レスポンシブ検索広告とは?入稿規定と、見出し15本を埋めるための型

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レスポンシブ検索広告(RSA)とは、見出しを最大15本・説明文を最大4本登録しておき、Googleが検索語句やデバイスに応じて自動で組み合わせて表示する検索広告です。広告主が組み合わせを固定するのではなく、登録した素材のなかから相性の良い並びが機械的に選ばれます。現在のGoogle広告で検索広告を作る場合、基本となる形式がこれにあたります。

仕組みそのものは難しくありません。実際に手が止まるのは、入稿画面を開いて見出し欄が15行並んだときです。3本目までは書けても、8本目からは同じことの言い換えになり、15本目は埋め草になる。この記事では、入稿規定と設定手順を確認したうえで、その15本を何で埋めるかを8つの型に分けて示します。あわせて、説明文4本の書き分け、広告の有効性が上がらないときの切り分け、AIに広告文を作らせる場合に人が必ず確認する箇所までまとめました。

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  • レスポンシブ検索広告は検索広告のなかの一形式です。そもそも自社の商材で検索広告から始めるべきなのか、他の広告と並べて確かめたい場合に使える資料です。

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1.レスポンシブ検索広告(RSA)とは

レスポンシブ検索広告は、検索結果の上部や下部に表示されるテキスト形式の広告です。英語表記のResponsive Search Adsを略してRSAと呼ばれます。検索連動型広告(リスティング広告)という枠組みのなかの、広告フォーマットの1つという位置づけです。

従来のテキスト広告との最大の違いは、広告文を完成品として入稿しないことにあります。見出しと説明文を素材として複数登録し、どれとどれを並べるかはGoogleの機械学習に任せます。広告主が用意するのは部品で、組み立てはシステムが担当する、という分担です。

1-1.見出しと説明文を自動で組み合わせて表示する仕組み

登録した見出しのうち、実際に1回の表示で使われるのは最大3本です。説明文も登録した4本すべてが出るわけではなく、最大2本が選ばれます。つまり15本の見出しを入れても、ユーザーが一度に目にするのはそのうちの数本だけです。

この挙動が意味するのは、素材の1本1本が「単独で読んでも意味が通る」必要があるということです。見出し1と見出し2をつなげて1つの文になるように書くと、別の順番で並んだときに日本語として崩れます。見出しは、どの順番で並んでも成立する独立した短文として書くのが基本です。

1-2.拡張テキスト広告との違い

拡張テキスト広告(ETA)は、RSAの前に主流だった形式です。見出しと説明文を広告主が完成形で入稿し、その広告文がそのまま表示されました。組み合わせの自動化がない代わりに、表示される文面を広告主が完全に決められた形式です。

現在のGoogle広告では、新しい検索広告の作成はRSAが前提になっています。拡張テキスト広告の作成・編集の提供状況は媒体側の仕様変更に左右されるため、既存アカウントに残っている広告の扱いを含めて、公式ヘルプで現時点の状況を確認してから運用方針を決めてください。

2.レスポンシブ検索広告の入稿規定

ここからは入稿画面で必要になる数値を整理します。以下は2026年9月時点のGoogle広告の入稿規定です。文字数や本数の上限は媒体側の仕様であり、予告なく変更されることがあります。

文字数は半角基準で数えられ、全角文字は2文字分として扱われます。日本語で書く場合は「半角30文字=全角15文字」と読み替えると計算が早くなります。半角の英数字や記号を混ぜると、その分だけ入る情報量が増えます。

2-1.見出しの文字数と本数

見出しは半角30文字(全角15文字)以内で、最大15本まで登録できます。表示されるのは最大3本です。日本語の全角15文字は、体言止めを使っても収まる情報がかなり限られます。「業務効率化を支援するクラウドサービス」で全角18文字となり、この時点で超過します。

2-2.説明文の文字数と本数

説明文は半角90文字(全角45文字)以内で、最大4本まで登録できます。表示されるのは最大2本です。見出しに比べると書ける量は多く、全角45文字あれば主語と述語のある文が1つか2つ入ります。

2-3.表示URLのパス

表示URLのパスは、半角15文字(全角7文字)以内を2つまで設定できます。パスは実際の遷移先URLとは別に、表示上のURLを補足するための項目です。遷移先が長い文字列のURLでも、パスを設定すれば「example.com/資料請求/無料」のように意味の分かる表示にできます。

