Web広告代理店の選び方|媒体で分かれる得意分野と、1社にまとめるかの判断軸

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Web広告の代理店は、どこも同じ業務を同じ品質でこなしているわけではありません。検索広告に強い会社、SNSの運用に強い会社、動画のクリエイティブまで内製している会社と、得意な媒体が分かれています。運用手数料は広告費の20%でほぼ横並びなので、見るべきなのは料率ではなく、自社が使う媒体とその会社の得意分野が重なっているかどうかです。

この記事では、媒体ごとに代理店の強みがどう分かれるのか、依頼先を1社にまとめる場合と媒体ごとに分ける場合で何が変わるのか、そして契約の前に自社側で決めておくべきことを整理します。特定の会社を順位づけしたランキングは載せず、自社の条件で絞り込むためのチェックリストの形にまとめました。

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  • どの媒体から始めるかが決まっていない段階では、代理店を比べる前に媒体そのものの性質を並べて見たほうが早く判断できます。主要なWeb広告サービスの特徴を1枚の比較表にまとめた資料です。

     

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1.Web広告代理店とは|どこまでを代行してもらえるのか

Web広告代理店とは、企業に代わってインターネット上の広告を出稿し、配信後の数字を見ながら調整していく会社です。扱う媒体はGoogle広告やLINEヤフー広告だけでなく、Meta(Facebook・Instagram)、X、TikTok、YouTube、各種のアドネットワークまで広がっています。

「代行してもらえる範囲」は会社ごとに差が大きく、ここを確認しないまま契約すると、配信が始まってから「それは別料金です」という会話が発生します。先に業務を3つの時間軸に分けて、どこを任せたいのかを言語化しておくと、見積もりの比較がしやすくなります。

1-1.出稿前・配信中・配信後の3つに分かれる

代理店の業務は、配信を始めるまでの準備、配信しているあいだの調整、結果を読み取って次を決める作業の3つに分けられます。

時期 主な業務 任せたときに自社側に残る作業
出稿前 媒体の選定、アカウントの構造設計、ターゲットの設定、クリエイティブの方針づくり、計測の設定 商材情報の提供、訴求の可否判断、素材の支給
配信中 入札や予算配分の調整、配信面の精査、広告文やバナーの差し替え、審査への対応 差し替え案の承認、表現のリスク確認
配信後 レポートの作成、要因の整理、次月の配信方針の提案 予算の増減判断、撤退の判断

この表で見てほしいのは右端の列です。全面的に外注しても、承認と意思決定は自社側に残ります。「丸投げできる」と考えて社内の担当を置かないでいると、差し替え案が止まったまま配信だけが続く、という状態になりがちです。

1-2.媒体が増えると実務の量が変わる

同じ「広告運用」でも、媒体の数が増えると作業の性質が変わります。1媒体なら数字の確認は1画面で済みますが、3媒体になると管理画面を3つ開き、指標の定義の違いを吸収したうえで統合する手間が発生します。

たとえばコンバージョンの計測期間や、動画の再生を何秒から1回と数えるかは媒体ごとに異なります。この差を揃えずに合算すると、媒体間の比較が成り立ちません。複数媒体を扱う代理店に依頼する価値のひとつは、ここを揃えた状態でレポートが出てくることにあります。

逆に言えば、1媒体しか使っていない段階では、この統合作業に対して手数料を払う意味は小さくなります。媒体の数は、代理店に求める役割そのものを変える条件です。

1-3.標準の対応範囲に入りにくい業務

公開されているサービス内容を見ていくと、次の業務は標準に含まれないか、別見積もりになっていることが多い領域です。

このうち実務でいちばん詰まるのがランディングページです。広告側の調整が尽きた後に残る改善余地は遷移先にありますが、そこを動かす権限と予算が代理店の契約範囲の外にあると、提案を受け取ったまま何か月も動かせません。4章で費用の面から改めて扱います。

2.Web広告の種類と、代理店ごとに得意分野が分かれる理由

電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)で、このうちインターネット広告費が4兆459億円、構成比50.2%と初めて半分を超えました。インターネット広告媒体費は3兆3,093億円(前年比111.8%)で、そのうち運用型広告が2兆9,352億円、構成比88.7%を占めています。

