第1回目はリマーケティングによるリード獲得について紹介しました。
今回は、コンテンツのパーソナライゼーションについてです。
「パーソナライゼーション」という言葉を初めて聞いた方や、聞いたことはあるけれどWebの施策には結びつけられていないという方は是非参考にしていただきたいです。
「パーソナライゼーションとは何か?」から、「なぜコンテンツのパーソナライゼーションが求められるのか?」までをわかりやすく解説します。
Consider this: you visit a landing page and enter your name and email to download an eBook on social media marketing.The next time you visit the same site, you’re greeted by name. Not only that, you are also shown more eBooks related to social media marketing.This is the digital equivalent of the maitre’d at your favorite hotel greeting you by name and ushering you to your favorite table - it’s personal, intimate and helps you stand out in a sea of me-too competitors.
個人に向けたカスタマイズを意味するパーソナライゼーション、まは、よりよいカスタマーエクスペリエンスを生むための鍵となります。例えば、LPを訪問してソーシャルメディアマーケティングに関する電子書籍をダウンロードする際、名前とメールアドレスを入力します。次回、同じホームページを訪問した時にはユーザーの画面には前回入力した名前が表示されます。それだけではなく、ソーシャルメディアマーケティングに関するおすすめの電子書籍 リストも表示されます。これは、頻繁に通っているホテルのコンシェルジュ があなたをお迎えして、あなたが一番好きな席まで案内するのとほぼ等しいものであり、これのデジタル版になります。パーソナライゼーションで個人への最適化を徹底することで、ユーザーと親しくなり、競合に対して優位性を持たせることができるようになります。
参考:13 Biggest Content Marketing Trends that Will Dominate 2018
パーソナライゼーションとは、「個人に合わせてカスタマイズする」という意味です。ユーザーの行動履歴から好みを分析し、「これを紹介したら喜ぶだろう」というものを見せることで、ユーザーの顧客体験が向上するというものです。
例えば、きっと多くの方は友達に誕生日プレゼントを渡す際、性別や年齢を問わず全員に同じプレゼントを渡すことはあまりないと思います。友達の好みを把握していて「〇〇さんはこれを上げると喜んでくれるはず」と、友達一人一人に合わせたプレゼントを渡すのが一般的ですよね。
これが、パーソナライゼーションされたコンテンツです。Web上で表現された例を挙げると、ECサイトで買い物をした後に、その商品と関連した別商品のセール情報が届いたり、動画視聴サイトで何かしらの動画を閲覧した後に、関連性の高い別の動画を紹介されることです。
もう少し具体的な例だと、以下になります。
購入履歴や過去に視聴した動画の情報を元に自動でユーザー毎にカスタイマイズされます。上記以外にも、資料のダウンロードや、無料会員コンテンツ利用のための会員登録など、幅広いシーンでパーソナライゼーションが利用されています。
パーソナライゼーションはいわば「手引きをしてくれる案内役」が付くのと同じで、サイト上におけるユーザーの行動から、個人個人に合った”おすすめ”を紹介してくれる存在です。
海外では、コンテンツのパーソナライゼーションに注力する企業が増えています。以下は、米国Forrester 社が企業のWeb担当者に取ったアンケート調査結果です。この調査結果では、92%の企業が「社内でパーソナライゼーションへの関心が上がっている、興味を持ち始めている」と回答しています。
参考:13 Biggest Content Marketing Trends that Will Dominate 2018
さらに、「コンテンツのパーソナライゼーションは、直近において重要な施策ですか?また、長期的にみても重要だと思いますか?」という質問には、直近の戦略、長期的な戦略ともに全体の93%が「重要」と回答しています。これだけ海外で注目されている大きな理由は、パーソナライゼーションは”ユーザーとの繋がり”を深められるからです。
紹介する商品が、ユーザーが過去に購入した商品と関連していれば、「自分の興味関心を知ってもらえている」と感じるものです。実際に、不特定多数に発信されるセール情報と違って、自分に無関係なメールではないと判断され次の購入につなげられる可能性が上がります。
パーソナライゼーションの精度を高めることで、ユーザーはサービスとの関りを強く感じ、サービスや会社のロイヤリティも向上していきます。また、「自分のことを理解してくれているサービス、または企業」と認識してもらうことで、ユーザーを囲い込むこともできます。
「パーソナライゼーションを求めているのは企業側だけではない」ということを表す調査結果があります。Invespの調査によると、ユーザーはパーソナライゼーションについて以下のように考えています。
ユーザーがパーソナライゼーションを求める理由は、自分に合った情報だけをキャッチできるというだけではなく、ユーザー自身が情報をコントロールできるようになるためです。
例えば、ユーザーが「夏服 おすすめ コーディネート」と検索をして、あるファッションサイトの記事を閲覧していたとします。その記事の内容は、検索ユーザーに向けられたものではありますが、ユーザー個人個人に合わせてカスタイマイズされた内容ではなく、不特定多数に向けられた情報です。
