PLMとは?製造業で再注目される背景やシステムの必要性、メリットなどを解説!
最終更新日:2023/10/26
PLM(Product Lifecycle Management)とは、利益を最大化するために、製品の企画・生産・販売・廃棄までの一連の工程における情報を管理する取り組みを指します。
新型コロナウイルスによる景気悪化や少子高齢化による人材不足などの影響で、製造業におけるDX推進の必要性が高まっており、PLMにも注目が集まっています。
本記事ではPLMについて詳しく解説すると共に、PLMと似た概念であるPDMとの違いやPLMシステム、導入する際の注意点や具体的な導入事例などをわかりやすく紹介します。
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目次
PLMとPLMシステムとは
PLM(Product Lifecycle Management)とは、製品の企画・生産・販売・廃棄までの一連の工程における情報を管理する取り組みです。情報共有によって製品のライフサイクル全体を管理することで、業務効率の向上やモノづくり体制の強化、利益の最大化を図ります。
製造業では競争の激化や環境の変化に伴い、「QCD」=Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の重要性が増しており、製品ライフルサイクル全体を一元管理できるPLMのシステムを導入することで、高品質な製品を低コストで製造し、迅速に納品する「QCD」を達成することができます。
PLMシステムにはCADやBOMデータの管理、製品データ・サービス部品の管理や取引先データ管理、要件管理など、様々な機能が搭載されているのが特徴です。導入することで各部署がスムーズに連携することができ、開発力や競争優位性の向上実現につながります。
近年なぜPLMへの注目度が高まっているのでしょうか?PLMの必要性とその背景について次章で紹介します。
PLMの必要性とその背景
PLMが必要とされる背景には、多様化した顧客ニーズへの対応などの製造業を取り巻く環境の変化や、グローバル化やIT技術の発展、コンプライアンス遵守があります。
ユーザーの嗜好・ニーズの多様化や短期でのトレンド変化、製品ライフサイクルの短縮など、製造業の環境は大きく変化しています。加えて、SDGsなどのコンプライアンスを遵守したものづくりやDX推進、IoTの発展など、市場環境や外部要因も急速に変化しており、企業は柔軟かつ迅速な対応が求められてます。
また、顧客の販売や廃棄のタイミングの把握が困難になったこともPLMが必要とされる理由のひとつです。
「製品開発が完了して生産・販売にこぎつける頃には、すでに市場の状況が変化し適切なタイミングを逃してしまう」などの課題があり、アイデアの創始の段階から製品の生産・販売・廃棄にかかる期間を把握して管理し、「早期の販売により先行利益が必須なのかどうか」等を見極めることが重要になってきました。
このような背景の中で従来のアナログな管理方法では対応が難しく、誕生したのがPLMシステムです。
PLMシステムを利用して様々な情報を集約し、製品ライフサイクル全体のデータを一元的に取得・管理することで、データや状況を正確に把握・共有することができるほか、変化にも対応しやすくなります。入力の二度手間や情報のタイムラグの削減にも効果的です。
PLMシステムを導入するメリット
業務効率の向上やモノづくり体制の強化、利益の最大化のために活用されているPLMシステムですが、導入することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?主な3つのメリットについて紹介します。
品質向上
PLMシステムでは情報を一元的に管理・共有することで不具合などにすぐ対応することができ、ワークフロー全体を最適化して製品の品質向上を実現できるというメリットがあります。
グローバル化やオンライン化などによる競争の激化などの影響で、企業の製品品質の基準は高まり、より高品質の製品が求められるようになりました。開発や生産など各工程のデータを一括管理し、工数削減にも効果的なPLMでは、高品質の製品を効率的に製造したいという企業のニーズを実現できます。
コスト削減
コスト削減を実現できるのもPLMシステムを導入する大きなメリットです。
