クラウドサーカス株式会社 DPO事業部 AS2グループ
2011年にクラウドサーカスの前身であるスターティアラボ株式会社に入社。2012年に福岡支店の立ち上げを経験、2016年から営業マネージャーに着任。2018年からはシニアマネージャーとして営業組織を引っ張りつつ、今期はオンライン展示会パッケージのサービス立ち上げも行う。
本日はよろしくお願いします。
今回井上さんにお聞きしたいのはオンライン展示会についてです。ざっくばらんに色々と話せたらと思っています。
まず、井上さんは今期から、オンライン展示会のパッケージプランである『Cloud CIRCUS for Showroom』の責任者を担ってますよね。どういった経緯で始められたのかをお聞きしたいです。
エムタメ!
編集部
井上
よろしくお願いします!
まず、オンライン展示会のパッケージができた背景は2つあります。1つはコロナ禍でデジタルを活用したイベントの需要が増えてきたこと。もう1つは私たちの事業部(旧Mtame株式会社)がもともとBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援を行っており、ツールやノウハウがそのまま活かせると考えたからです。
エムタメ!
編集部
井上
まさにそうで、デジタル施策への関心は昨年から急激に高まっています。なので、これまで2,000社以上のデジタルマーケティング支援を実施してきた我々にとっては、何かしらで貢献できることがあるのではないかと考えました。
第一に、弊社が提供できるのは「Cloud CIRCUS」というデジタルマーケティングツール群で、そのうちBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援でよく使われているのがCMS「BlueMonkey」とMAツール「BowNow」です。
そして、それらのツールに加えて、これまで支援してきた実績と自社で実践してきたノウハウを元に、WebマーケティングやMAのコンサルティングや広告の運用代行、インサイドセールスのBPOまでを提供しています。これらを組み合わせてパーケージにしたところ、結果的に展示会機能をオンライン化した『オンライン展示会』という施策に落ち着いたんです。
エムタメ!
編集部
井上
その通りです。あとは先程2つ目の背景として挙げましたが、私たちのクライアントはBtoBの中でも特に製造業のクライアントが多かったことも『オンライン展示会』を始めた理由として非常に大きいです。
これまで多くの製造業の企業は、大小を問わずさまざまな展示会に出展してきたかと思います。それがコロナ禍で展示会を含むイベントが続々と中止になって、相談を受けることも多かったんです。
実際に「オンラインで展示会に出展してみたい」「オンライン展示会とかって効果あるんですか?」といった相談をもらうケースもありましたし、やはりクラウドサーカスが支援できるのはここだな、と思いましたね。
エムタメ!
編集部
井上
下記のような悩みがある企業には特におすすめですね!
・コロナ禍で展示会がなくなり営業リードが減少した。
・新製品の露出機会や顧客とのコミュニケーションが不足している。
・Web上での見込客/顧客育成がマンネリ化した。
・見込客/顧客の関心を引く「起爆剤」が欲しい。
・現状の自社サイトは制約も多く自由度が低い。
…と、ダラダラと書いてしまったので1つずつご説明します。
まず、コロナ禍が長期化したため展示会に出展する機会がなくなり、営業のリードが手に入らなくなった方です。展示会の代替案として何かしらのデジタル施策を検討していると思うのですが、これまでオフラインの展示会を出展してきた企業であれば、オンライン展示会にも転用して使えるコンテンツがたくさんあるので特におすすめです。例えばPRの動画やパンフレットのPDFなどはそのまま使えますよ。
エムタメ!
編集部
井上
そうなんです。
2つ目は新製品の露出機会が減ったり、見込客/顧客とコミュニケーション不足になっている方。新製品も一度リリースを打ったあとはなかなか露出しにくいので、オンライン展示会を通して訴求するのも有効です。こちらも従来はオフラインの展示会でできていたことですね。
エムタメ!
編集部
井上
3つ目はコーポレートサイトでの見込育成がマンネリ化している方。 定期的なコンテンツ配信はしているけど、数年も続けていると見慣れてしまい離脱率も高くなってしまいます。そんな時にオンライン展示会で目新しさで興味を引くのが有効です。
エムタメ!
編集部
井上
そういう使い方も可能ですね!
続いて4つ目ですが新たに見込客/顧客関心を引く「起爆剤」がないか探している方にもおすすめです。オンライン展示会という言葉自体は徐々に広まってきてますが、まだ参加したことがない方が多いので、過去の失注案件のリテンションや顧客の興味関心を引く意味で使えるんです。
エムタメ!
編集部
井上
ベストな使い方ですね!
最後に、現状の自社サイトは制約も多く自由度が低いという方です。Webサイトでのデザインの制約が厳しかったり、そもそも更新がしにくいがゆえに、新商品が訴求できない方にもオンライン展示会はおすすめなんです。
特に自社開催型のオンライン展示会サイトを作成すれば、コーポーレートサイトとは別に事業部や部署単位でWebサイトの運用が可能になることもあり、デジタルマーケティングの施策の幅が広がります。
エムタメ!