対してパーソナライゼーションされた情報は、購入履歴など、これまでのユーザーの行動に基づいているので、不特定多数に向けられた情報ではありません。
「ユーザー自身がコントロールして、自分だけに向けられた情報をキャッチしている感覚を得られる」
この感覚がユーザー心理として、とても重要なのです。 世の中の情報量が多すぎるため、ユーザーはこれまで以上に「自分に必要な情報」だけを求めるようになっています。その期待に応えることで、より良い顧客体験を提供することができるのです。
Personalization depends heavily on data. The more you know about your customers, the more personalized messages you can deliver.Start by collecting essential data from your visitors. If you’re in B2B, this might be:
Name
Company URL
Company Size
Department Size/Budgetv Designation
You don’t have to collect all this data from the get-go. Start by targeting the “low hanging fruit” of client data - names and emails. Most visitors will be happy to share these with you in exchange for compelling content (such as an eBook).Once you have this basic data, start a lead nurturing campaign where you offer leads access to great content in exchange for more data.パーソナライゼーションへの取り組みには顧客データが必須です。より多くユーザー情報があれば、よりパーソナライゼーションされた最適なメッセージを送ることができます。まず、訪問者からユーザー情報を集めましょう。あなたがB2Bの企業の担当者であれば以下の情報が必要となります。
・名前
・メールアドレス
・会社のWebサイトURL
・会社の規模(社員数)
・部署の社員数/予算
・役職
始めから全てのデータを集める必要はありません。最低限の情報(名前とメールアドレス)を集めるところから始めましょう。多くの訪問者は気になるコンテンツ(例えばホワイトペーパー)があれば、引き換えに情報を提供してくれます。基本的なユーザー情報を入手したら、リードナーチャリングのキャンペーンを作成し始めましょう。新規見込み客に、もっとユーザー情報を提供したくなるような最高なコンテンツを届ける必要があります。参考:13 Biggest Content Marketing Trends that Will Dominate 2018
BtoCの場合は、購入された商品を元にパーソナライゼーションしていくことが可能ですので、ユーザーの好みを把握できるように、とにかく商品を購入してもらうためのアプローチが必要です。
例えば、初来店してくれた見込み客への最初のアプローチでは、少額のクーポンなどがおすすめです。初回のクーポンを利用してもらうことで、続いて、より割引率の高いクーポンや、特定商品のプレゼントなどを促します。購入商品が多ければ多いほどユーザーの情報が集まりますので、パーソナライゼーションの精度を上げていくことができます。
BtoBの場合は、ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客への最初のアプローチでは、セミナーへの無料招待などがおすすめです。セミナーに参加するためには、会社の規模やホームページのURL、役職などを入力してもらうように設定することで、一歩踏み込んだヒアリングが可能になります。
セミナーを実施していないという企業も多いと思いますので、その場合は別のコンテンツを用意しておき、そちらのダウンロードに促しましょう。データ集めを細かく、何回かに分けて収集すれば意外とユーザーは情報を提供してくれるものです。一度に多くの情報提供を促すよりも、接触回数を増やしながら小出しにヒアリングすることで、接触回数に応じてユーザーからの信頼度は上がり、転換率の向上にもつながります。
海外における実際の例を上げると、Northeast Nursery社のCorednaを使っている企業は、Corednaのパーソナライゼーション機能を使い、ユーザー個人に限定された商品を特別価格で提供しています。限られたユーザーだけが商品にアクセス可能にすることで特別感を与えたり、特別価格でのサービス提供も行っています。
海外の企業は、既にコンテンツのパーソナライゼーションに取り組んでいます。
今回は海外の調査データを用いて、パーソナライゼーションされたコンテンツの重要性についてご紹介しましたが、ご覧いただいたみなさまの今後のWeb戦略に役立てば嬉しく思います。
参考:13 Biggest Content Marketing Trends that Will Dominate 2018
スターティアラボ株式会社 取締役
クラウドサーカス株式会社 代表取締役
2006年スターティアに新卒として入社。2009年にスターティアラボ立ち上げに参画。
2014年にWebプロモーション事業部を立ち上げ、同事業部を2018年にクラウドサーカス株式会社として分社化、代表取締役に就任。
近年のマーケティングテクノロジーの高度化に伴い、マーケティング効率が飛躍的に高まっている一方、多くの企業ではまだまだそれらを使いこなせていないのが現状。それらをシンプル化することで多くのマーケターがより高い成果を生むしくみの普及に努めている。