昔ながらの慣習を断ち切る、お問い合わせフォームを改善する2つのポイント
最終更新日:2025/10/31

【この記事の要約】
Webサイトの入力フォームは、コンバージョン(CV)直前の最後の関門であり、ここでユーザーを離脱させてしまうのは大きな機会損失です。EFO(Entry Form Optimization)とは、この入力フォームを最適化し、ユーザーのストレスを軽減して離脱率を改善する施策です。
具体的な改善策として、「入力項目の削減」「必須・任意表示の明確化」「入力支援機能(住所自動入力など)の導入」「エラー表示のリアルタイム化」などが挙げられます。ユーザーが「面倒くさい」「分かりにくい」と感じる要素を一つひとつ丁寧に取り除く地道な改善が、サイト全体のコンバージョン率を大きく向上させる鍵となります。
【よくある質問と回答】
EFOにおいて、まず最初に取り組むべき最も効果的な施策は何ですか?
入力項目を可能な限り減らすことです。入力項目が多ければ多いほど、ユーザーは入力を面倒に感じ、途中で離脱する確率が高まります。本当に必要な項目だけに絞り込むことが、最も簡単で効果の高い改善策です。
ユーザーが入力エラーをした時に、親切なフォームとはどのようなものですか?
エラーの内容をリアルタイムで、かつ具体的に教えてくれるフォームです。例えば、メールアドレスの入力欄からカーソルが離れた瞬間に「@が含まれていません」と表示したり、エラー箇所を赤枠で囲ったりすることで、ユーザーはどこを直せばよいかが一目で分かります。すべての項目を入力し終えた後に、まとめてエラーを表示するのは不親切です。
自社サイトのフォームのどこに問題があるかを知るには、どうすればよいですか?
アクセス解析ツールやヒートマップツールを活用します。Google Analyticsでフォームページの離脱率を確認したり、専用のEFOツールで「どの項目で最も離脱が発生しているか」を分析したりすることで、データに基づいて改善すべき箇所を特定できます。
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こんにちは。
スターティアラボ ブログ編集部です。
今回はWebサイトの改善アドバイスについてです。
コンテンツやら誘導改善などポイントは多々ありますが、その中でも、もっとピンポイントな内容です。
それはお問い合わせフォームです。
1.お問い合わせフォームは対策していますか?
企業様によっては、「お問い合わせ」いただくことがそのWebサイトのゴールであり、そこにたどり着いていただくために、コンテンツを増やしたりSEO対策をしているという場合もあります。
しかし、いくら良質なコンテンツや検索キーワードの対策を施し、アクセス数が増えても、最終的なお問い合わせページが未対策では、せっかくの見込みユーザーを取りこぼしてしまいます。
お問い合わせフォームなどは一部システムが絡んでいますので、テキスト修正のようにはいきませんが、修正内容自体は簡単なので担当者さんに相談すれば比較的すぐに対応いただけると思います。
では実際に何をどうすればいいのか?ポイントを2つに絞ってご紹介します。
言われてみれば「なんだ、そんなことか!」と思うことですが、実際にこの対策をしていないWebサイトが多いのも事実です。そして、この対策をしたことで実際に効果が出たケースもあります。
自社のWebサイトを、ユーザーの気持ちになってご覧ください。
2.同一項目で入力欄を2つに分けない
もしあなたが、これからお問い合わせをしようとしているユーザーだったとして、入力項目が多いフォームで入力する意欲は湧きますでしょうか?入力項目が多いほど喜ぶユーザーはほとんどいないでしょう。むしろ反対で、入力項目は少ない程お問い合わせ完了の敷居を下げます。
1. 「氏名」は分けない
入力項目の中でも絶対に必要なものの1つが氏名です。誰もが必要だと感じているからこそ、そこの入力に手間はかけたくありません。
手間とは何か?それは「一度に入力できない」という状況のことです。
自分の名前は、何かを参照しながら入力するものではありません。頭の中に打つべき内容が浮かんでいて、スラスラと書けるものですね。
なのに姓と名が分かれているとどうなるか。マウスで入力欄を移動させる、またはキーボードの「Tab」キーを押さないといけません。
このちょっとした手間が非常にストレスになります。しかし、こんな声が昔から聞かれます。
「氏名をつなげて入力されると、区切りが分からない」
そう。様々な名前があると苗字と名前の境目が分からないので、コンタクトを取ろうとする際に営業の方が困ってしまうということがあります。それを解消するために分割入力という方法が生まれたのですが、これは氏名欄の横や下に「入力例」を示すことで解消されます。以下のような形で、見たことがある方も多いと思います。
例:日本 太郎
ちゃんと、「どのように書けば良いのか」が示されていれば、ユーザーはそれに従って入力してくれるのです。しかもその手間は「スペースキーを1回押す」それだけです。
Tabキーと手間は変わりませんが、押し慣れたスペースキーとを比べると、体感的にはとても楽なのは想像に難くないと思います。
小さな改善点ですが、入力項目が多ければ多いほどその手間の解消はお問い合わせ完了につながる重要なポイントとなるのです。
同じことが「郵便番号」や「電話番号」にも言えます。7桁の郵便番号を3桁と4桁で分割するのも結構ですが、まとめて入力できればとても楽になると思いませんか?