同じ調査では、検索連動型広告がインターネット広告媒体費の構成比38.7%で最大とされています。つまり市場の重心は検索広告にありますが、残りの6割はディスプレイ・SNS・動画などに分散しています。代理店の得意分野が分かれるのは、この6割の側で求められる技能が検索広告とまったく違うためです。

ここからは主要な媒体を順に見ていきます。自社の商材がどこに当てはまるかを考えながら読むと、6章のチェックポイントで絞り込みやすくなります。

2-1.リスティング広告(検索連動型)

ユーザーが検索した語句に合わせて、検索結果の上部などに表示されるテキスト広告です。すでに課題を自覚して検索している人に当たるため、問い合わせや購入につながりやすいのが特徴になります。

この媒体で成果を分けるのは、キーワードの選び方と、無駄な表示を止める除外の設計、そして広告文の作り分けです。2026年10月時点のGoogle広告では、レスポンシブ検索広告に見出しを最大15本(1本あたり半角30文字)と説明文を最大4本(1本あたり半角90文字)まで登録でき、検索結果に出るのは通常、見出し3本と説明文2本という組み合わせになります。登録した素材の組み合わせから媒体側が選ぶ仕組みなので、素材の幅をどう設計するかが運用者の腕の見せどころになります。

マッチタイプも2026年10月時点で3種類に整理されています。インテント マッチ(旧・部分一致)、フレーズ一致、完全一致の3つで、かつての絞り込み部分一致はすでに廃止されました。この前提を踏まえずに古い構造のまま運用されているアカウントは珍しくないため、商談では現行のマッチタイプ構成をどう考えているかを聞くと力量が見えます。

検索市場の内訳も押さえておくと媒体の優先順位を決めやすくなります。StatCounterの「Search Engine Market Share Japan」2026年9月のデータでは、Googleが59.27%、Bingが31.41%、Yahoo!が7.61%です。

※Bingの数値には、WindowsやEdgeの既定の検索エンジンとして発生した検索が含まれます。能動的に選ばれた検索とは性質が異なるため、この比率をそのまま広告の出稿先の配分に置き換えることはできません。実際の効果は自社の商材で検証したうえで判断してください。

2-2.ディスプレイ広告

Webサイトやアプリの広告枠に、バナーやテキストで表示される広告です。まだ商材を知らない層にも届くため、認知の拡大や、一度サイトを訪れた人への再訪促進に使われます。

検索広告と大きく違うのは、ユーザーが広告を求めていない状態で接触する点です。そのため、どの面に出すか、どの属性に当てるか、どんなビジュアルで止めるかという設計が成果を左右します。キーワードの技術よりも、配信面の精査とクリエイティブの検証回数が効いてくる領域です。

代理店を見るときは、バナーの制作本数と差し替えの頻度を聞いてください。ディスプレイは同じ素材を出し続けると反応が落ちていくため、素材を供給し続けられる体制があるかどうかが実務上の差になります。制作を外部に回している会社の場合、差し替えのたびに時間と費用がかかります。

2-3.SNS広告

Meta(FacebookとInstagram)、X、LINE、TikTokといったプラットフォーム上に配信する広告です。プラットフォームが持つ利用者の属性や関心のデータを使って、細かいターゲティングができます。

この領域で分かれるのは、プラットフォームごとの作法に合わせられるかどうかです。縦型の動画が前提の面と、画像1枚で成立する面では、作るべき素材がまったく違います。さらに、広告らしさが強いと滑る面と、作り込まれた素材のほうが伸びる面があり、その判断は媒体ごとの配信経験でしか埋まりません。

「SNS広告に対応しています」と書かれていても、実態がMetaだけという会社もあります。自社が使いたいプラットフォーム名を具体的に挙げて、直近1年の運用実績があるかを確認するのが確実です。

