パントンが選ぶ2019年のトレンドカラー「リビングコーラル」はどんな色?
最終更新日:2025/10/27

【この記事の要約】
この記事は、PANTONE(パントン)社が発表した「2019年の色(カラー・オブ・ザ・イヤー)」である「リビング・コーラル」について解説した記事です。
リビング・コーラルは、ゴールドをベースにしたオレンジの色合いを持つ、明るく生命力に満ちたコーラルピンクです。デジタル技術が日常に浸透する中で、人々が求める自然との繋がりや、ポジティブで心地よい感覚を象徴する色とされています。Webサイトやファッション、インテリアなどに取り入れることで、親しみやすく、楽観的で、トレンド感のある印象を与えることができます。時代のムードを反映した色として、デザインのヒントを与えてくれる存在です。
【よくある質問と回答】
Q1. PANTONE(パントン)社とは、どのような会社ですか?
「色」の標準(色見本帳)を提供している、世界的なリーディングカンパニーです。印刷業界やデザイン業界では、異なる環境でも正確な色を伝えられるように、PANTONEの色番号を使って色の指定を行うのが一般的です。
Q2. 「カラー・オブ・ザ・イヤー」は、どのようにして選ばれるのですか?
A2. PANTONE社の専門家チームが、世界中のエンターテイメント、アート、ファッション、旅行先、社会経済状況など、様々な領域のトレンドを分析して選び出します。その年の「時代の精神(ツァイトガイスト)」を象徴する色として、世界中のデザイナーやクリエイターに大きな影響を与えます。
Q3. リビング・コーラルをWebサイトのデザインに取り入れる際のポイントは何ですか?
8A3. 全面的に使うと主張が強すぎる場合があるため、アクセントカラーとして使うのが効果的です。例えば、CTAボタンや重要な見出し、アイコンなどに限定して使うことで、ユーザーの注意を引きつけ、サイト全体に明るくポジティブな印象を与えることができます。
【ここから本文】
パントン(PANTONE)は、デザイナーにとってはおなじみのカラーマッチングシステム(色見本帳)です。
世界的に有名なこのパントンが選出するその年のトレンドカラーは「カラー・オブ・ザ・イヤー」と呼ばれ、デザイン業界の流行や開発に影響を与えています。
この記事では、2019年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤー「リビングコーラル」をご紹介します。
カラー・オブ・ザ・イヤーとは?
「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」は、色見本帳の販売やカラーマッチングシステムを提供する米PANTONE社が2000年より発表しているものです。
PANTONE社のカラーエキスパートが、トレンド分析をはじめ、色に影響を与える世界中のさまざまな領域(テクノロジー、素材、ソーシャルメディア、スポーツイベントなど)をチェックし、テーマカラーが毎年1~2色選定されています。
ちなみに、過去18年のカラー・オブ・ザ・イヤーは、下記のようになっています。新しい色との出会いもあり、カラー・オブ・ザ・イヤー振り返ってみるのもなかなか楽しいと思います!
パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーの変遷
●2000年:セルリアン
●2001年:フューシャローズ
●2002年:トゥルー・レッド
●2003年:アクアスカイ
●2004年:タイガーリリー
●2005年:ブルーターコイズ
●2006年:サンドダラー
●2007年:チリペッパー
●2008年:ブルーアイリス
●2009年:ミモザ
●2010年:ターコイズ
●2011年:ハニーサックル
●2012年:タンジェリン・タンゴ
●2013年:エメラルド
●2014年:ラディアント・オーキッド
●2015年:マルサラ
●2016年:セレニティとローズクォーツ
●2017年:グリーナリー
●2018年:ウルトラバイオレット




2019年のカラー・オブ・ザ・イヤー「リビングコーラル」
さて、肝心の2019年のカラー・オブ・ザ・イヤーは「リビングコーラル」といわれる色が選出されています。
PANTONE社の発表によると、リビングコーラルは「活気を与え人生を肯定するような、明るい将来を思わせるオレンジの色合い」「サンゴ礁が海洋生物にとっての栄養源でありシェルターでもあるように、活気がありまろやかさもある色。
暖かさと滋養で私たちを包み込み、つねに変化する環境の中で快適さと回復力をもたらす色」と解説されています。
化粧品などでもよく使われる、サンゴ礁のようなオレンジ味のあるピンクは、誰からも好感度が高く、温かな印象を与える色合いです。

画像引用元:PANTONE社の2019カラー・オブ・ザ・イヤー特集ページ
リビングコーラルのカラーコード
リビングコーラルの各種数値(TCXといわれるコットンファブリックへの印刷を想定した数値)は下記です。CMYKへの変換方法など、詳しい情報はPANTONE社のデザイナー向けツールのページで紹介されています。
PANTONE:16-1546 Living Coral
HTMLカラーコード:#FF6F61
RGB(TCX):R255, G111, B97
CMYK(TCX):C0, M65, Y54, K0
また、Adobe社のストックフォトサービス「Adobe stock」には、2019年のカラー・オブ・ザ・イヤー「リビングコーラル」を活用した素材が特集されており、リビングコーラルをデザインに取り込むことを後押ししています。
カラー・オブ・ザ・イヤーを手軽に活用するにはぴったりの素材がたくさんあります。

画像引用元:Adobe stock
リビングコーラルを使ったオススメの配色パターン
では、リビングコーラルはどのような配色で使うと効果的なのでしょうか?
PANTONE社の特集サイトでは、リビングコーラルを使ったいろいろな配色パターンが紹介されています。
(1)FOCAL POINT(焦点)
落ち着いた色合いのなかで、リビングコーラルを「注意を引くカラー」とし活用することで、控えめかつ高級感のある雰囲気を表現することができます。

(2)SHIMMERING SUNSET(きらめく夕焼け)
かがやく夕焼けの太陽のような華やかな配色。リビングコーラルが温かさや活気を感じさせます。

(3)SYMPATICO
世界中の肌の色合いを取り入れた配色パターン。柔らかく、温かい色合いを重ね、健康的な雰囲気を表しています

(4)TRIPPY
彩度の高い色を組み合わせた、奇抜さ・抑えられない楽しさを表現した配色です。

(5)UNDER THE SEA
熱帯の海を思わせるような、鮮やかな海洋生物の生態系を思いおこさせる配色。サンゴ色がぴったりです。

画像引用元:PANTONE社の2019カラー・オブ・ザ・イヤー特集ページ
まとめ
カラー・オブ・ザ・イヤーは通常、前年の12月に発表されており、オリンピックイヤーである2020年の色合いがどのようなものになるのかも楽しみです。
配色のトレンドや、新しい色味との出会いにもつながるカラー・オブ・ザ・イヤーに、今後も注目してみてはいかがでしょうか。
【English summary】
This article explains "Living Coral," the "Color of the Year 2019" announced by PANTONE.
Living Coral is a vibrant coral pink with a golden-orange base, full of life and brightness. It is said to symbolize the connection with nature and the positive, comfortable feelings that people seek as digital technology permeates daily life. By incorporating it into websites, fashion, and interiors, one can create a friendly, optimistic, and trendy impression. As a color that reflects the mood of the times, it serves as an inspiration for design.




