Google広告とは、Google検索・YouTube・Gmail・Discover・提携サイトなどに広告を配信できる、Googleの広告サービスです。キャンペーンタイプは7種類あり、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・デマンドジェネレーション・ショッピング広告・アプリキャンペーン・P-MAXに分かれます。どこに出すか、何を目的にするか、何を用意する必要があるかが、この7つで違います。
この記事では7種類の特徴とメリット・デメリットを並べたうえで、多くの解説記事が触れていない点まで踏み込みます。月10万円・月30万円・月100万円という予算規模ごとに、どの種類から始めるか。そして種類ごとに最低限そろえなければ配信できない準備物は何か。目的だけで選ぶと、予算に対して手を広げすぎた状態になりやすいためです。
Google広告の7種類を見比べたうえで、Google以外の媒体も含めて検討したい方向けに、主要なWeb広告サービスを1つの表にまとめました。
Google広告は、1つのアカウントからGoogleの各サービスとその提携先に広告を配信できるサービスです。配信できる場所は検索結果だけではありません。YouTubeの動画再生前後、Gmailのプロモーションタブ、スマートフォンのDiscoverフィード、Googleマップ、そしてGoogleと提携しているニュースサイトやブログ、スマートフォンアプリの広告枠まで含まれます。
「Google広告=検索結果に出るテキスト広告」という理解をしている方は多いのですが、それは7種類あるうちの1つです。どの配信面に、どんな形式(テキスト・画像・動画・商品情報)で出すかを決めるのが、キャンペーンタイプの選択にあたります。この記事の2章以降で扱う「種類」とは、このキャンペーンタイプのことを指します。
Google広告の管理画面の見方|最初に見るべき指標はどこにあるか
Google広告に出稿するための固定の掲載料はありません。掲載の枠と順番は、広告が表示されるたびに行われるオークションで決まります。オークションで比較されるのは入札単価だけではなく、広告の品質も同時に評価されます。品質が高ければ、入札単価が競合より低くても上に表示されることがあります。
課金の起点は種類で違います。検索広告とショッピング広告はクリック課金、ディスプレイ広告は表示回数に対する課金も選べ、動画広告は視聴課金です。同じ1万円でも、クリック数を買うのか視聴回数を買うのかで意味が変わります。種類を横並びで比べるときは、この違いを先に押さえてください。
検索する言葉としてよく混ざるのが「Google広告」「リスティング広告」「Googleアドワーズ」の3つです。この3つは同じものを指しているわけではありません。
| 言葉 | 指しているもの |
|---|---|
| Google広告 | Googleが提供する広告サービス全体の名称。7種類のキャンペーンタイプを含む |
| リスティング広告 | 検索結果に出る広告の呼び方。Google広告では「検索広告」がこれにあたる。LINEヤフーのYahoo!広告の検索広告も含む言い方 |
| Googleアドワーズ | Google広告の旧名称。現在は使われていない |
つまりリスティング広告は媒体の名前ではなく、広告の形式を指す言い方です。Google広告の中の1種類であると同時に、Yahoo!広告にも同じ形式があります。「リスティング広告をやりたい」という相談は、多くの場合「Google広告の検索広告から始めたい」という意味で使われています。
Google広告のキャンペーンタイプは7種類です。まず全体を1つの表で見てから、3章以降で1つずつ見ていきます。
| 種類 | 主な配信面 | 主な目的 | 主な課金方式 |
|---|---|---|---|
| ①検索広告 | Google検索の結果画面 | 今すぐ探している人の獲得 | クリック課金 |
| ②ディスプレイ広告 | 提携サイト・アプリ、Gmailなど | 認知拡大・再訪の促進 | クリック課金/インプレッション課金 |
| ③動画広告 | YouTube、提携サイト | 認知拡大・興味の喚起 | 視聴課金/インプレッション課金 |
| ④デマンドジェネレーション | YouTube、Discover、Gmail、提携面 | 需要の掘り起こし | クリック課金/視聴課金 |
| ⑤ショッピング広告 | Google検索、ショッピングタブ | EC商品の販売 | クリック課金 |
| ⑥アプリキャンペーン | Google Play、検索、YouTube、提携アプリ | アプリのインストール獲得 | クリック課金など |
| ⑦P-MAX | 上記すべての面を横断 | 成果の最大化を自動で狙う | クリック課金など |