PLMシステムを導入すれば、人件費や原材料費などの費用がどのくらいかかっているのかをプロセスごとに把握・共有できるようになり、コスト削減へ繋げられるほか、各プロセスの情報を関連づけて管理するため、作業効率向上によるコスト削減も同時に実現できます。
またバーチャルの世界で施策やシミュレーションを実施できるのも、原材料や人件費などの費用を抑えるひとつの要因です。
リードタイムの短縮
PLMシステムで製品に関する情報を一括管理することで、調達や発注のタイミングの最適化や製造工程のスムーズな見直しが可能になり、リードタイムを大幅に短縮することができます。
たとえば、手書きの図面設計の3次元CADへの置き換えや、車を衝突させる実機検証のシミュレーションでの実施などによる効率化を図ることで、リードタイムの短縮につながります。
PLMシステムの導入によって業務プロセスごとに製品の市場を把握することも可能です。
企画・設計プロセスでは「製品を市場に投入する適切なタイミング」を、生産・販売プロセスでは「製品の廃棄、またはリサイクル」を、「サービス保守プロセス」では「撤退するリスクの網羅及びコントロール」を見極めることができ、市場投入時期・撤退時期の適切なコントロールに役立ちます。
PLMとPDMの違い
PLMと混同されがちな概念にPDMがあります。PLMをより正確に理解するために、PDMとの違いを明確にしておきましょう。
PDMとは
PDM(Product Data Management)は、製品データ管理システムのことで、CADやBOM(部品表)、技術ドキュメントや図面など、設計開発部門が持つデータの管理を指します。
PDMでは、「開発・設計段階のドキュメントファイル」が対象になるのに対し、PLMでは「製品ライフサイクルで使用される全てのデータ」が対象になります。PDMは開発段階のデータ管理に特化したシステムであり、PLMはより広範囲のデータ管理を行うシステムであるということが特徴です。
ただし、ベンダーによって管理対象の範囲が異なる場合もあり、製品によってはPDMでも開発・設計以外のデータを管理できるものも存在します。
PDMが普及した時代背景
1990年代に登場したPDMは、製品の開発・設計フェーズにおける業務効率化を図るという目的で開発され、製造業における導入が進みました。
同フェーズにおけるデータを一括で管理することで流用設計やチーム設計が推進され、徐々にワークフロー管理や変更管理などの機能が実装されていくことで、データの共有やプロセスの標準化を実現できるシステムへと進化したPDMは、先述した「QCD」の改善において重要な役目を果たしてきました。
PLMへの成り立ち
PDMが普及した後、多様化した顧客ニーズへの対応やIT技術の発展、コンプライアンス遵守など、製造業を取り巻く環境の変化によって、2000年代になって注目されたのがPLMです。
開発設計段階のデータを一元管理するというPDMの手法を、製品ライフサイクル全体へと拡大したPLMでは、製品の開発から保守の終了における全てのデータを一括で集約・管理することで、製品開発力の強化・QOD改善・競争優位性の向上を実現します。
より急速に変化し、不確実性の高い現代の市場やニーズに柔軟に対応できる手法として、PLMが成り立っていったのです。
PLMシステムの機能
PLMシステムは、製品ライフサイクルの各段階において様々な機能を持っています。本章では主なシステム機能について解説します。
CAD
CAD(Computer Aided Design)は、従来設計現場で手書きしていた図面をデジタル化し、コンピューター上で効率的に設計できるツールです。2次元データを扱う2DCADと3次元データを扱う3DCADがあり、3DCADでは3次元空間に立体的な形状をモデリングすることができます。
CADでは従来は紙で作成していた膨大な設計データを扱えるため、過去の設計データから類似図面を検索して反映するなど、作業効率をアップすることが可能です。製造業のDX推進において、3DCADを活用した取り組みはデジタルエンジニアリングの軸となっています。
自動設計
自動設計は、製品仕様を入力するだけで、製品仕様を入力するだけで3Dモデルや見積図面などを自動生成できる機能です。設計や見積書の作業時間を大幅に短縮し、効率化を図ることができます。
「属人的な業務のせいで似て非なる図面が作成される」「打ち合わせにて仕様や認識に関する齟齬が生まれる」という課題を自動設計で解決することができ、品質の均一性を保てるというのがメリットです。
加えて自動設計は、スピード設計、仕様の早期確定、短期納品などを実現できます。
