カープ女子よりオリ姫!プロ野球球団運営から学ぶコンテンツマーケティングの基礎要素
最終更新日:2025/11/07

【この記事の要約】
横浜DeNAベイスターズは、コンテンツマーケティングを駆使してファンエンゲージメントを高めている球団の好例です。彼らの戦略は、単なる試合結果の報道に留まらず、球団や選手、そして球場(横浜スタジアム)を「コンテンツ」として捉え直し、ファンとの多角的な接点を創出することにあります。
具体的には、SNS(特にTwitter)を活用したリアルタイムの情報発信、選手の素顔や舞台裏を見せる独自企画の動画配信(例:「FOR REAL」)、そして球場自体をエンターテイメント空間化する(例:「ハマスタ」でのイベント)といった施策を展開しています。これらのコンテンツは、試合の勝敗というコントロール不能な要素に左右されず、「球団そのものを応援する」という熱量の高いファンコミュニティを形成することに貢献しています。
コンテンツマーケティングの本質である「価値あるコンテンツを提供し、ファン(顧客)との長期的な関係性を築く」という点を、プロスポーツ興行において実践し、観客動員数やグッズ売上の増加に繋げている点が、彼らの施策の核心です。
【よくある質問と回答】
DeNAベイスターズのコンテンツマーケティング戦略の核は何ですか?
試合の勝敗に依存せず、球団・選手・球場そのものを「コンテンツ」として捉え、SNSや独自動画を通じてファンの熱量を高め、長期的な関係性を築くことです。
なぜベイスターズはSNSや動画に力を入れるのですか?
試合結果以外の「選手の素顔」や「舞台裏」といった価値ある情報を提供することで、ファンとの接触回数を増やし、「球団そのものを応援する」ファンコミュニティを形成するためです。
ベイスターズの施策は、他のビジネスにどう応用できますか?
商品(試合)だけでなく、その周辺にあるストーリーや体験(選手、スタジアム)もコンテンツ化し、顧客(ファン)との継続的な接点を持つことで、ロイヤリティを高めるという手法は、多くの業界で応用可能です。
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こんにちわ。
スターティアラボの高橋です。
突然ですが、皆さん、最後にプロ野球を見たのはいつでしょうか?
「日本人のプロ野球離れ」がささやかれているように、最近は見ていないと答える人も多いかと思います。
そんな人でも最近の広島カープの若い女性ファンのことを「カープ女子」と呼ばれていることはご存知かと思います。また、メジャーリーガー黒田選手の復帰で広島カープに注目が集まっていますね!
今回は「カープ女子」についてご紹介!と行きたいのですがメディアで取り上げられてご存知かと思いますので、観客動員数伸び率が広島カープに次いで12球団中2位のオリックスブルーウェーブの球団の取り組みについて着目してみたいと思います。
オリックスブルーウェーブの球団の取り組みは目の付け所が面白く、コンテンツマーケティングの重要な要素を多く含んでいますので、現在の野球をあまり知らない人も是非ご覧いただければと思います!
1.観客動員数
オリックスブルーウェーブ(以後オリックス)はしばらくの間、成績も芳しくなく観客動員数も低迷しておりましたが、実はここ2年間で観客動員数30%増になっています!

2014年シーズンは、観客動員数が前年比18%も増、伸び率では広島に次いで12球団中2位となったその背景にはさまざまな球団側の取り組みがあります。
どのような取り組みを行っているか、気になる内容を見ていきましょう!
2.ICカードによるデータ収集&分析
オリックスのファンクラブの会員証はICカードになっていてグッズやチケット購入、飲食データを蓄積しているそうです。
来場者のデータは性別、年齢、来場回数に分類し、グッズや飲食の好みなどを分析してファン層に応じて企画や告知メール文までアプローチを変えているそうです。
そこで出た結果としてコアなファンが少ない、来場頻度が高い人でも1シーズン5~10回程度しか球場に足を運んでくれていなかったそうです。
⇒このデータはコンテンツマーケティングで重要なターゲティングとペルソナ作成をするために必要な分析データとなります!まずは何事も『誰に』が重要になりますし、その『誰』がどんな人なのか分からなければどうすることも出来ません。ターゲティングとペルソナ作成に関しては、分析するためのデータが必要となりますがどこまで細かくやっても良いと思いますし、オリックスのように明確なデータがあるとなお良いでしょう。
3.コアなファンを増やす
関西に根強い人気の阪神ファンがいるため、それ以外の人を取り込むため本拠地である京セラドームの1時間圏内の大阪、京都、神戸に絞って地域密着戦略を試みたそうでチケット販売もインターネットでの販売は行わず地元のスポーツ店で売ってもらうスタイルを取り自治体や地元の女子大生の協力も仰ぎ販売していたそうです。
また特に注力したのが2軍の試合だそうです。
その理由として2軍には調整のために来ている1軍選手もいれば、将来スターになるような選手が眠っています。
そういった選手が1軍に上がった時に2軍時代から成長を見守っていた!昔から知っていた!となるとやはり愛着も沸いて、さらには近所でチケットも買えるとなると球場に足が向き、だんだんと習慣化されて活性化に繋がったようです。
このターゲットもガチッと決め競合の分析もして差別化を図ろうとしている内容になります。
自分たちがどの池に対してアプローチをするのか競合の分析も含めて武器を決めます。また見込み客の育成(リードナーチャリング)をしっかりとしており、この層のお客様に魅力的なコンテンツを別の媒体(自治体や女子大生)を使って拡散していますね!