2-4.動画広告

YouTubeをはじめとする動画の再生前後や途中に流れる広告です。商材の使い方や雰囲気を伝えやすく、文字では説明が長くなる商材に向いています。

動画広告の難しさは、運用と制作が分かちがたい点にあります。配信データを見て「冒頭で離脱されている」と分かっても、直すには編集の手が要ります。制作を内製している会社と、運用だけを請け負う会社では、改善の回転速度がまったく違います。

動画を軸に据えるなら、代理店の体制として編集者が社内にいるかを確認してください。配信の調整だけを任せる前提なら、制作側の体制は別に用意しておく必要があります。

2-5.アフィリエイト広告・ネイティブ広告

アフィリエイト広告は、成果が発生したときだけ費用が発生する形式です。広告費の予測が立てやすい一方、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)との関係づくりや、掲載元の記事の内容を管理する業務が加わります。表現の管理を怠ると、意図しない訴求で掲載されるリスクがあるため、監視の体制を持っている会社かどうかが問われます。

ネイティブ広告は、メディアの記事一覧に溶け込む形で表示される広告です。クリックはされやすいものの、期待と中身が離れていると離脱が増えます。記事型のコンテンツを書ける体制があるかが、対応力の分かれ目です。

この2つは、検索広告やSNS広告とは必要な技能の重なりが小さい領域です。総合的に扱える会社は限られるため、ここを使う予定があるなら最初の問い合わせ時点で確認しておくほうが早く進みます。

2-6.なぜ同じ「Web広告」で強みが分かれるのか

媒体ごとに強みが分かれるのは、成果を動かすレバーが媒体によって違うからです。検索広告はキーワードと広告文、ディスプレイは配信面とバナー、SNSはターゲティングとプラットフォーム適合、動画は編集。同じ運用者が全部を高い水準でこなすのは現実的ではありません。

媒体 主な役割 成果を動かす主なレバー 代理店に求められる体制
リスティング広告 顕在層の刈り取り キーワード設計・除外・広告文の組み合わせ 検索語句を読み込む運用者
ディスプレイ広告 認知拡大・再訪促進 配信面の精査・バナーの差し替え バナー制作を回せる体制
SNS広告 潜在層への接触 ターゲティング・プラットフォーム別の表現 媒体ごとの配信実績
動画広告 理解の促進・認知拡大 冒頭の設計・編集の速さ 社内に編集者がいるか
アフィリエイト広告 成果連動での獲得 ASPとの関係・掲載表現の管理 掲載内容を監視する担当

自社の広告を1媒体で完結させるのか、複数を組み合わせるのかが決まると、見るべき代理店の範囲が一気に狭まります。媒体構成を先に決めてから代理店を探す順序にすると、比較の軸がぶれません。

3.Web広告代理店に依頼するメリットとデメリット

外注の判断は、得られるものと手放すものを並べてから決めるのが確実です。ここでは媒体をまたいだ運用を前提に整理します。

3-1.依頼して得られること

媒体ごとの最新仕様に追従してもらえる

Web広告の管理画面と機能は頻繁に更新されます。マッチタイプの名称変更や、キャンペーンタイプの統廃合、自動入札の仕様変更などが、各媒体で並行して進みます。これを自社の担当者が複数媒体ぶん追い続けるのは負担が大きく、追えないまま古い設定が残ります。日常的に複数のアカウントを触っている運用者であれば、変更が入った時点で影響の有無を判断できます。

配信の立ち上がりが早い

初めて出稿する媒体では、アカウントの作成、審査の通し方、計測の設定といった最初の壁があります。経験のある会社に任せれば、この立ち上げ期間を短縮できます。期間限定の販促など、開始日が決まっている施策では効きます。

媒体をまたいだ配分を一元的に見てもらえる

複数媒体を使っていると、どこに予算を寄せるかという判断が毎月発生します。全体を見ている担当がいれば、成果の鈍った媒体から伸びている媒体へ予算を移す提案が出てきます。社内で媒体ごとに担当が分かれていると、この横断の判断が誰の仕事でもなくなりがちです。