解析(CAE)
解析(CAE:Computer Aided Engineering)はコンピューター上で各種解析やシミュレーションを行い、製品を検証するエンジニアリング機能です。解析には構造解析、流体解析、数値解析など複数の種類があります。
従来は解析専任者が手計算で行っていた業務でしたが、現在では「設計者向け構造解析」機能が登場しており、設計者自身が製品に関する評価を行えます。
実際に試験を実施せずとも計算・シミュレーションによって結果を得られるため、コスト削減や開発期間の短縮、環境負荷の軽減などにも効果的です。
CADデータ管理
CADデータ管理は、製品開発において生じる実験や企画書に関するデータやドキュメントなどを一括で管理できる機能です。データの管理に加え、設計時に必要な情報の検索などができるため、管理の工数・時間を省いて作業効率を向上できます。
2DCADの管理は従来Windowsエクスプローラのフォルダで管理されていましたが、3D設計が進むにつれて扱うデータや管理が複雑化し、Windowsエクスプローラのフォルダ管理では限界がきています。
現在では複数部門の業務を同時並行で実施するコンカレント開発の重要度が高まっており、複数のCADシステムを管理できる機能が必要とされています。
技術情報管理(BOM管理)
技術情報管理(BOM管理)は、製品を造るのに必要な部品データや製品の製造に関する重要な情報をまとめ、部品不足や手配漏れを防いで効率的に生産管理を行う取り組みを指します。
製造業におけるBOMには「E-BOM(設計BOM)/M-BOM(製造BOM)/S-BOM(販売BOM)/購買BOM/サービスBOM」など様々な分類があり、技術情報管理(BOM管理)ではそれらを統合的に管理することが可能です。
コスト削減やリードタイムの短縮、高品質な製品づくりにも役立ちます。
VR
VR(Virtual Reality)は、バーチャル上に人工的な仮装世界を創り出し、現実世界で実際に体験しているようなリアルな体験を作ることができる技術です。
製造業向けのVRを活用することで、3Dで再現されたバーチャル世界に入り込んで製品の検証・検討を行うことができるため、平面ディスプレイなど2次元での設計や開発段階では気づけなかった不具合などを、早期に発見することができます。
VRの活用によって、製品が完成した後に見つかった不具合のために再設計するという手間が減り、コスト増加や納期の延長を防げます。
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3Dデータを活用した生産準備
生産準備業務において3Dデジタルデータを活用することで、組み立て作業の手順や工数、使用する工具など、より詳細な製造データを集約・管理することが可能です。
これまでは実機を使った作業指示書作成や組立性検証、組立プロセス検討の実施が一般的で、属人化や品質の均一性を保てないという課題がありました。
3Dデータを用いることで、正確且つリアルな製造データを視覚的に確認することができ、製品の品質向上や均一性の保持、属人化防止を実現できます。
また、製品開発プロセスでは、複数部門の業務を同時進行させることが可能で、開発の効率化や納期短縮につながります。(コンカレントエンジニアリング)
PLMシステムの種類
PLMシステムの機能を紹介しましたが、多岐に渡る機能を1つのシステムですべて備えることは難しく、一般的には複数のシステムを組み合わせたプラットフォームがPLMとして提供されています。
導入する際には、PLMシステムを導入する目的や解決したい課題に適した機能を検討して、最適なパッケージを選ぶことが大切です。以下では現在流通している主な3つのPLMシステムについて紹介します。
シーメンス PLM
ドイツにある電機機器メーカー「シーメンス社」の提供するPLMソフトウェアは、製品ライフサイクル管理を主にしたデジタルプラットフォームです。製造業における製品ライフサイクルを一括管理するだけではなく、部門間連携の効率化や組織全体におけるQCDの最適化を実現します。
シーメンス社の主要なソフトウェア・ポートフォリオ・アプリ開発プラットフォームを統合したPLMシステム「Xcelerator」は、PLMシステム以外にも電子設計の自動化(EDA)などを総合的に実施できる機能を備えているのが特徴です。
