Web運営に関わる人であれば、多くの人が気にしているSEO対策。検索アルゴリズムのアップデートがあるたびに、一喜一憂している人も多いのではないでしょうか。
ですが、何となく上位表示をしたいと考えていても、具体的にどんなメリットがあるのかまでは理解せずにSEOに取り組んでいる方も一定数いらっしゃいます。
そこで今回の記事では、SEO対策のメリットやその効果について、基本からまとめていきます。
目次
1.SEO対策とは?
 2-1.自然検索からの流入数が増える
 2-2.広告費を抑えられる
 2-3.見込み度の高いユーザーを獲得できる
 2-4.検索上位というだけで信頼されることも
3.SEO対策の弊害
SEO対策とは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」を意味しています。
一般的には、Google、Yahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した場合に、上位に表示されるように対策することを意味します。
しかし日本では、検索エンジンシェアの約7割をGoogleが占めており、SEO対策といえば、Googleの検索アルゴリズムに対応することが対策の中心となっています。
 
SEO対策の基本的なやり方は、「内部対策」「外部対策」「コンテンツ対策」の大きく3つに分けられます。
「内部対策」は、自社のWebサイトのhtmlやCSSなどのソースを検索エンジンに認識されやすい構造や記述にすることです。そもそも検索結果に表示されるためには、検索エンジンのデータベースに登録されていなければなりません。
登録されるためには「クローラー」というロボットにホームページの情報を巡回してもらい、収集してもらう必要があります。「クローラー」が情報を収集することを「クローリング」、「クローラー」が情報を収集しやすいホームページであるかどうかを「クローラビリティ」といいます。
この「クローラビリティ」を向上させることがSEOの一環となるのです。
「外部対策」の基本は、外部サイトからのリンク(被リンク)の獲得状況を把握することです。外部リンクは第三者から情報の有益性を認められた結果としてGoogleに評価されます。自社サイトに関連性が高いサイトや高品質なサイトからの被リンクは高く評価されますが、低品質サイトからの大量のリンクは逆にペナルティを受ける場合があるので注意が必要です。
基本的には、良質なコンテンツを提供し続けることで”自然に”リンクが貼られていく状態を目指すことを推奨しています。外部”対策”と付いているので手動で行う施策と勘違いされがちですが、あくまでリンクを貼るかどうかは第三者が判断することです。
「コンテンツ対策」では、専門性が高く、かつユーザーにとって読みやすく、わかりやすいコンテンツを制作してGoogleからの高評価を狙います。内部対策に内包されて考えられることもありますが、テクニカルな施策ではなく、シンプルにユーザー目線の良質なコンテンツを作っていく施策をさします。
こちらも”対策”とついているため、何かテクニック的なものを期待しがちなのですが、あくまで有益なコンテンツ配信を心がけて施策を行なっていきましょう。
また、コンテンツの整理という意味でペルソナやカスタマージャーニーマップを作るのはとても有効です。まずは顧客を理解して、適切な形でコンテンツをデリバリーしていきましょう。
SEOのやり方をご紹介してきましたが、最後に『Googleが掲げる10の事実』をご紹介します。
Google が掲げる 10 の事実
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
引用:Googleが掲げる10の事実
1つ目の項目に「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」とあるように、まずはユーザーのことを最優先に考えて、コンテンツの運用をしていきましょう。
以上、SEOの施策について解説してきました。
なお、基本的な施策がチェックできるリストもご用意したので、以下の資料も併せてご活用ください!
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参考記事:SEO対策とは?~検索エンジンで上位表示させるためのSEO対策【超初級】~
では、SEO対策をして検索サイトで上位に表示されると、具体的にどのような効果やメリットがあるのでしょうか?
自然検索(オーガニック検索)とは、検索サイトで広告エリア以外に表示される検索結果のことです。
検索サイトで上位に表示されるのと、下位に表示されるのでは、自然検索からのクリック率に大きな違いが出ます。
アメリカのインターネットマーケティング会社「NINJAS」が2017年7月に公開したレポートでは、単一キーワードの検索順位別のクリック率は、1位で約21%、10位で約1.6%と発表されています。
つまり、1位と10位では、自然検索からの流入数に約12倍もの差があるのです。
このように、検索上位に表示されることは、自然検索からの流入数に大きな影響を与えることがわかります。
SEO対策は、リスティングなどのインターネット広告とは異なり、出稿費や媒体費はかかりません。SEO対策を行うノウハウが自社にない場合、専門の業者にSEO対策を委託することはありますが、広告費をかけずに、集客のチャンスを広げることができます。
ただし、SEO対策は即効性のある施策ではありません。コツコツと内部対策を行ったり、コンテンツを充実させたりすることで、中長期的に成果を見込むことができます。また、内部対策やコンテンツ制作は、労力のかかる作業です。
広告費はかからなくても、効果を出すためには、自社のリソースが必要であることを理解しておかなければなりません。ですが一度作成したコンテンツなどは資産としても溜まっていきますので、実施することで中長期で恩恵を受けることができます。
SEO対策では、自社のビジネスに関連性の深いキーワードや、潜在顧客が検索するであろうキーワードで、上記に表示されるように対策するため、関心をもって検索する、見込み度の高いお客様をWebサイトに多く集客することできます。
また、先の「NINJAS」の調査によると、複合キーワードで検索された場合のクリック率は、単一キーワードで検索された場合よりも高く、2ページ以上クリックする傾向があるといわれています。
つまり、自社のWebサイトの情報が、ユーザーが求める情報に、よりピンポイントで合致した場合、より高い確率でコンバージョンも狙えることになります。
多くの検索者は、上位に表示されるWebサイトがなぜ上位に出ているのかを理解していません。中には上位に出るサイト=信頼できるサイトと思い込んでいる人もいるようです。もちろん、自社がその検索結果にふさわしいことが前提にはなりますが、上位表示されることで一定数の信頼を得ることができます。
SEO対策にはデメリットもあります。そのひとつが、コンテンツの偏りです。
上記のように、SEO対策にはさまざまなメリットがあり、その成果を追い求めるがあまり、ユーザーにとってわかりにくいコンテンツや、本来ユーザーが求めているのとは違うコンテンツを作ってしまう恐れがあります。
Googleの検索アルゴリズムは、常にアップデートされており、SEO対策のテクニックだけで検索上位を維持することや、すべてのアップデートに最適な対応をすることはできません。
しかし、近年Googleは「ユーザーにとって本当に役に立つコンテンツを高く評価する」という姿勢を貫いています。
そのため、コンテンツ制作者が小手先のテクニックだけにとらわれず、「本当にユーザーの役に立つコンテンツが、良いコンテンツである」という基本を守ることも大切です。
また、ユーザーの役に立つ質の高いコンテンツの蓄積は、将来的には、検索エンジンからの高評価にもつながります。
 
 
参考記事:エコーチェンバーによるコンテンツの偏りに注意。検索ファーストから、ユーザーファーストの考えが重要
このように、SEO対策にはメリットもデメリットもあります。また、メリットが享受できるのも中長期での話になりがちです。
ですが、コンテンツ作りや外部リンクによる権威性の獲得などは、一度実施すれば長く効果を発揮してくれます。ぜひ取り組んでみてください。
エムタメ!では、初心者の方にもわかるよう、今後もSEO対策の基本や勉強の仕方などの情報をお届けしていきます。
 
 
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