この7つの並び順には意味があります。上にいくほど買う意思が固まっている人に届き、下にいくほど自動化の範囲が広くなります。検索広告は「探している人」にだけ届く代わりに届く人数が限られ、P-MAXは配信面をすべて使う代わりに、どこで何が起きたかが見えにくくなります。
種類の数と名称は変わる頻度が高い部分です。過去には「ファインド広告」がデマンドジェネレーションに置き換わり、スマートアシストキャンペーンのように扱いが変わったものもあります。他社の解説記事で7種類と8種類に分かれているのは、この過渡期の名称をどう数えるかの違いによるものです。
※本記事の分類は2026年9月時点のGoogle広告ヘルプ「適切なキャンペーンタイプを選択する」および各キャンペーンタイプの解説ページに基づいています。キャンペーンタイプの名称と数は変更される場合があります。本記事を読んだ時点の分類と一致しているか、出稿前に管理画面の選択肢で確認してください。
検索広告は、ユーザーがGoogleで検索したキーワードに対して、検索結果画面の上部または下部にテキストで表示される広告です。見出しと説明文、遷移先のURLで構成され、表示位置には「スポンサー」という表記が付きます。
表示されるかどうかは、登録したキーワードとユーザーが打ち込んだ検索語句が結びつくかで決まります。他の種類は属性や興味関心で「こういう人に見せたい」と指定しますが、検索広告だけは行動そのものを指定できます。
広告の形式としては、複数の見出しと説明文を登録しておき、組み合わせをGoogleが自動で調整するレスポンシブ検索広告が標準です。1本ずつ固定の文面を作るのではなく、素材を渡して組み合わせを任せる形になっています。
最大のメリットは、購入や問い合わせに近い段階の人に絞れることです。「〇〇 料金」「〇〇 比較」と検索している人はすでに選ぼうとしており、少ない予算でもコンバージョンにつながりやすくなります。止めればその日から表示が消える即時性も特徴です。
デメリットは2つあります。1つは、検索されていない需要には届かないこと。まだ課題を自覚していない人や、自社の商品ジャンルを知らない人には出せません。もう1つは、検索数の多いキーワードほど競合も入札しており、クリック単価が上がりやすいことです。
検索広告を配信するために最低限そろえる必要があるのは、次の3つです。
除外キーワードも準備物に数えてください。「無料」「求人」「とは」など、コンバージョンにつながりにくい検索語句をあらかじめ外しておかないと、予算が目的外のクリックに流れます。配信開始後に検索語句レポートを見て追加していく作業も、運用の中心的な仕事の1つです。
ディスプレイ広告は、Googleと提携しているWebサイトやアプリの広告枠に画像やテキストで表示される広告です。Googleディスプレイネットワークの頭文字からGDNと呼ばれ、記事横のバナーやアプリ下部の帯、Gmailのプロモーションタブが該当します。
配信先の枠は膨大です。株式会社メディックスが公開している情報では、提携サイト・アプリは200万以上とされています。検索広告が検索結果という1か所に限られるのに対して、ディスプレイ広告はインターネット上の広い面を使うことになります。
メリットは、検索されていない層にも接触できること、そしてクリック単価が検索広告より低く抑えられやすいことです。まだ自社を知らない人に画像で認知させる用途にも、一度離脱した人を呼び戻す用途にも使えます。
デメリットは、今すぐ買いたいわけではない人に多く表示されるため、コンバージョン率が検索広告より低くなりやすいことです。クリック単価が安くても、1件獲得までの金額で比べると検索広告のほうが効率が良いことは珍しくありません。
※GDNの提携サイト・アプリ数は、株式会社メディックスが公開している情報(2026年9月時点)を参照しています。
ディスプレイ広告では、テキストに加えて画像素材が必要になります。レスポンシブディスプレイ広告では、横長・正方形・ロゴといった複数の比率の画像を登録し、枠のサイズに合わせてGoogleが組み合わせます。
つまり、検索広告の準備物に「画像の制作」が上乗せされる形です。社内にデザイナーがいない場合、ここが着手のハードルになります。既存のバナーや商品写真を流用できるかどうかを、始める前に確認してください。
動画広告は、YouTubeと一部の提携サイトで動画を再生させる広告です。同じ動画広告でも、表示のされ方と秒数の制約がフォーマットごとに違います。
| フォーマット | 特徴 |
|---|---|
| スキップ可能なインストリーム広告 | 動画の再生前後や途中に流れ、一定秒数の後にスキップできる |
| スキップ不可のインストリーム広告 | 最後まで再生される。15秒以内 |
| バンパー広告 | スキップできない短尺の広告。6秒以内 |
| インフィード動画広告 | 検索結果や関連動画の一覧に、サムネイルと文言で表示される |
