型ハガキというように分けることによって開封率は上がると言われています。
また、形式だけでなく内容も、相手によって変えることで「全員に同じ内容を送っている」と思われないように、できるだけパーソナライズする必要があります。

よくある失敗

①全員に対して同じ内容を送る

先述した通り、セグメントをしないで送ってしまうと、一辺倒な内容になってしまい、ユーザーから興味を持たれにくくなってしまいます。

②CVへの導線設計が甘い

オフライン施策はオンライン施策と違い、開封してくれたか見てくれたかの検証が難しい施策です。
そのため、効果測定のためにもCVへの導線をしっかりと設けておく必要があります。

例)FAX DMをそのまま返信できるようにする、封書に返信用にハガキを付ける

注意点

①FAX番号より電話番号を目立たせない

電話番号を目立たせてしまうと、ユーザーはその番号にFAXを送信してしまうため、届かないという事態が起こってしまいます。
ユーザーが二度目のアクションをしてくれるとは考えにくいので、ユーザー目線で電話番号とFAX番号をどのように表記するか考えましょう。

②配信停止が多い

1%程度は配信停止を希望するユーザーがいるため、配信数を多くすれば多くするほど配信停止業務も一苦労です。
あらかじめリソースを確保しておくか、オプションで配信停止作業を代行してくれるサービスを依頼しておくとよいでしょう。

③クレーム対応

データクレンジングできていない場合、誤って個人宅に送ってしまい、クレームになってしまう場合もあります。
謝罪だけで収まらない場合のことを想定して、いくつか対応方法を考えておく必要があります。
下記はあくまで参考程度です。臨機応変に対応方法を考えましょう。

例)・FAX用紙を使用してしまったため、紙(500枚)を送る、商品券を贈る

目標の立て方

それぞれの施策の反応率や受注率をふまえて、目標とする成約件数から逆算して配信数を計算します。

例として数値を入れていますが、反応率や受注率は自社の数値をあてはめて考えてください。

FAX DMで1件成約するための配信数は以下の通りです。

FAX DMの場合

契約件数:1件

 ↑

 |受注率10%

 |

お問い合わせ数:12件

 ↑

 |反応率0.06%

 |

配信数:20,000件

このパーセンテージの場合だと、FAX DMで1件の成約を獲得するためには、少なくとも20,000の配信数が必要になります。
FAX DMより郵送DMのほうが反応率がよいとされていますが、同じ配信数を郵送DMで配信する際は以下のようになります。

郵送 DMの場合

契約件数:10件

 ↑

 |受注率10%

 |

お問い合わせ数:100件

 ↑

 |反応率0.5%

 |

配信数:20,000件

平均的なFAX DMの単価は1件あたり5円、郵送DMの単価は1件当たり93円なので、かかる費用は

FAX DM:20,000×5円=100,000円

郵送DM:20,000×93円=1,860,000円

この金額に手数料などを足した金額となります。

限られた予算のなかで最大限の効果を出せるように、成約数から逆算した最適な配信数で実施しましょう。

まとめ

オンライン施策の重要性が叫ばれている中で、オンライン施策へつなげる導線としてのDMの必要性が少しずつ認知されてきています。
オンライン施策、オフライン施策それぞれのメリットとデメリットを理解して自社に合ったマーケティング戦略を立てていきましょう。

 

 

【English summary】

Direct Mail (DM) is a marketing method whose value is being reassessed precisely because we are in the digital age. Unlike web advertising, DM, which arrives physically in hand, has the significant characteristic of appealing to the five senses and being easily memorable.

The three keys to a successful DM are "clarifying the target," "providing an attractive offer," and "measuring the effect." One must design who to send it to, what to convey, and what action is desired, and after sending, be sure to measure the response rate using dedicated URLs or coupon codes. By combining it with web marketing and sending personalized DMs based on customer data, DM can become a powerful communication tool with high open and response rates.


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