3-2.依頼すると失うもの

媒体を増やすほど手数料の総額が膨らむ

料率制の場合、手数料は広告費に連動します。媒体を増やして総広告費が上がると、そのぶん手数料も増えていきます。媒体を1つ足すという判断は、同時に手数料を足す判断でもあります。

どの媒体に注力しているかが見えにくい

1社にまとめて任せていると、社内の工数がどの媒体にどれだけ割かれているかは外からは見えません。報告されるのは結果の数字だけです。成果の出ていない媒体が放置されていても、レポート上は「配信中」としか書かれないことがあります。

判断の理由が社内に残らない

なぜその媒体を止めたのか、なぜその訴求に寄せたのか、という判断の過程は代理店側に蓄積されます。契約が終わると、残るのは過去のレポートだけです。将来的に内製へ寄せたい会社にとっては、この部分が長期的な損失になります。

遷移先の改善まで届かない

広告の数字が整っても問い合わせが増えない場合、原因は遷移先のページ側にあります。ところが多くの契約では、ページの改修は範囲外です。広告側だけで打ち手を続けると、クリックの単価だけが上がっていきます。

4.Web広告代理店の費用相場|手数料20%と、その外側にかかる費用

費用の全体像を把握しておくと、見積もりを受け取ったときに抜けを見つけられます。この章では媒体をまたいだときの考え方に絞って扱い、料率そのものの内訳や総額の試算は専用の記事に譲ります。

4-1.料率は媒体が変わってもほぼ動かない

当方で調査した13社では、料率制を採用している会社の運用手数料はいずれも広告費の20%でした。しかも、この20%は検索広告でもディスプレイでもSNSでも、ほぼ同じ率が提示されます。媒体によって運用の難しさは違うのに、料率は分かれていないというのが実情です。

そこに加えて、多くの会社が下限を設けています。最低手数料は月5万円から20万円、最低出稿額は月30万円から100万円、初期費用は0円から10万円、最低契約期間は1か月から6か月という幅です。料率が横並びなので、実際の絞り込みはこの下限の条件で起きます。

項目 相場の幅 媒体を増やしたときの影響
運用手数料 広告費の20% 総広告費に連動して増える
最低手数料 月5万〜20万円 媒体ごとに契約を分けると各社で発生する
最低出稿額 月30万〜100万円 分散させると各社の条件に届かなくなる
初期費用 0〜10万円 依頼先の数だけ発生する
最低契約期間 1〜6か月 見直しのタイミングが社ごとにずれる

この表の右列が、媒体を分散させるときに効いてくる条件です。5章で改めて扱います。

4-2.手数料の外側で発生する費用

見積書に書かれた手数料だけを見ていると、総額が合わなくなります。実務でよく後から出てくるのが次の費用です。

広告費が月100万円であれば、手数料だけで年240万円になります。ここに素材制作とページ改修が乗ると、年間の総額は見積もりの印象とかなり離れます。商談の段階で「この金額に含まれないものを全部挙げてください」と聞くのが、いちばん早い確認方法です。

4-3.遷移先のページを誰が作るのかが抜けやすい

媒体を複数使うと、この問題は大きくなります。検索広告・ディスプレイ・SNSは、それぞれ訪れる人の温度が違うため、本来は遷移先も分けたほうが成果が出ます。ところが実際には、どの媒体からも同じ1枚のページに流していることが珍しくありません。

分けようとすると制作費が立ちはだかります。ランディングページの制作費は1本25万円から100万円、継続的な改善を依頼する場合は月10万円から15万円という水準です。媒体ごとに1枚ずつ用意すると、広告費とは別に数百万円の予算が必要になります。

結果として、広告費の20%だけを見積もっていた会社は、ページ側に手が回らないまま配信を続けることになります。広告の管理画面で打てる手が尽きた後、成果が止まる原因はほぼここです。配信を始める前に、ページを何枚、誰が、いくらで作るのかを決めておいてください。

※本章の相場は、代理店各社と比較メディアが2026年10月時点で公開している内容から整理した幅です。条件は見直しが入る領域なので、商談に進む段階で各社の現在の金額を確認してください。