秒数の制約があるということは、同じ素材を使い回せないということです。60秒の会社紹介動画があっても、バンパー広告には出せません。どのフォーマットを使うかを決めてから、その長さに合わせて動画を作る順番になります。
※スキップ不可インストリーム広告の15秒以内、バンパー広告の6秒以内という秒数は、株式会社メディックスが公開している情報(2026年9月時点)を参照しています。
メリットは、テキストや静止画では伝わらない情報を届けられることです。使い方が複雑な商品や、実演で価値が伝わるものは動画のほうが説明が短く済みます。視聴課金なら、途中でスキップされた分に費用が発生しない設定も選べます。
デメリットは制作の負担です。素材がない状態から始めると、企画・撮影・編集の工程が発生します。外注する場合は費用も期間もかかり、配信を始めるまでの時間が他の種類より長くなります。
動画広告の準備物は、YouTubeにアップロードした動画と遷移先ページです。管理画面に直接アップロードするのではなくYouTubeチャンネルに投稿したものを指定するため、チャンネルがなければその開設から始まります。
加えて、フォーマットごとの秒数に合わせた編集が必要です。1本の素材から6秒版と15秒版を切り出しておくと、フォーマットを試しながら配信できます。
デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube・Discover・Gmailなど、ユーザーが能動的に検索していない場面で接触するキャンペーンタイプです。以前は「ファインド広告」という名称でしたが、置き換わりました。
変わったのは名前だけではありません。配信できる面が広がり、動画とイメージの両方を1つのキャンペーンで扱えるようになっています。株式会社メディックスが公開している情報では、2025年3月にGDNの配信面が追加されたとされています。
位置づけとしては、ディスプレイ広告と動画広告の中間にあたります。「まだ探していないが、見せれば反応しそうな人」を見つけにいくのがデマンドジェネレーションの役割です。名称のとおり、需要を掘り起こすためのキャンペーンタイプという設計になっています。
※2025年3月のGDN配信面追加は、株式会社メディックスが公開している情報(2026年9月時点)を参照しています。
メリットは、視認性の高い面に配信できることです。DiscoverフィードやYouTubeのホーム画面は、ユーザーが自分から開いている場所です。画像と動画を同じキャンペーンで扱えるため、素材ごとに反応を比べることもできます。
デメリットは、ディスプレイ広告と役割が重なることです。同じリマーケティングの対象者に両方から配信すると、予算を食い合った状態になります。どちらを使うかを決めずに両方立てるのは避けたほうが安全です。
準備物はディスプレイ広告に近く、画像素材とテキスト、遷移先ページが必要です。動画を使う場合は、YouTubeにアップロードした動画も指定できます。
ショッピング広告は、検索結果やショッピングタブに、商品画像・商品名・価格・店舗名をセットで表示する広告です。ECサイトを運営している場合に使えます。
他の6種類と違うのは、広告文を作らないことです。表示される内容は、Google Merchant Centerに登録した商品データから自動で生成されます。つまりショッピング広告の準備とは、広告を作る作業ではなく、商品データを整える作業です。
このデータのまとまりを商品フィードと呼びます。商品名・価格・在庫状況・画像URLなどの項目を持ち、在庫や価格が変わったら更新が必要です。ECカートによっては自動で同期できる場合もあります。
メリットは、クリックされる前に商品と価格が見えていることです。写真と金額を見たうえでクリックした人が来るため、検索広告のテキストだけの場合より、購入意向がそろった状態で流入します。複数商品を扱っていても、1商品ずつ広告を作る必要がありません。
デメリットは、価格が比較されやすいことです。同じ検索結果に競合の商品と価格が並ぶため、価格競争力がない商品は不利になります。また、Merchant Centerの審査基準は細かく、送料や返品ポリシーの記載不備でアカウントが止まることもあります。
ECサイトを持っていない事業では、そもそも対象外の種類です。BtoBで問い合わせを取りたい場合や、サービス業で来店を増やしたい場合には使えません。
アプリキャンペーンは、スマートフォンアプリのインストールや、アプリ内での行動を増やすためのキャンペーンタイプです。Google Play、Google検索、YouTube、Discover、提携アプリの広告枠に横断して配信されます。
メリットは設定の手数が少ないことです。アプリのストアページの情報をもとに広告が自動生成されるため、広告文や画像を1つずつ組み立てる工程が省かれます。配信面の選択もGoogleが行うため、面ごとの設計を作り込む必要がありません。