また同システムでは、プログラミングの専門知識がないユーザーでもIoTオペレーティングシステムを組み合わせたアプリケーションを開発可能なほか、それぞれの機能を組み合わせることで、製造現場から経営層までにおけるシームレスな情報共有や業務自動化が実現できます。
Windchill PLM
PTCのPLMソフト「Windchill PLM」は、20年以上の歴史を持つ、製造業におけるコスト削減や業務効率の向上を目的としたPLM/PDMソリューションです。
世界で27000社以上の企業に利用されている本ソリューションは、比較的簡単に導入できる「一般ユーザー向けパッケージ」と、高度な機能が備わっている「エキスパート向けパッケージ」の2種類がありますが、業務上必要となる機能は標準機能として搭載されています。
一般ユーザー向けのパッケージでは使用できる機能が3種類「図面や設計ファイルなどの共有/コンポーネントを組み合わせた、必要なアプリの構築/変更リクエストの申請・却下・レビュー」に限定されており、専門知識がないユーザーでもPLMシステムを利用できるように設計されているのが特徴です。
エキスパート向けパッケージは、「ベース版/上位版のAdvanced/Premium」の3種類が用意されており、CADデータや設計BOMの管理など、比較的高度な機能を利用できます。
SAP PLM
SAPのPLMソフトウェアは6種類のパッケージを組み合わせて、ライフサイクル管理だけではなく、CADデータ管理や製品の原価計算などを実施できるシステムで、オンプレミスやクラウドベースでも利用できるのが特徴です。
ポートフォリオ管理や原価管理、製品エンジニアリングの機能など、各ジャンルに特化したパッケージが備わっており、ユーザーが要望した個々の製品に対応した設計を行うこともできるうえ、業務効率の改善や品質向上などを実現できます。
各国のマーケットにおける規制対象物質やコンプライアンス遵守も確認できるため、国内市場のみならず海外市場においても利用可能で、海外市場をメインとするPLMシステムを利用したい方におすすめツールといえます。
CADデータ管理などを行う際には、直感的に操作しやすいインターフェースも人気です。
PLMシステムを導入する際の注意点
PLMシステムを導入する際には、事前に押さえておくべき主な2つの注意点があります。注意点に気をつけて導入することで、PLMシステムの真価を最大限発揮することができ、期待どおりの成果を得られる可能性は高まります。
目的に最適なシステムを選定する
先述したように、多岐に渡る機能を1つのPLMシステムですべて備えることは難しく、一般的には複数のシステムを組み合わせたプラットフォームがPLMとして提供されており、それぞれに特徴や得意とする点があります。
そのため導入する際には、事前に自社がPLMシステムを導入する目的やPLMシステムによって解決したい課題を明確にし、最適なパッケージを選ぶことが大切です。
さらにPLMシステムの機能の詳細や導入コストなども調べたうえで、最も自社にマッチするソリューション、もしくは自社で運用しやすく成果が見込めるソリューションを見極める必要があります。
また、利用ユーザー数の増加に伴ってシステムの利用料が高額になる場合があるため、自社環境の変化や、将来的な事業の拡大なども視野に入れて判断することも重要です。
社内連携の強化を意識し、全社的な導入を行う
PLMシステムを導入する際は、製造現場から各部署、経営層に至るまで、全社的に連携して導入する必要があります。
導入への取り組みをスムーズに行うためには事前に社内体制を整備し、積極的に導入における作業をサポートすることが大切です。PLMのシステム導入前後には、不明点やトラブルなどに迅速に対応する問い合わせ部門を設置し、社内全体に周知しておくことをおすすめします。
PLMシステムを選定する際には、全社的な導入を意識して、製造現場と経営層の認識をよくすり合わせてから決めることも非常に重要です。実際の作業現場に取り入れやすいシステムを採用することで、導入後もスムーズな運用が期待できます。
PLMの導入事例5選
実際に製造業を営む企業において、PLMシステムはどのように導入されているのでしょうか?具体的な導入事例を5つ紹介します。
株式会社オーハマ
株式会社オーハマは、CAD/CAM技術・金型技術・成形技術を活用し、家電部品・カメラ部品・工業用カバーなど、さまざまなプラスチック部品を製造・販売するメーカーです。