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    対応している媒体は現時点でGoogleリスティング広告のみです(今後拡大予定)。ディスプレイ・SNS・動画まで横断して配信したいのであれば、代理店への依頼が向きます。

     

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5.1社にまとめるか、媒体ごとに分けるか

比較記事の多くは「どの会社を選ぶか」だけを扱いますが、実務でもうひとつ決めなければならないのが「何社に頼むか」です。媒体ごとに得意分野が分かれる以上、専門性を取れば依頼先は増え、運用の統合を取れば1社に寄せることになります。

どちらが正しいという話ではなく、自社の媒体構成と広告費の規模で向き不向きが変わります。両方の帰結を先に見ておきましょう。

5-1.1社にまとめたときに起きること

窓口がひとつになるので、やり取りの手間が減ります。媒体をまたいだ予算配分の判断も同じ担当の中で完結し、月次の報告も1本にまとまります。広告の訴求とページの内容を揃える作業も、同じ会社の中なら調整が早く進みます。

一方で、全媒体が同じ水準で運用される保証はありません。検索広告に強い会社にSNSも任せると、SNS側は経験の浅い担当が持つことがあります。そして成果が出ていない媒体があっても、同じ会社から報告を受けるかぎり、その媒体だけを切り離して評価するのが難しくなります。

対処としては、契約前に媒体ごとの実績を分けて聞くことです。「複数媒体に対応」とまとめて言われたときに、媒体名を挙げて直近の運用社数を確認すると、得意不得意が見えてきます。

5-2.媒体ごとに分けたときに起きること

それぞれの媒体に強い会社を選べるので、運用の精度は上がりやすくなります。成果が出ない媒体があれば、その媒体の契約だけを見直せるのも利点です。社内に複数の運用者の視点が入ることで、提案の比較もできます。

ただし、分散には実務上の負担がついてきます。

最後の2つは見落とされがちです。広告費を月60万円と月40万円に分けて2社に依頼した場合、どちらも最低出稿額に届かないことがあります。届いたとしても最低手数料が2社ぶん発生し、合計の負担率は20%を超えます。分散はコスト効率と引き換えに専門性を買う選択だと理解しておいてください。

5-3.分け方を決める3つの条件

条件 1社にまとめる 媒体ごとに分ける
月の総広告費 100万円未満 各媒体が単独で最低出稿額に届く規模
媒体の数 2つまで 3つ以上で、うち1つ以上が主力
社内の管理工数 統合作業に時間を割けない レポートを統合する担当を置ける
遷移先ページの管理 代理店側に寄せたい 自社または制作会社が一括で持つ
見直しの単位 全体を同じ時期に見直す 媒体ごとに入れ替えたい

この表で「分ける」側に2つ以上当てはまらないのであれば、まとめたほうが管理コストに見合います。分けると決めた場合は、ページの整合を誰が見るのかを最初に決めてください。ここが空席になると、媒体ごとに訴求がばらけたまま広告費だけが積み上がります。

6.失敗しないWeb広告代理店の選び方|7つのチェックポイント

依頼先を絞り込む段階で確認する項目です。この記事では特定の会社を推す順位表は載せていません。適した会社は自社の媒体構成と広告費の規模で変わるため、順位ではなく条件で絞るほうが外しにくいからです。商談でそのまま質問できる形にしました。

商談で確認したい7項目

この7つのうち、媒体別の実績を聞く項目がこの記事の軸にあたります。「Web広告全般に対応」という説明だけで判断すると、2章で見たとおり媒体ごとに必要な技能が違うため、主力媒体で経験の浅い担当が付くことがあります。媒体名を具体的に挙げて実績の件数を聞くと、対応表の○の意味が分かります。

レポートの定義を聞く項目も、複数媒体を使うなら外せません。コンバージョンの計測期間や動画の再生の数え方が媒体ごとに違うため、合算の方法を決めずに数字を並べると、媒体間の比較が成り立たなくなります。

名義の確認は、解約時にデータを引き継げるかを分ける論点です。詳しい扱いは別の記事で整理しているので、ここでは「新規で始めるなら自社名義で開設して運用権限を渡す形が安全」という結論だけ押さえてください。