4.コアなファンに女性を!
コア層の取り込みの中には「オリックスブルーウェーブ」を応援する若い女性ファン「オリ姫」の存在があったそうです。
なぜコアなファンに女性をダーケットとする理由は女性と男性では行動様式が異なるためです。
例えば、「応援」と一つとっても男性は「チーム」を応援する傾向があり、女性は「選手個人」を応援する傾向が強いと言われています。
また、購買に関しても男性はビール購入するもののグッズ購入は少ないのに対し、女性は応援選手のグッズなら高額なレプリカユニホームも購入するそうで購買力にも違いが出るそうです。
さらに女性取り込み施策として他にもフードメニューも女性向けにスイーツを増やしたり、グッズも女性を意識したようなものを増やしています。
イケメン&独身選手を全面に出したイベントの企画や本拠地である京セラドームの女性トイレの個室を増やしたりと環境整備にも力を入れ、着実に女性ファンも伸ばしていったそうです。
今後も『オリ姫デー』などいろいろな企画が目白押しのようです!
そうした結果、球団としても最も弱かった層である20~30代の女性層のファンクラブ会員が前年比5~6%も増加し、12球団中2位の観客動員数伸び率となりました。
⇒ここでもペルソナ作成から、しっかりとその顧客に魅力的なコンテンツを発信しています!
魅力的なコンテンツを配信し続ける!ここが本当に重要です!
ペルソナ設計について下記ブログにも詳細情報を載せていますので、こちらも合わせてご確認ください。
ペルソナ設定って?作り方は?~顧客の心動かすマーケティングの基礎~~
5.まとめ
オリ姫を誕生させた球団側の取り組みをまとめますと、
①ターゲットを意識してペルソナ作成をして、
②集客経路をしっかりと意識して、
③魅力的なコンテンツを作り続け、
④見込み顧客の育成する
となりまして、コンテンツマーケティングの重要な要素と一緒の内容となることが分かります。
オリックスの場合は、4月29日にシーズン開幕してから1ヶ月ちょっとではありますが、2005年の実数発表以降、京セラドーム史上最多の36,128人を動員したそうです。
野球の場合はさらに上記に加えチームの勝利があるとは思いますが、何よりも選手は応援が力になりますからそれは自然と付いてくることなんでしょうね。
コンテンツマーケティングと言えども、野球の『オリ姫』を意識してみるだけでも意外とイメージもしやすくコンテンツマーケティングの基礎要素にならって組み立てていくと見えてくることも多くあります。
更には今まで気にも留めていなかった新しい視点で観ることができ、目の付け所が違う魅力的なコンテンツになるのではないでしょうか。
あなたの好きな内容を別の角度から見て、自社の魅力的なコンテンツ作成に活かしてみてください。
【English summary】
The Yokohama DeNA BayStars are a prime example of a baseball team leveraging content marketing to enhance fan engagement. Their strategy goes beyond merely reporting game results; it reframes the team, players, and stadium (Yokohama Stadium) as "content" to create multifaceted touchpoints with fans.
Specifically, they deploy measures such as real-time updates via social media (especially Twitter), original video content showing players' off-field personalities and behind-the-scenes footage (e.g., "FOR REAL"), and transforming the stadium itself into an entertainment space (e.g., events at "HamaSta"). This content contributes to building a highly engaged fan community that "supports the team itself," independent of the uncontrollable factor of winning or losing.
The core of their initiative is putting into practice the essence of content marketing in professional sports: "providing valuable content to build long-term relationships with fans (customers)," which in turn has led to increased attendance and merchandise sales.




