Googleタグマネージャーでイベントトラッキングを測定する方法~クリック測定~
最終更新日:2025/10/31

【この記事の要約】
Webサイト運用において、広告効果測定やアクセス解析のために様々な「タグ」を設置する必要がありますが、その管理は煩雑になりがちです。Googleタグマネージャ(GTM)は、これらの多様なタグをHTMLを直接編集することなく、一元管理できる無料のツールです。
GTMを導入するメリットは、「タグ管理の効率化」「ページの表示速度の向上」「マーケティング施策の迅速化」です。これまでエンジニアに依頼していたタグの設置作業をマーケター自身が行えるようになるため、PDCAサイクルを高速化できます。Webマーケティングを行う上で、もはや必須のインフラと言えるツールです。
【よくある質問と回答】
Googleタグマネージャ(GTM)を使うと、何が便利になるのですか?
WebサイトのHTMLを直接触ることなく、管理画面上だけで、Google Analyticsや広告の計測タグなどを簡単に追加・削除・更新できるようになります。これにより、作業が大幅に効率化され、エンジニアに依頼する手間や時間を削減できます。
GTMとGoogle Analytics(GA)の違いは何ですか?
GTMは、様々な「タグ」を管理するための「箱」や「コンテナ」のようなものです。一方、GAは、GTMという箱の中に入れる「タグ」の一つであり、Webサイトのアクセスを「計測・分析する」ためのツールです。GTMを使ってGAのタグをサイトに設置する、という関係性になります。
GTMを導入すると、サイトの表示速度が速くなるのはなぜですか?
通常、複数の計測タグをHTMLに直接記述すると、ページの読み込みと同時にそれらのタグが次々と実行され、表示速度が遅くなる原因になります。GTMは、これらのタグを非同期(ページの読み込みを邪魔しない形)で実行する仕組みを持っているため、ユーザーが感じるページの表示速度への影響を最小限に抑えることができます。
【ここから本文】
Webサイト内にPDFなどで資料を掲載する際に、どの資料がクリックされたのかGoogleアナリティクスで確認が出来ます。
これを「イベントトラッキング」と言いますが、Googleアナリティクスのコードを直接挿入されているサイトで利用できるイベントトラッキング設定方法は、以前このブログにもご紹介しました。
▼イベントトラッキングでPDFファイルのダウンロード数を計測する方法
https://mtame.jp/article/2015/02/04/10
今回はGoogleタグマネージャーでGoogleアナリティクスを管理されているホームページをご利用の方向けにイベントトラッキングを設定する方法をご案内いたします。
以前ご紹介した「onclick」のようにaタグそれぞれにトラッキングを設定する必要が無い為とても便利です。
※Googleタグマネージャーを使用してGoogleアナリティクスを管理しているいるホームページ向けです。
目次
4、まとめ
1.イベントトラッキングとは
通常Googleアナリティクスではどのページからどのページに遷移したといった、URLの遷移に伴うユーザーの行動履歴を確認する事が出来ますが、URLの遷移が無くGoogleアナリティクスでは計測できない行動を測定する機能を「イベントトラッキング」と言います。
使用できる部分としては、
・外部サイトへのリンクのクリック
・PDFデータのダウンロード
・ページ内リンクの設定 など
今回は、クリック計測の基本設定についてご案内していきます。
2.イベントトラッキング設定方法
イベントトラッキングを設定する際は
・変数の設定
・トリガーの設定
・タグの設定
を行う必要があります。
①変数の設定
組み込み変数部分の「設定」ボタンをクリックしますと、画面右側より組み込み変数の設定画面がスライドして表示されます。
組み込み変数の設定内の「ページ」と「クリック」の箇所全てにチェックを入れます。
チェックを入れますと、入れたものが組み込み変数部分に表示されるようになります。
他、様々な設定が可能ですのでチェックを入れていただいても問題はありません。

②トリガーの設定
画面左側のトリガーをクリックし、「新規」ボタンをクリックしてください。

新規ボタンをクリック後、「トリガーのタイプを選択して設定を開始…」をクリックしてください。
クリックしますと、右側から「トリガーのタイプを選択」がスライドで表示されます。
今回はクリック計測を行いますので、クリック部分を設定します。
クリック測定のトリガーには2種類あり、「すべての要素」と「リンクのみ」があります。