7.目的・予算別の選び分け

チェックポイントで絞り込む前に、自社がどの枠に入るかを確かめておくと候補の数を減らせます。目的と予算の2つの切り口で見ていきます。

7-1.目的から絞る

目的 軸になる媒体 代理店に求めること
問い合わせ・資料請求を増やしたい リスティング広告 検索語句の精査と除外の設計、広告文の作り分け
ECの売上を伸ばしたい リスティング広告+ショッピング広告 商品フィードの整備と、在庫連動の運用
一度訪れた人を呼び戻したい ディスプレイ広告 配信面の精査とバナーの差し替え体制
まだ知られていない商材を広めたい SNS広告・動画広告 プラットフォーム別の表現と、編集の速さ
費用を成果に連動させたい アフィリエイト広告 ASPとの関係と、掲載表現の監視

目的が複数ある場合は、優先順位をつけてから当てはめてください。問い合わせの獲得と認知の拡大を同時に求めると、評価の指標が混ざって良し悪しを判断できなくなります。最初の3か月で何を増やしたいのかを1つに決めると、代理店側も提案を作りやすくなります。

7-2.予算から絞る

広告費の規模は、候補に入る会社の数を直接左右します。目安は次のとおりです。

月の広告費 現実的な選択肢 注意点
20万円未満 自社運用、またはツールの活用 最低出稿額に届かず、候補がほとんど残らない
20万〜50万円 最低出稿額を設けていない会社、または定額制 最低手数料が効いて実質の負担率が上がる
50万〜100万円 1社にまとめて依頼 媒体を分散させると各社の条件に届かない
100万〜300万円 1社集約と媒体分散のどちらも成立 管理工数を社内で負担できるかで決める
300万円以上 媒体ごとの分散、または料率以外の体系の交渉 料率制のままだと支払う手数料そのものが大きく膨らむ

月300万円を超える規模では、料率制より定額制のほうが安くなることがあります。広告費が増えても作業量が同じ比率で増えるとは限らないためです。この規模なら、料率ではない計算方法を出してもらえないか打診する余地があります。

逆に月20万円を下回る規模では、候補そのものが少なくなります。この帯では代理店を探すより、自社で運用する体制をどう作るかを先に考えたほうが前に進みます。9章で扱います。

8.代理店に依頼する前に自社で決めておくこと

商談に入る前に自社側で固めておくと、提案の質が変わります。決まっていない状態で問い合わせると、各社が違う前提で見積もりを作るため、比較できない提案書が並ぶことになります。

8-1.何件の成果をいくらで買いたいのか

成果1件あたりにいくらまで出せるか、月に何件欲しいか。この2つが決まっていないと、提案に対する良し悪しの判断ができません。

決め方は、商材の粗利から逆算するのが基本です。1件の成約で得られる粗利と、問い合わせから成約に至る割合が分かれば、問い合わせ1件に出せる上限が出ます。この数字を商談で先に共有すると、各社が同じ土俵で予算配分を組み立ててくれます。

数字が社内にない場合は、過去の受注実績から概算で置いてかまいません。配信後に実測で置き換えていけば済みます。何も決めずに「とりあえず月50万円で」と伝えるのがいちばん比較しにくくなります。

8-2.成果の計測が動いているか

フォームの送信や電話のタップを、広告の成果として計測できる状態になっているかを確認してください。計測が動いていないと、どの媒体のどのキーワードが効いたのかが分からず、運用者は入札を調整する根拠を持てません。

サイト側の改修が必要な場合は、誰がいつ対応するかを先に決めておきます。ここが止まったまま配信を始めると、最初の1〜2か月の広告費が検証に使えないまま消えます。

媒体を複数使う予定なら、計測の基準を揃える話も同時に進めてください。どの時点を1件と数えるかが媒体ごとに違う状態で配信を始めると、後から揃え直す手間が発生します。

