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【#backstage19 レポ⑦】イベントでの貴重な接点を、継続的なファンにしていくためには?

記事公開日:2019/09/24
最終更新日:2025/10/17
【#backstage19 レポ⑦】イベントでの貴重な接点を、継続的なファンにしていくためには?

【この記事の要約】

2019年のイベント「BACKSTAGE」における、スマートニュース社の西口氏の講演レポートです。テーマは、科学的なアプローチに基づくマーケティングです。

西口氏は、マーケティングの成功には「戦略」と「クリエイティビティ」の両輪が不可欠であり、それらを客観的なデータで評価することの重要性を説きます。特に、顧客を「認知」「興味」「購入」といった心理ステージに分類し、各ステージの人数と移行率を数値で可視化すること、そして、顧客インタビューなどを通じて顧客インサイト(本音)を深く理解することが、効果的な戦略立案の土台となると語っています。感覚論に陥りがちなマーケティングを、科学として実践するための思考法が学べます。

 

【よくある質問と回答】

Q1. イベント参加者を、一過性の関係で終わらせず、継続的なファンにするための具体的な方法はありますか?
A1. はい、この記事で紹介されているニューバランスの事例では、自社アプリの活用が鍵となっています。例えば、大規模なマラソンイベントで、アプリを使ったスタンプラリーを実施したり、イベント限定のフォトフレームを用意してSNS投稿を促したりすることで、参加者とのエンゲージメントを高め、ブランドへの好意度を向上させています。

Q2. アプリをインストールしてもらうのはハードルが高いです。アプリなしで参加者との接点を持ち続ける方法はありますか?
A2. playground社が提供する電子チケット「Quick Ticket」のような仕組みが有効です。これはアプリ不要で利用できる電子チケットで、チケット自体を起点として、ライブ終了後にアーティストからのメッセージ動画を配信したり、スポーツの試合で勝利した場合に記念画像を送ったりすることができます。これにより、アプリのインストールを促すことなく、イベント後も顧客との関係を維持できます。

Q3. イベント企画において、アナログとデジタルを融合させるメリットは何ですか?
A3. メリットは、イベントの効果を一過性で終わらせず、最大化・持続化できる点です。イベントというリアルな場での熱狂や感動(アナログ)を、アプリや電子チケットといったデジタルツールと連携させることで、イベント前からイベント後まで顧客と継続的につながり続けることができます。これにより、参加者のエンゲージ-メントを高め、リピーターや熱心なファンを育成することが可能になります。

 

【ここから本文】

2019年8月29日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、近年注目を集める体験型マーケティングや体験型イベント、コミュニティ運営のフロントランナーが集まり、カンファレンスやセッションを通じて、その知見を共有するイベント「#backstage19」が開催されました。

 

エムタメ!では、ユニークなテーマで繰り広げられるさまざまなセッションのなかから、気になる7テーマをピックアップ。その要点をレポートします!

 

この記事では、株式会社ニューバランスジャパン 牧嶋さん、playground 村石さん、株式会社ヤプリ 島袋さんによるセッション「イベントでの貴重な接点を、継続的なファンにしていくためには?」をご紹介します。