編集部
井上
そうなんです。以上5つをまとめると、デジタルで完結する施策の特性を活かして、リテンションからその後の追客までを行えるのがオンライン展示会の特徴ですかね!
エムタメ!
編集部
井上
こちらも普段現場で伝えているところをかいつまんでお話しますね!挙げだしたらキリがないのでざっくりとお伝えすると、以下の3つなどが代表的なメリットです。
・出展・人員のコストを抑えられる
・商圏を広げられる
・来場者のデータ集計が楽
エムタメ!
編集部
井上
はい。まず1つ目が出展の費用です。オフラインの展示会は1コマあたり数十万円の出展費がかかったり、ブースのデザインや装飾にも費用がかかります。ノベルティを作れば、そこにもまたコストがかかりますよね。
これらをオンライン展示会は大幅に抑えることが可能なんです。もし翌年もコンテンツを使いまわす場合は、微修正を加えて同じものを活用できますしね。
また、当日のオペレーションもオフラインの展示会は複数名用意する必要があるのですが、オンライン展示会であれば1人〜多くて2名いれば対応が可能です。
確かに、展示会ってコスト面が開催ハードルだったりもしますよね。その分リターンも大きいのだけれど、なかなか踏み切れないところもあるなと。私もいちマーケなので分かります。
他にはどんなメリットがありますか?
エムタメ!
編集部
井上
あとは、商圏を広げられることもオンライン展示会のメリットですね。文字通りオンライン、つまりWeb上で開催される展示会なので、パソコンやスマホがあればどこにいても参加が可能です。
オフラインの展示会は東京や大阪や福岡など主要都市で開催されることが多いので、わざわざ出張をしないと参加できない方が多かったのですが、オンライン展示会によってそのハードルがなくなりました。
その結果、普段はなかなか出会えない全く別の地域の企業同士がマッチングしたり、新たな取引が生まれたりするようになります。
エムタメ!
編集部
井上
もちろんありえますね。
そして最後に、来場者の集計が楽なのもオンライン展示会のメリットです。これはデジタルマーケティング全般に言える話でもあるのですが、デジタルで集めたデータをリアルタイムに集計して、次の施策に活用することができます。
オフラインの展示会であれば、名刺を取り込んで、分類分けして、というのを手作業でやる必要があるのですが、オンラインで完結する場合は申し込みの段階である程度振り分けることが可能なので非常に便利なんです!
エムタメ!
編集部
井上
出展方法には、他の企業と合同でオンライン展示会に参加する形式と、自社単独で開催する形式の2パターンに分けられます!
エムタメ!
編集部
井上
まず合同でオンライン展示会に出展する形式は、主催者の開催するオンライン展示会に出展するスタイルで、主催者(プラットフォーム)側が用意したシステム(Webサイト)上で行われます。
メリットとしては、プラットフォームを主催者側が準備してくれる点、単独で開催するより集客しやすい点が挙げられます。コンテンツを用意するだけで、主催者側がWebサイトの構築から宣伝までを行ってくれるので、初心者には比較的参入しやすいパターンと言えます。また、複数の企業が参加するため、来場者も多く見込めるでしょう。
エムタメ!
編集部
井上
そうですね。ただもちろんデメリットもあります。
例えば、合同開催になる分他社の展示ブースに人が流れやすく、自社製品のアピールがしにくい点が挙げられます。
また、開催日時や展示方法、サイトのビジュアルテーマなど主催者側の制約が多いこともあり、型にはめて出展する分、手間は軽減されますが自由度も下がります。
そして、次年度も開催する場合にはまた同様のコストがかかります。継続的に開催し、長期のマーケティング活動を行なって行く上では、あくまで単発のリード獲得施策と捉えるとよいでしょう。
なるほど、当たり前ですがメリットばかりではないんですね。続いて、自社でオンライン展示会を開催する場合はどんなメリットがありますか?
エムタメ!
編集部
井上
自社で開催する形式の展示会は、基本的には自社(が依頼した制作会社等)で制作したサイト上で展示会を行います。そのため、展示会場には競合他社がおらず、コンテンツが埋もれません。
開催期間やデザイン等の制約もなく、すべて自由に決められるので、独自のカラーをしっかり打ち出して自社製品をアピールできます。しっかりと運用すれば、中長期でみたら合同出展型のオンライン展示会よりも成果をあげることが可能にもなるでしょう。
また、展示会用に作成したWebページやコンテンツは自社が保有するため、別のマーケティング施策として転用することも可能です。CMSで編集が可能になっていれば、広告のLPに使ったり、別のイベントに活用することも可能かもしれません。
このように、しっかりと中長期のデジタルマーケティングを実施していくのであれば、合同で出展するオンライン展示会ではなく、自社で開催するオンライン展示会に軍配が上がると考えています。
エムタメ!