8-3.広告アカウントを誰の名義で作るか

代理店の名義で開設されたアカウントは、契約が終わったときに引き継げないことがあります。そうなると、積み上げてきた配信の履歴も、学習が進んだ入札の状態も手元に残らなくなります。これから開設するなら、自社側のアカウントで作ったうえで代理店を運用者として招待する形にしておくと、依頼先の変更や内製への移行で困りません。

9.代理店に頼まないという選択肢

ここまで外注を前提に書いてきましたが、媒体が1つに絞れている場合は、ツールを使って自社で回す選択肢が現実的になります。媒体をまたいだ配分の判断が不要なら、代理店に払う手数料の多くは使い道がないためです。

9-1.広告運用ツールの料金体系

広告運用ツールの料金は、月額定額型が月2万円から30万円、広告費連動型が広告費の3%から20%、初期設定費用が0円から10万円という幅にあります。広告費連動型であれば、代理店の20%より低い率に収まる製品があります。

たとえばShirofuneは、セルフ運用プランが広告費×5%、サポートプランが広告費×5%+月10万円という体系を公開しています。広告AIエージェントのCIRCUS Adsは、月額広告費20万円以上で広告費の5%、20万円未満の場合は月額10,000円。初期費用0円、月額のツール費用も基本0円で、最低契約期間が3か月、最低出稿額の設定はありません。

CIRCUS Adsの特徴は、AIと対話しながらランディングページを組み立て、その続きで広告キャンペーンまで作り、自社が持つGoogle広告のアカウントへ受け渡せる点にあります。4章で触れたとおり、ページの制作費は1本25万円から100万円かかる領域です。ここを手数料の内側に収められると、総額の構造が変わります。

実行の流れは5段階に分かれています。はじめに目的と予算を設定し、ヒアリング、LPの編集、キーワードの選定、広告文の設定と進みます。最初のステップで目的と予算、狙うコンバージョン数を入れると試算が返ってくるため、出稿する前にその予算で成り立つかどうかを見極められます。

※ツールの料金は、各社が公開している情報(2026年10月時点)をもとに整理しています。プランの内容は変更されることがあるため、申し込み前に各社の最新情報を確認してください。

9-2.ツールに向く会社・向かない会社

ツールが肩代わりするのは手を動かす部分までで、何を選ぶかの部分は残ります。どの訴求を主軸に置くか、どの語句を止めるか、どこで引き上げるか。こうした判断には商材そのものへの理解が要るため、社内の仕事として残り続けます。

条件 ツールで自社運用 代理店に依頼
使う媒体の数 1つに絞れている 3つ以上を横断する
社内で確保できる時間 週2〜3時間 ほぼ不要
改善の反映 その場で変えられる 依頼してから反映まで数日
ノウハウ 社内に残る 社外に残る
遷移先ページ ページ作成機能を持つ製品なら同じ料金内 別見積もりになりやすい

CIRCUS Adsについて先に書いておくと、連携できるのは現時点でGoogleリスティング広告のみです(今後拡大予定)。ディスプレイ・SNS・動画まで組み合わせて配信したい場合や、社内で週に2〜3時間の確認時間すら作れないのであれば、代理店へ任せたほうが結果は出やすくなります。月の広告費が300万円を超え、専任の担当者が常に付く体制を求めている場合も同じです。

媒体が1つに絞れていて、週に数時間の確認時間を確保でき、ページの改善まで自社で回したい。この3つが揃う会社であれば、手数料の差額が年単位で効いてきます。

10.Web広告代理店に関するよくある質問

Web広告代理店の手数料の相場はいくらですか?

広告費の20%が目安です。当方で調査した13社では、料率制を取る会社はいずれも20%でした。検索広告でもSNS広告でも、提示される率はほとんど変わりません。この料率とは別に、初期費用として0〜10万円、最低手数料として月5万〜20万円が設定されていることがあります。

Web広告代理店のランキングを教えてください

順位をつける形はとっていません。どの会社が合うかは自社の媒体構成と広告費の規模で入れ替わるため、同じ会社への評価も読む人によって反転するからです。検索広告が主力の会社と、SNS広告が主力の会社では、見るべき実績がまったく違います。6章のチェックポイントで、自社の条件に合うかを確かめてください。

Web広告の媒体は、どれから始めればよいですか?