登壇者の紹介

このセッションでは、イベント参加者と継続的な関係性を築き、リピートにつなげていくための工夫や施策が、デジタルとアナログを融合やアプリ活用の視点から語られました。

登壇者の略歴やこれまでの活動は、下記の通りです。

●株式会社ニューバランスジャパン Sr. Manager 牧嶋 琢実さん

2013年ニューバランスジャパン入社。ECビジネスの統括とともにCRM、デジタルマーケティング業務全般を担当。

デジタルとリアルを融合したブランドらしい顧客体験を提供する手法を日々模索中。

●playground株式会社 プロダクトマネージャー 村石 怜菜さん

2018年、総合エンターテック企業のplaygroundへ入社。

電子チケットサービスを中心とした「MOALA」のプロダクトマネージャーとして、エンターテイメント業界に新しいライブ体験を提供する。

●株式会社ヤプリ コミュニティマネージャー・マーケティングスペシャリスト 島袋 孝一さん

株式会社ヤプリはクラウドによるアプリ開発プラットフォームを提供。約300社の企業がヤプリを活用し、アプリ運営を行っている。

ニューバランスジャパンのアプリもヤプリによって開発されている。

アプリを活用したニューバランスのマラソンイベントの取り組み

はじめに、ニューバランスがスポンサーシップする「名古屋ウィメンズマラソン」でのアプリ活用の事例が紹介されました。

ニューバランスでは、自社アプリを通じたブランド体験の提供、ロイヤルカスタマーとの関係構築に力を入れており、アプリを通じてさまざまな施策を行っているそうです。

●ニューバランスのアプリ概要とアプリを活用した施策

・総ダウンロード数 約13万

・ECバナー、ストアイベントの告知、ショップサーチ

・コミックリーダー機能を活用しオリジナルアメコミをアプリ限定配信

・直営店での足の3D計測とアプリ内でのマイデータの管理

・商品の画像検索によるオンラインストアへの誘導や類似商品のサジェスト(近日公開予定)

●名古屋ウィメンズマラソンでの施策と効果

・マラソンの前日に行われるプレイベントの会場内でのスタンプラリー(アプリのスタンプカード機能を活用)。

・マラソン終了後に「ベストスマイルコンテスト」を行った。

Instagramにハッシュタグをつけて写真を投稿してもらうものだが、アプリから撮影するとイベント限定フレームを使って撮影できる仕組みとした。

・イベント参加者とのエンゲージメントを高め、チケット売り上げは3年間で堅調に推移。初年度1,200枠、次年度1,700枠、今年度2,200枠と増加。ファン層を抱えた結果、発売初日に売り切れる枠も増加している。

電子チケットからはじまる継続的ファンを獲得する仕組み

次に、playgroundの村石さんから、電子チケットプラットフォーム「MOALA」でできることや、チケットを起点に「ライブ体験のすべてを電子化」する仕組みが語られました。

●「Quick Ticket」は、アプリ不要でもぎりができる電子チケットサービス。スマホの画面に入場スタンプを押した瞬間に、LINE等と連携し、たとえば野球であれば、その日のスタメン情報や「来場ありがとう」メッセージなどを送ることが可能。友達同士での分配も簡単にできる。

 

●そのほか電子チケットに付帯するサービスで、イベント開始からイベントが終わったあとまで付加価値のある体験を提供することをめざしている。
たとえば、(1)アーティストのサイン入り入場スタンプなど、凝った電子チケット自体を記念にする、(2)ライブ後にアーティストからのメッセージ動画を公開、(3)勝利した試合後にビクトリーフォトを配信…などが考えられる。

 

●電子チケットを活用すれば、イベント中に参加者へのアプローチも可能。マラソンイベントであれば「あと10分でスタートなので整列してください」「そろそろ水分を取りましょう」などの通知もできる。

 

●チケットを購入している人はすでにロイヤルカスタマーである可能性が高い。今後は1回イベントでのタッチポイントで終わらずリピーターを増やすこと、次にファンになる人の情報をとることが課題。

電子チケットからはじまる継続的ファンを獲得する仕組み

まとめ

イベントというアナログな施策をいかにデジタルと融合し、その影響力を最大化していくかは、多くのイベント企画者が抱えている課題かと思います。

 

このセッションでは、アナログとデジタルを融合した施策にいち早くチャレンジし、好事例を作り続ける登壇者の方々のお話が非常に参考になりました。

 

 

【English summary】

This article is a report on a lecture by Mr. Nishiguchi of SmartNews Inc. at the 2019 event "BACKSTAGE." The theme is marketing based on a scientific approach.

Mr. Nishiguchi argues that both "strategy" and "creativity" are essential for marketing success, and emphasizes the importance of evaluating them with objective data. He explains that the foundation of effective strategy formulation is to visualize with numbers the count and transition rates of customers classified into psychological stages like "awareness," "interest," and "purchase," and to deeply understand customer insights through customer interviews. You can learn the thought process for practicing marketing as a science, which often tends to be based on intuition.

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