デメリットは、手動で調整できる範囲が狭いことです。配信先の面や広告の組み合わせを細かく指定できないため、成果が伸びないときに打てる手が限られます。また、対象がアプリを持っている事業に限られるため、該当しない企業にとっては検討対象になりません。
必要なのは、App StoreまたはGoogle Playに公開済みのアプリと、ストアページの情報です。加えて、インストール後の行動を計測する場合は、アプリ内の計測設定が必要になります。
P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンは、1つのキャンペーンでGoogle広告のすべての配信面を横断するキャンペーンタイプです。検索結果、ディスプレイ、YouTube、Discover、Gmail、マップ、ショッピングタブが対象になります。
出稿側が行うのは、目標(コンバージョンや売上)と予算の設定、そして素材の登録です。どの面にいくら配分するか、誰に出すかは、Googleの自動入札が判断します。登録した見出し・説明文・画像・動画・ロゴをまとめて渡し、面ごとの組み合わせは任せる仕組みです。
メリットは、設定の手間をかけずに配信面を広げられることです。検索・ディスプレイ・動画を個別に立てると、キャンペーンの数だけ設計と管理が発生します。人手が限られている組織にとって、この省力化は実務的な利点です。
デメリットは、成果が出ても出なくても、その理由が特定しにくいことです。配信面の配分も、どの検索語句で反応があったのかも、通常のキャンペーンほどには開示されません。「今月は良かった」「今月は悪かった」という結果だけが残り、次に何を変えるかの手がかりが得にくくなります。
P-MAXのデメリットは「細かい分析や調整ができない」の一言で済まされがちです。運用する立場で実際に困るのは、次の点です。
特に影響が大きいのが1つ目です。検索広告では検索語句レポートを見て、目的と合わない語句を除外キーワードに追加していきます。この作業は、無駄なクリックを減らす最も直接的な手段です。P-MAXでは検索語句の見え方が限られるため、この改善サイクルを検索広告と同じようには回せません。
そのうえで、P-MAXが向かないわけではありません。向くのは、検索広告で成果の出る形が分かっていて、配信面を広げたい段階です。1本目をP-MAXで始めると、何が効いているのか分からないまま予算だけが動きます。順番の問題として捉えてください。
ここまでの7種類を、1つの表にまとめます。準備物の欄は、これがないと配信できないという最低ラインを書いています。
| 種類 | 目的 | 主な配信面 | 最低限必要な準備物 | 向く商材・事業 |
|---|---|---|---|---|
| ①検索広告 | 顕在層の獲得 | Google検索 | キーワード/除外キーワード/広告文/遷移先ページ | 検索されている商品・サービス全般。BtoBの問い合わせ獲得 |
| ②ディスプレイ広告 | 認知拡大・再訪促進 | 提携サイト・アプリ、Gmail | 画像素材/テキスト/遷移先ページ(リマーケティングはタグ設置) | 検討期間が長い商材。一度離脱した人を呼び戻したい事業 |
| ③動画広告 | 認知拡大・興味喚起 | YouTube、提携サイト | YouTubeにアップロードした動画(秒数別)/遷移先ページ | 実演で価値が伝わる商品。ブランドを知ってもらう段階 |
| ④デマンドジェネレーション | 需要の掘り起こし | YouTube、Discover、Gmail | 画像素材または動画/テキスト/遷移先ページ | 視覚的な訴求が効く商材。既存顧客と似た層を広げたい事業 |
| ⑤ショッピング広告 | EC商品の販売 | 検索、ショッピングタブ | ECサイト/Merchant Centerアカウント/商品フィード | ECサイトを持つ小売。商品点数が多い事業 |
| ⑥アプリキャンペーン | インストール獲得 | Google Play、検索、YouTube | 公開済みアプリ/ストアページ情報 | スマートフォンアプリを提供している事業 |
| ⑦P-MAX | 成果の最大化 | すべての面を横断 | 目標と予算/見出し・説明文・画像・動画・ロゴ一式 | 検索広告で成果の形が見えていて、配信面を広げたい段階 |
この表を縦に見ると、準備物の重さに大きな差があることが分かります。検索広告はテキストと遷移先だけで始められ、ショッピング広告はサイト側の整備が前提になり、動画広告は素材制作の期間が必要です。目的が合っていても、準備物がそろわなければ配信は始まりません。
選ぶときは、まず自社に該当しない種類を外してください。ECサイトがなければショッピング広告は対象外、アプリがなければアプリキャンペーンは対象外です。この2つを外すと、多くの事業では検索・ディスプレイ・動画・デマンドジェネレーション・P-MAXの5つに絞られます。