例:xxx-xxxx
と書かれていれば、一気に入力できますよね。
少ない工数でユーザーの負担を減らせれば、それだけゴールに簡単にたどり着けるのです。
もし、みなさんのWebサイトが分割入力されているのであれば、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか?
2. 「メールアドレス」は2回入力させない
これも昔からの習慣で確認の為に2回入力させるパターンをよく見ます。
ユーザーとつながるための大事なメールアドレスですから、間違ったアドレスは双方にとって良い結果を生み出しません。
しかし、みなさんも自分のケースで考えてみてください。メールアドレスを律儀に2回、間違えないように入力しますか?私は、基本的に入力すらしません。PC内にある自分のメールアドレスをコピーして貼り付けます。同じものを確認用の入力欄に貼り付けます。
そう。そもそも入力しないのです。特に確認用の欄には。
最近は減りましたが、確認欄に貼り付けができないようにシステムが組まれていた場合、ページ離脱も考えます。2回も同じ内容を入力するのは手間だからです。非常に不親切なWebサイトだとネガティブな印象を一瞬で断定します。これは恐ろしいことです。おそらく、2度とそのWebサイトにアクセスすることはないでしょう。
メールアドレスは2回入力させる必要はありません。1回で十分です。
仮にも「お問い合わせ」をしたくて入力をしているのですから、ユーザーはコンタクトを取りたがっているのです。間違えないために、細心の注意を払って入力するものです。なのでメールアドレスをコピーするのは当然の手段といえます。
万が一、メールアドレスを間違えてしまった場合は再度入力するでしょう。コンタクトを取りたいのですから。
また、メールアドレスに限らず住所や電話番号を間違えたとしても同様です。何もメールアドレスだけが特別な項目ではないのです。
もし、みなさんのWebサイトがメールアドレスを2回入力させているのであれば、すぐにでも1回に減らすことをお勧めいたします。
3.EFO(エントリー・フォーム・オプティマイゼーション)の重要性
2つの改善ポイントを紹介いたしました。これらは比較的簡単に修正ができるポイントなのですぐに実践していただければと思います。
このような考え方は、EFO(エントリー・フォーム・オプティマイゼーション)といい、「お問い合わせフォームの最適化」と呼ばれています。
他にも改善するべきポイントはあります。昔ながらの習慣を引きずって、ユーザー目線で考えていないポイントです。
ほんの一例ですが、取引先の95%以上が九州の企業・・・という会社があったとします。
お問い合わせフォーム内の「都道府県」が「プルダウン」式に選択できるとして、「北海道・青森県・秋田県・・・」と馬鹿正直に北から南に並んでいるケースと、「福岡県・大分県・佐賀県...」と、選択されやすい九州の7県を上部に並べているケースとでは、ユーザーにとっての手間はどちらが軽いでしょうか?
極端な例かもしれませんが、スクロールさせる距離が短いだけでもユーザーは負担が減ると考えられませんか?これが最適化です。
4.まとめ
ビジネスに繋がるための最後のステップがお問い合わせフォームです。ここを最適化させてより多くのビジネスチャンスをつかんでいただければと思います。
今後も、EFOについてまた違った改善案をご紹介しますので、ご期待下さい。
【English summary】
A website's input form is the final hurdle just before a conversion (CV), and losing users here is a significant missed opportunity. EFO (Entry Form Optimization) is the practice of optimizing this input form to reduce user stress and improve the dropout rate.
Specific improvement measures include "reducing the number of input fields," "clearly indicating required/optional fields," "implementing input assistance features (like auto-filling addresses)," and "providing real-time error messages." The key to significantly improving the site's overall conversion rate lies in the steady improvement of carefully removing each element that users find "troublesome" or "unclear."