すでに検索されている商材であれば、リスティング広告から始めるのが基本です。検索している人は課題を自覚しているため、少ない配信量でも成果の有無を判断しやすくなります。名前が知られていない新しいカテゴリの商材は検索されないため、SNS広告や動画広告から接触を作るほうが向いています。

複数の媒体を使う場合、1社にまとめるべきですか?

月の総広告費が100万円未満であれば、まとめたほうが管理の負担に見合います。分けると最低手数料と最低出稿額が依頼先の数だけ発生し、合計の負担率が上がるためです。3媒体以上を使い、各媒体が単独で各社の最低出稿額に届く規模であれば、分散して専門性を取る選択が成立します。

代理店に依頼すれば、ランディングページも作ってもらえますか?

標準の対応範囲に含まれないことが多く、別見積もりになるのが一般的です。制作費は1本25万円から100万円、継続的な改善を依頼する場合は月10万円から15万円という水準です。広告費の20%だけで予算を組んでいると、ここで総額が合わなくなります。

契約期間の途中で代理店を変えられますか?

最低契約期間が1か月から6か月の範囲で設定されていることが多く、期間内の解約には条件が付くのが通例です。あわせて確認したいのが広告アカウントの名義で、代理店の名義で開設されている場合は配信データを引き継げないことがあります。

媒体ごとに違う代理店へ依頼しているとき、レポートはどうなりますか?

各社がそれぞれの形式で提出するため、全体像をつかむには自社で統合する作業が発生します。コンバージョンの計測期間や動画の再生の数え方が媒体ごとに違うため、定義を揃えずに合算すると媒体間の比較が成り立ちません。分散させる場合は、統合を担当する人を社内に置いてください。

月10万円程度の広告費でも引き受けてもらえますか?

最低出稿額を月30万円から100万円に設定している会社が多いため、候補は限られます。契約できた場合でも最低手数料が適用され、実質の負担率が高くなります。この規模では、ツールを使って自社で運用する方法を先に検討したほうが広告費を配信に回せます。

11.まとめ|媒体構成が決まれば、依頼先は絞り込める

Web広告代理店の運用手数料は、媒体を問わず広告費の20%でほぼ揃っています。料率で比べても差はつきません。差がつくのは、自社が使う媒体でその会社に実績があるかどうか、そして手数料の外側にどれだけの費用が乗るかです。

検索広告はキーワードと広告文、ディスプレイは配信面とバナー、SNSはプラットフォーム別の表現、動画は編集の速さ。レバーが違う以上、同じ会社が全部を高い水準でこなすとは考えないほうが安全です。媒体名を挙げて直近の実績を聞けば、対応表の○がどこまで実態を伴っているかが見えてきます。

そのうえで決めるのが「何社に頼むか」です。総広告費が月100万円未満なら1社にまとめたほうが管理コストに見合い、3媒体以上で各媒体が単独で条件に届く規模なら分散して専門性を取れます。分散する場合は、レポートの統合と遷移先ページの整合を誰が見るのかを先に決めてください。

そして媒体が1つに絞れているなら、そもそも外注しないという道があります。週に2〜3時間の確認時間を確保でき、ページの改善まで自社で回したいのであれば、ツールで内製する選択肢が手数料の面でも速度の面でも効いてきます。自社の媒体構成を先に固めることが、どの道を選ぶにしても出発点になります。

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  • CIRCUS Adsは、AIと対話しながらランディングページと広告キャンペーンを組み立て、自社が持つGoogle広告のアカウントへ受け渡して配信まで進められる広告AIエージェントです。料金は月額広告費が20万円以上なら広告費の5%、20万円未満なら月額10,000円。初期費用はかからず、月額のツール費用も基本0円です。最低契約期間は3か月、最低出稿額の設定はありません。クレジットカードの登録も書類の提出も不要で始められます。

    対応媒体は現時点でGoogleリスティング広告のみ(今後拡大予定)のため、複数媒体を横断して配信したい場合は代理店への依頼が向きます。

     

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