広告費が月10万円前後の規模では、検索広告1本に絞ってください。理由は、この規模で複数の種類に分けると、どれも判断できるだけのデータ量に届かないためです。
Google広告の自動入札は、コンバージョンのデータを蓄積しながら配信を最適化していきます。1つのキャンペーンに集まるデータが少ないと、この学習が進みません。月10万円を3種類に分けると1種類あたり3万円強になり、どのキャンペーンも学習途中のまま月が終わります。
さらに、この規模では運用体制の選択肢も限られます。主要な代理店の公開情報を調べると、最低出稿額は月30万円から100万円、最低手数料は月5万円から20万円という条件が設けられています(2026年9月時点の公開情報)。月10万円の広告費では、代理店に依頼するという選択肢がほぼ成立しません。自社で運用するか、ツールを使うかの二択になります。
月30万円規模になると、検索広告で一定量のコンバージョンが集まり、改善の判断ができるようになります。ここで2本目として足すのは、ディスプレイ広告のリマーケティングです。
順番の理由は、リマーケティングが検索広告の取りこぼしを回収する施策だからです。検索広告でサイトに来たものの、その場で問い合わせなかった人にもう一度接触します。新規の層を広げるのではなく、すでに一度接点を持った人に絞るため、少ない追加予算でも効果を測りやすくなります。
この規模から、代理店の最低出稿額の条件を満たし始めます。ただし手数料は広告費の20%が相場で、調査した13社すべてがこの水準でした(2026年9月時点の公開情報)。月30万円なら月6万円が手数料として乗ります。自社で運用するか外部に出すかを、この金額と社内の工数を並べて判断してください。
月100万円規模では、検索広告で取れる分を取り切ってしまい、伸びが止まるタイミングが来ます。対策キーワードの検索数には上限があるため、予算を足しても表示回数が増えなくなるためです。ここで初めて、配信面を広げる判断が必要になります。
広げる順番は、獲得に近いものからです。ECサイトがあるならショッピング広告、そうでなければP-MAXかデマンドジェネレーションという順で検討します。動画広告は制作の期間と費用がかかるため、他の面を試したあとで構いません。
| 月額広告費の規模 | 主軸 | 次に足すもの | この規模での主な論点 |
|---|---|---|---|
| 月10万円前後 | 検索広告のみ | ― | データが集まるまで種類を増やさない |
| 月30万円前後 | 検索広告 | ディスプレイ広告(リマーケティング) | 運用体制を自社・ツール・代理店のどれにするか |
| 月100万円前後 | 検索広告 | ショッピング/P-MAX/デマンドジェネレーション | 検索広告の伸びが止まったかどうかの見極め |
この規模になると、手数料として出ていく金額も無視できません。広告費が月100万円なら、手数料20%で年240万円です(2026年9月時点の公開情報)。加えてランディングページの制作費は1本25万円から100万円、継続的な改善は月10万円から15万円程度が公開情報として示されています。配信面を広げる前に、この固定的に出ていく費用を先に見積もってください。
運用を続けていると、種類を増やしたくなる場面が出てきます。成果が伸びないときに「ディスプレイも試してみよう」「P-MAXも回してみよう」という判断は自然です。ただ、予算を増やさずに種類だけ増やすと、次のことが起きます。
広告の成果は、配信面の数ではなく改善の回数で決まります。1つのキャンペーンを毎週見て手を入れるほうが、5つのキャンペーンを月1回眺めるより成果は伸びます。種類を増やす判断は、予算が増えたときか、今の種類で伸びが止まったときのどちらかに限定してください。
7種類のうち、どれか1つから始めるなら検索広告です。理由の1つ目は、すでに探している人に届くからです。
「〇〇 比較」「〇〇 料金」と検索している人は、課題を自覚して解決手段を探している段階です。認知させる工程も、必要性を理解させる工程も省けます。他の種類は気づいてもらうところから始めるため、成果までの距離が長くなります。
2つ目の理由は、検索広告が最も原因を特定しやすい種類だからです。検索語句レポートを見れば、どの言葉で検索した人がクリックし、どの言葉からコンバージョンしたかが分かります。
この情報は広告の改善だけに使うものではありません。想定していなかった検索語句でコンバージョンが出ていれば、顧客が自社をどう言い表しているかのデータになります。つながらない語句は除外キーワードに追加できます。
検索広告で必要になるのは、キーワード・広告文・ランディングページの3点です。この3つは別々の作業ではなく、つながっています。