リンクのクリック測定の場合は「リンクのみ」を選択し、リンクではない画像やテキストなどページ上にある何かをクリックいたときの計測も行う場合は「すべての要素」をチェックしてください。
今回はPDFなどのリンクの設定を行いたいので、「リンクのみ」をチェックします。
「リンクのみ」をクリックするとチェックボックス「タグの配信を待つ」「妥当性をチェック」が表示されます。
「タグの配信を待つ」にチェックします。「待ち時間の上限」はデフォルトのままで問題ありません。
続いて、有効化のタイミングを設定します。
「Page URL」「正規表現に一致」をプルダウンから選択し、値の欄に .* を入力します。

「このトリガーの発生場所」についてです。
「すべてのリンククリック」に関してはリンクをクリックしたすべての情報が取得されます。
「一部のリンククリック」は指定したクリックが発生した場合のみ情報を取得するようにします。
PDFのクリック数を測定したい場合は、「Click URL」「含む」を選択し、値の欄に 「.pdf」を入力します。
zipファイルの場合は「.zip」になります。
PDF情報をIR情報ページのみ、ダウンロードページのみのPDFダウンロードを把握したい場合は追加で「Page URL」「等しい」を選択し、右側に確認したいページのURLを記載します。

このページのPDFダウンロードだけを計測したい!という場合に使ってみてください。
以上の設定が完了したら、トリガー名を分かりやすい名称に変更し「保存」をクリックしてください。

③タグの設定
最後にタグの設定を行います。
画面右側のタグをクリックし、「新規」ボタンをクリックしてください。

新規ボタンをクリック後、「タグタイプを選択して設定を開始…」をクリックしてください。
クリックしますと、右側から「タグタイプを選択」がスライドで表示されます。
タグタイプを「ユニバーサルアナリティクス」を選択します。(自社のアナリティクスによりますのでご確認ください)
「トラッキングタイプ」内「イベント」をプルダウンから選択してください。

イベントを選択すると「イベント トラッキング パラメータ」が表示されます。
ここで
・カテゴリ
・アクション
・ラベル
を設定します。
カテゴリやアクション、ラベルは自由に設定する事が可能です。
どのPDFをダウンロードしたかどうかを測定したい場合は、枠の右側のファイルをクリック。
![]()
クリックしますと「変数を選択」という画面が出ますので「Click URL」を選択します。
「Click URL」は、PDFのURLがアナリティクス上で確認する事が可能です。
例えば、複数ページにPDFが挿入されておりどのページでダウンロードされたのかを確認したい、またどのPDFがダウンロードされたのかを確認する場合は下記のようになります。

アクションとラベルの順番は自由ですので見やすいように変更してください。
この場合だと下記のようなアナリティクスの結果となります。

{{Page URL}}を設定した場合は上記のように設定してあるページのURLが表示されるようになります。
以上でタグの設定が完了になります。
④公開する
Googleタグマネージャーは最後に右上の「送信」ボタンをクリックしないと情報が更新されません。
設定が全て完了したら、「送信」ボタンをクリックしイベントトラッキングの設定が完了します。

3.Googleアナリティクスでの確認方法
①すぐにチェックしたい場合
Googleタグマネージャーで設定したはいいがちゃんと挙動しているのか確認を行いたい場合は、Googleアナリティクスの右側のメニュー内、リアルタイム>イベントから確認が出来ます。
トラッキングしたい部分をクリックするとイベント情報が表示されます。

こちらで表示されない場合は、設定が漏れているか設定を行っていても公開していない場合がございますのでご注意ください。
②数日間の結果を確認したい
Googleアナリティクス画面右側のメニュー内、行動>イベント>概要などから確認する事が可能です。
概要ページではカテゴリが表示されますので確認したいイベントカテゴリをクリックしてください。

画面の中ごろの「イベントアクション」や「イベントラベル」をクリックしますとそれぞれの設定情報が表示されますので、ご確認ください。

4.まとめ
以上がGoogleタグマネージャーで設定するイベントトラッキングの方法になります。
他にもイベントトラッキングのトリガーなどの設定次第で、ページ遷移のみしかわからなかったGoogleアナリティクスがより深く利用する事が出来ます。
なかなか作業が複雑でしたり、内容が全て英語表記になり受け付けないな…という方もいらっしゃるかと思いますが、今ホームページ内にPDFをそのままにされている方はぜひ参考にしてみてください!
【English summary】
In website operation, various "tags" need to be installed for ad effectiveness measurement and access analysis, but their management tends to be cumbersome. Google Tag Manager (GTM) is a free tool that allows you to manage these diverse tags centrally without directly editing the HTML.
The benefits of implementing GTM include "streamlining tag management," "improving page display speed," and "accelerating marketing measures." Marketers can perform tag installation tasks that previously had to be requested from engineers, thus speeding up the PDCA cycle. It is a tool that can now be considered essential infrastructure for conducting web marketing.