編集部
井上
そうですね。
ただし、こちらもデメリットはあって、初めて開催する際にはWebページの構築からスタートするので、ノウハウのない企業にとっては大きなコストや労力がかかります。
Web構築の他にも企画やコンセプト作り、動画編集、宣伝まで幅広い準備が必要となり、来場者のトラブルに対する迅速な対応も求められます。専門サービスに外注する方法もありますが、ある程度は金銭的負担が大きくなることは留意しておかなければなりません。
とはいえ、プラットフォームを活用する際にもコストはそれなりにかかります。結局は自社にとっての最適がどれなのか、判断が必要になります。
エムタメ!
編集部
井上
まず大前提として大切なのは、全体設計と施策の目的を明確にすることです。
オンライン展示会に限らずですが、マーケティング活動には全体設計が必要です。オフラインの展示会に出展するにも、目標名刺枚数を設定し、その名刺に誰がアプローチして、どうマーケティング活用していくかを考えますよね。リアルの展示会に高い出展費用を払っても出展するのは、それだけの”価値”があるからであって、達成したい目的や目標がそこにあるからです。
これはオンライン展示会でも同じで、マーケティング活動の中で、オンライン展示会を活用してどんな成果を得たいのか、開催後にどうアプローチしていくのかの設計までが必要です。
そのため私が提案をする際にも、オンライン展示会の開催をゴールにするのではなく、その先の商談作りや受注を目標に置いています。これは短期的な商談づくりはもちろん、中長期でも活動も視野に入れてです。
エムタメ!
編集部
井上
そうなんです。気軽に出展できる合同のオンライン展示会も、自社開催する形式のオンライン展示会も、どちらが良い悪いではなく、目的に合わせてどちらが適切なのかを考える必要があります。
ですので、オンライン展示会というパッケージを提案している立場でいうのもなのですが…流行っているからという理由で安易にマーケティング施策を始めるのでは危険です。まずは自社のデジタルマーケティング活動を俯瞰して、必要であれば手段として活用することをお勧めしています。くれぐれも、手段を目的にしないように。
エムタメ!
編集部
井上
ありがとうございます。自分でも良いこと言ったなと思いつつ、今日はこの話をするためにインタビューされにきたようなものですからね。
「Cloud CIRCUS for Showroom」は自社開催型のオンライン展示会で、リードの獲得だけではなくしっかり商談を作るところまでを支援できるパッケージです。3Dや最新技術などの派手な演出はないものの、ユーザーにとって使いやすいUIと、獲得したリードを成果に繋げるための機能が備わったパッケージになっています。
下記が、主に支援できる領域やサービスと画面イメージです。
他のオンライン展示会と比較した大きな特徴は、デジタルマーケティングの全体設計からオンライン展示会の運用までを一気通貫で考えていくところです。弊社内に既にあるシステムやノウハウをもとに支援を行うので、開発費やインフラも抑えることもできていて、その分の工数をお客様のマーケティング支援に割くことができます。
エムタメ!
編集部
井上
その通りです。CMS「BlueMonkey」を使えばWebページも専門知識なしで簡単に更新できますし、MAツールの「BowNow」も国産MAの中ではトップシェアのツールで、多くの企業様に活用いただいています。もちろんツールだけでは成果にはつながらないので、運用のためのサポート(カスタマーサクセス)はしっかり備えています。
ツールと支援、そして弊社自身のノウハウをベースとしたオンライン展示会を開催することで、商談数を増やすことが可能なのです。
そもそもですが「オンライン展示会」を特別なものとして考えるのではなく、これまで通りのWebマーケティング施策として捉えれば、全体設計から開催後の中長期施策まで、やることはそう変わりません。
もともとそこをトータルで支援できるのが私たちの強みなので、成果につなげるイメージしかありません!
エムタメ!
編集部
井上
私も10年以上Webマーケティングの提案をしていますので!お任せください。
よければオンライン展示会の概要資料だけでもダウンロードしていってください。オンライン展示会の基礎知識から、Cloud CIRCUS for Showroomの概要も記載しています。
概要資料:
「オンライン展示会の基礎とCloud CIRCUS for Showroomのご紹介」
ちなみにこのオンライン展示会パッケージは『展示会主催者様向けのプラン』もございます。これまでオフラインのイベントしか開催してこなかった方や、多くの取引先を持つ商社の方などがオンラインで合同展示会を開くことも可能です。ぜひお気軽にご連絡ください。
エムタメ!
編集部
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は2021年9月に公開予定です。乞うご期待ください!!
文・編集・写真:小木曽一馬
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これまで2,200社以上のマーケティングに携わったノウハウを活かして、この度BtoB企業の為のマーケティングハンドブックを作成しました。