検索されたキーワードに広告文が応え、広告文で打ち出した内容をランディングページが受け取る。この一貫性が崩れると品質の評価が下がり、クリック単価が上がります。株式会社キーワードマーケティングが公開している情報(2026年9月時点)では、品質スコアの改善でクリック単価が500円から300円へ、600円から450円へ下がった例が示されています。
実務上の問題になるのが担当部署の分かれ方です。運用は広告担当、ページ制作はWeb制作会社という分担だと、広告文とページを合わせるたびにやり取りが発生し、改修が別費用なら改善の頻度も落ちます。検索広告を始めるときは、ページを誰がどの頻度で直せるかまで決めておいてください。
キャンペーンタイプとしては7種類です。検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・デマンドジェネレーション・ショッピング広告・アプリキャンペーン・P-MAXに分かれます。この分類は2026年9月時点のGoogle広告ヘルプに基づいています。名称や数は変更されることがあるため、実際に出稿する際は管理画面に表示される選択肢を確認してください。
Google広告はGoogleが提供する広告サービス全体の名称で、リスティング広告は検索結果に表示される広告形式の呼び方です。Google広告では「検索広告」がこれにあたります。Yahoo!広告の検索広告も含む言い方なので、媒体名ではなく形式名です。
配信面と狙う段階が違います。ディスプレイ広告は提携サイトやアプリのバナー枠が中心で、リマーケティングによる再訪促進によく使われます。デマンドジェネレーションはYouTube・Discover・Gmailが中心で、需要の掘り起こしを目的に設計されています。なお2025年3月にGDNの配信面が追加されたと、株式会社メディックスが公開しています(2026年9月時点の公開情報)。
設定自体は7種類の中でも簡単な部類で、目標と予算、素材を登録すれば配信が始まります。ただし、どの面でどう成果が出たかが見えにくく、うまくいかないときに打つ手が限られます。検索広告で改善の進め方を理解してから検討する順番をおすすめします。
Google検索の結果上部に「スポンサー」と表示されているテキストが検索広告です。YouTubeの再生前に流れるものが動画広告、記事横のバナーがディスプレイ広告、検索結果に商品画像と価格が並ぶものがショッピング広告にあたります。
予算の規模によります。月10万円前後では種類を分けると1つあたりのデータ量が足りず、自動入札の学習が進みません。まず検索広告に集中し、月30万円規模でリマーケティングを足し、月100万円規模で配信面を広げる順序が現実的です。
課金のタイミングが種類ごとに違います。クリックされたときに課金されるもの、表示された回数で課金されるもの、動画が視聴されたときに課金されるものがあり、同じ予算でも買っているものが変わります。種類をまたいで単価をそのまま比べても意味がないため、1件のコンバージョンにいくらかかったかで比べてください。
Google Merchant Centerのアカウントと商品フィードが必要です。加えて、ECサイト側に送料と返品ポリシーの明記が求められます。商品を販売するサイトがない場合は対象外で、BtoBの問い合わせ獲得や来店促進には使えません。
Google広告のキャンペーンタイプは7種類あり、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・デマンドジェネレーション・ショッピング広告・アプリキャンペーン・P-MAXに分かれます。違いは配信面だけではなく、課金の起点と、配信を始めるために必要な準備物が種類ごとに違います。
選ぶときは、まず自社に該当しないものを外してください。ECサイトがなければショッピング広告、アプリがなければアプリキャンペーンが対象外です。残ったものは予算規模で判断します。月10万円前後なら検索広告に集中し、月30万円前後でリマーケティングを足し、月100万円前後で配信面を広げる。この順序なら各段階でデータが集まります。
そして最初の1本は検索広告を選んでください。すでに探している人に届くため成果までの距離が短く、検索語句レポートという改善の手がかりが残ります。種類を増やす判断より、1つの種類を毎週見て手を入れ続けるほうが、同じ予算で伸びます。増やすのは、予算が増えたときか、表示回数が伸びなくなったときだけで構いません。
検索広告に必要なキーワード・広告文・LPを、AIとの対話でまとめて作れるツールです。目的・予算・目標CVを入力すると出稿可否がシミュレーションされるため、予算規模から始める種類を決める進め方と相性があります。ただし、連携できるのはGoogle広告のみで、社内に週数時間の確認時間が必要です。複数媒体を横断したい場合は代理店のほうが適しています。
クレジットカード登録不要・書類不要・最低利用期間なし