MTMセキュリティの営業マン日野は、入社3年目にして展示会担当に抜擢された。
会社としても初出展のこと、ノウハウも知識もないなかで3ヶ月後の展示会に向けて、上司:坂田の力も借りながら準備を進めているところだ。
展示会のコンセプトが決まり、ブースの装飾を任せる業者も決まり、必要書類も提出して一段落ついたかのように錯覚している日野だったが、展示会準備としてはまだ半分も終わっていないということを、この後、思い知ることになる…。
【前回までの話はこちら】
展示会担当「いよいよ展示会に出展するときがきた!」【第0話】
展示会担当「このままじゃブレブレの展示会になってしまう…!コンセプトを決めなきゃ!」【第1話】
展示会担当「そろそろ装飾業者を決めないと!どうやって選べばいいんだ…」【第2話】
展示会担当「危なっ!諸々の書類提出を忘れるところだった!!…」【第3話】
前回、展示会の主催業者から必要書類の提出についてリマインドされ、慌てて送った日野。展示会の準備はこれで一段落ついたとばかりに、営業担当として数字を追うことに専念しようと考え始めたところだった。
日野は、上司:坂田に確認してみることにした。
ああ、そうだな。展示会用のチラシ発注は必要だろう。
とすれば、いつも製品チラシのデザインをお願いしているAデザインに頼めばいいですよね。
いや、今回は展示会という新しい試みだから新しい風を入れたいし、いま流行りのクラウドソーシングを使ってみてくれ。コストもその方が安く抑えられるだろう。
クラウドソーシング、ですか?あ…はい、わかりました。 (クラウドソーシングなんて、使ったことないよ~。営業に出ようと思ってたのに、また新しいタスクが…)
気を取り直した日野は、ネットで検索した最大手のクラウドソーシングサービスを選び、利用案内に目を通してみた。
…う~ん、なるほど、デザインはコンペで業者が選べるのか。コンペで募集するには、デザインの基となる構成案が必要、と。
今回は、オーソドックスなA4裏表カラーで発注するから、2面分の構成案を作ればいいんだよな。営業資料のパワポがあるから、それを抜粋して作ろう。よし!やるぞ。
そして、数十分後。
いやいやいや、無理でしょ、コレ。だって20枚分のパワポだよ?どうやって2枚に収めればいいの?どれも提案に必要な内容としてここに詰まっているワケだから、この中のどれを外してもダメなわけで…あ~~~っ!!!
そこに通りかかったのは、クールな先輩、内山田。
どうしたの、日野君?
あっ、内山田先輩。展示会用のチラシを発注するために構成案を作っているんですよ。でも、20ページを2ページにって、1/10ですからね。そりゃあ、無理な話ですよねぇ~。
(日野君、相当ハマってるなぁ…) いや、僕はなにも無理にすべての内容を詰め込む必要はないと思うよ。
…へっ?
ブースの前でちょっと興味を持ってくれただけの人に、製品のすべてを説明する必要があるかな。特長とかメリットとか、キャッチーな部分だけ載せて、話を聞いてくれそうな人には追客して営業をかければいいんじゃないか?
…確かに!
展示会出展が初めての場合、当然ですが、展示会場で配布するチラシの発注も初めてとなりますね。
既存のチラシを配っても良いのですが、ブースの前を通り過ぎる来場者を効率的に集客するためには、パッと見ただけでわかるもの、かつキャッチーなチラシが必要です。予算が許す限り、展示会用のチラシを作ることをおすすめします。
ここで、展示会用チラシを成功させるための3つのポイントをご紹介します。
【ポイント1】
一目で理解できるシンプルな表現にする
展示会では、ブースの前を通り過ぎようとしている来場者に足を止めてもらうためにチラシを渡すので、キャッチコピーや画像などを工夫して、目を引くわかりやすい表現にすることが大切です。
【ポイント2】
見込み客にとってのメリットを訴求する
チラシとなると、ついつい製品の機能や特徴を並べてしまいがちですが、見込み客がその製品・サービスを使うことでどんなメリットが得られるのか?という点にフォーカスして記載しましょう。
【ポイント3】
内容の盛り込み過ぎには要注意!
チラシに記載する内容を増やすほど焦点がぼけ、見込み客にとっては「何が言いたいのかわからない」残念なチラシになってしまいます。思い切って盛り込む内容を絞り、1~3点程度にまとめることをおすすめします。
チラシ発注のスケジュールとしては、展示会の1ヵ月半前までには済ませておきましょう。デザイン会社とのチラシの構成のすり合わせ、デザインの確認などで約1ヵ月、印刷に1週間をみて、少し余裕を持たせて1ヵ月半確保しておくと安心です。
以上、簡単に展示会用チラシ制作上のポイントをお伝えしましたが、もっと詳しい内容をまとめた資料をご用意しています。
以下のボタンからダウンロードできるので、ぜひ、お役立てください。
内山田の指摘によって気づきを得た日野は、展示会のコンセプトに立ち返り、目的(新規顧客獲得)とターゲット(本格的な情報セキュリティ対策への取り組みを迫られた中小企業の社長と担当さん)に合わせた訴求内容を絞り込み、A4サイズ2ページ分の構成案を完成させた。
つづいて、クラウドソーシングにMTMセキュリティとして登録作業を行う。 コンペの募集のために予算額と構成案を提示し、デザインイメージとして過去に管理部が営業を受けたチラシのなかからキャッチーなものを2~3点ピックアップしてスキャンしたデータをアップロードした。
ふぅ、これでよし。チラシの発注って案外大変なんだなぁ。まあ、いままでは社内にノウハウがなかったからな。俺の後ろに道はできる…!
そして、一週間後。
3社から応募があり、そのなかの1社が提案するデザインがイメージしていたものに近かった。
上司:坂田に確認してもらったうえで、そのデザイン会社に依頼することにする。
そこに、内山田が通りかかった。
日野君、無事にチラシの発注先が決まったそうで、お疲れ様。
あっ、内山田先輩。先輩のおかげで助かりましたよ~!展示会当日もよろしくお願いします!頼りにしてますよ~。
え、僕って、展示会、出るの?
………えっ?出ないんですか? (そういえば、当日のメンバーってどうするんだろう…?)
展示会本番まで、あと1 ヵ月半。
日野は、果たして、会社として初の展示会出展を成功させることができるのか…?
つづく。
※この物語は架空のものであり、実在の人物や企業とは一切関係がありません。
【第5話】展示会担当「当日のメンバー決め。新卒だけでこの目標にいけってこと…?」
【第3話】展示会担当「展示会担当「危なっ!諸々の書類提出を忘れるところだった!!…」
【展示会関連資料】
展示会のノウハウに関してはこちらもご活用ください!
>展示会でのMA活用マニュアル
>展示会の効果を最大化させる12の手法
…提案用の営業資料に製品カタログと。そうそう、新製品のチラシも忘れずに渡さなきゃな。 …ん?チラシ?そういえば、展示会ってチラシを配る必要があるんじゃないのかな…?