同社では、高品質・高精度・短納期・低コストという条件を実現させるために、製品の加工時間の短縮、工程の見直し、熟練工の後継者の育成、ロスの削減などの様々な課題があり、それらを解決するためにPLMシステムの導入に踏み切りました。
PLMや3D設計は大企業向けのシステムというイメージがあるなか、同社はカスタマイズ性が高く、コンパクトで業務内容に合ったシステムを検討・導入し、大企業向けの印象がある「Windchill PDMLink」を、親しみやすい仕組みに落とし込むことで導入を実施しました。
導入したことで、受注までのプロセスの改善、営業情報をすばやく社内展開できるPLMシステムによるエンジニアの効果的な営業サポート、設計時間の短縮などを実現しています。
ローレルバンクマシン株式会社
70年以上の歴史を持つ老舗企業ローレルバンクマシン株式会社は、通貨処理機を製造している専門メーカーです。同社は、企画段階に計画していた製造にかかる原価と、設計後の原価に大きな乖離があるという課題を解消するためにPLMシステムを導入しました。
同社では図研プリサイトが提供するPLMプラットフォーム「Visual BOM」の「コストシミュレーション機能」を活用し、どの部分にどれだけのコストがかかっているのかを把握して、想定原価から大きく外れることのないシステムを構築しました。
システム構築には約2年半の時間がかかりましたが、原価計算の自動化で現場負担を大幅に軽減することに成功したほか、コストシミュレーション導入によって原価把握による費用削減や、最大で1ヶ月分に相当する作業工数の削減、生産性向上も実現しました。
ニッタン株式会社
ニッタン株式会社は、自動火災報知設備、消火設備、防排煙設備等の技術開発、生産、販売、設計、施工、保守などを提供する総合防災システムメーカーです。
同社は以前からPLMシステムを導入していましたが、よりワークフローの申請・承認機能に優れているシステムを導入するため、PLMシステムの刷新を行いました。
PLMシステムの導入によって、工場に図面を送信する際のラグタイムなど、各ステップにかかる時間の最適化や、最新の書類を識別する機能を実現でき、業務の効率化に成功しました。また、PLMシステムの導入は未だに製造業に根強く残る紙文化脱却のきっかけにもなり、DX推進やコロナ禍における就業形態変化への対応にも貢献しているそうです。
菊水電子工業株式会社
菊水電子工業株式会社は、半世紀以上にわたって電源装置や、電子計測器の開発・製造を手掛けてエレクトロニクス技術の基盤を支える専門メーカーです。
同社では、新しい製品シリーズやラインナップを追加する際に、さらなる業務効率化を進めるためにPLMシステムを導入しました。
PLMシステムを導入する前、同社は部品表管理の際は別システムを採用していましたが、データの活用が難しいため、生産した部品を確認するための部品表としての役割に止まっており、生産時の情報伝達がスムーズにいかないという課題がありました。
PLMシステムの導入によって、部品管理だけでなく生産管理も一括で管理できるようになったことで、開発時の部品選定や、社内の情報伝達スピードの飛躍的な向上を実現しています。
株式会社ジャムコ
航空機の内装品製造で優れた実績を誇る株式会社ジャムコは、原価積算作業と固定費増加、見積原価の精度に関する課題を解決するため、PLMシステムの導入に踏み切りました。
同社はPLMシステム導入によって、BOMや図面、原価の過去情報を容易に参照できる環境を整え、生産スピードアップや原価を用いた見積もり精度の向上などの効果を得られたほか、過去パーツのデータを活用することで、原価低減と製品の標準化を実現しました。
まとめ
本記事ではPLMについて、PDMとの違いやPLMシステムの機能・種類、導入する際の注意点や導入事例など、PLMについてご紹介しました。
PLMシステムを導入することで、業務効率の向上やコスト削減、モノづくり体制の強化、利益の最大化を実現できますが、PLMシステムの導入を検討する際には、自社の目的や解決したい課題をあらかじめ明確にするほか、製造現場と経営層の認識をよくすり合わせておく必要があります。
そのうえで自社にマッチしたPLMシステムを選定できれば、PLMシステムの真価を最大限発揮することができ、期待どおりの成果を得られる可能性が高まるはずです。
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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