2-4.最低限必要な本数

入稿に最低限必要なのは、見出し3本と説明文2本です。この本数があれば広告は配信できます。ただし、3本の見出しから作れる組み合わせは限られるため、自動で最適な並びを探すというRSAの仕組みがほとんど働きません。

最低本数は「配信できる下限」であって「推奨値」ではない、という点を押さえておいてください。実際に何本入れるべきかは、6章の配分の目安で扱います。

2-5.【表】入稿規定まとめ

項目 文字数 登録できる本数 1回に表示される本数
見出し 半角30文字(全角15文字) 最大15本(最低3本) 最大3本
説明文 半角90文字(全角45文字) 最大4本(最低2本) 最大2本
表示URLのパス 半角15文字(全角7文字) 2つ(任意) 2つ

※2026年9月時点のGoogle広告の入稿規定です。文字数・本数の上限は媒体側の仕様変更で変わることがあります。入稿前にGoogle広告ヘルプの該当ページで現時点の値を確認してください。LINEヤフー広告は別の規定が設定されているため、あわせてLINEヤフー広告の公式ヘルプを確認してください。

3.レスポンシブ検索広告のメリット

RSAの利点は、広告文の制作工数を増やさずに表示のパターンを増やせる点に集約されます。組み合わせの検証をシステム側が担当するため、広告主は素材の質と幅に集中できます。

3-1.デバイスに応じた表示になる

スマートフォンとパソコンでは、検索結果の表示幅も、ユーザーが広告を見る時間も違います。RSAは登録した素材のなかから、その環境で成果が出やすい並びを選びます。短い見出しが選ばれやすい場面と、情報量の多い見出しが選ばれやすい場面が自動的に切り替わります。

この恩恵を受けるには、長さの違う見出しを混ぜて登録しておく必要があります。全角15文字ぴったりの見出しばかりを15本並べると、選択の幅がなくなります。全角7文字程度の短い見出しを数本入れておくと、組み合わせの自由度が上がります。

3-2.検索語句との一致率が上がり、表示機会が増える

検索語句と広告文の関連性は、広告の掲載順位やクリック率に影響します。訴求の異なる見出しを複数登録しておくと、同じ広告グループで異なる検索語句が入ってきたときに、その語句に近い見出しが選ばれます。

結果として、1つの広告で拾えるオークションの範囲が広がります。関連性が上がれば品質スコアにも影響し、同じ予算でも表示できる回数が変わってきます。

3-3.少ない工数で組み合わせを試せる

拡張テキスト広告の時代は、訴求を1つ変えるたびに広告を1本作り、配信して、比べる必要がありました。RSAでは見出しを1本追加するだけで、その訴求が他の見出しと組み合わさった状態で検証されます。

4.レスポンシブ検索広告のデメリット・注意点

自動化されている部分が多いほど、広告主が制御できない領域も増えます。RSAで起きやすい問題は、事前に知っていれば回避できるものがほとんどです。

4-1.意図しない組み合わせが表示されることがある

見出しの順番はシステムが決めるため、広告主が想定していない並びが出ることがあります。たとえば「初期費用0円」と「月額0円から」を両方登録すると、この2本が並んで無料サービスのように読める組み合わせが生まれます。

対策は2つあります。1つは、並んだときに誤読を生む見出しを最初から登録しないこと。もう1つは、11章で扱う「位置の固定」で特定の見出しの表示位置を指定することです。ただし位置の固定は組み合わせの自由度を下げるため、使いすぎると自動最適化の効果が薄れます。

4-2.どの組み合わせが効いたか分かりにくい

管理画面では、見出しごとの「掲載結果」が最良・良・低のような区分で表示されます。ただしクリック率やコンバージョン数が見出し単位で細かく出るわけではなく、どの2本の組み合わせが効いたかまでは確認できません。

この制約があるため、RSAの改善は「効いた組み合わせを探す」よりも「効いていない素材を入れ替える」方向で進めるほうが現実的です。掲載結果が低いままの見出しを別の訴求に差し替え、全体の水準を上げていく進め方になります。

4-3.学習期間が必要

配信を開始した直後は、システムがどの組み合わせが良いかを判断するためのデータを持っていません。一定の表示回数が溜まるまでは、成果が安定しない期間が続きます。広告代理店のmedix(medix-inc.co.jp)は2026年9月時点の公開情報で、学習期間の目安を2週間から1か月程度としています。

この期間中に見出しを頻繁に差し替えると、学習がやり直しになります。配信開始から少なくとも2週間は素材を固定し、そのうえで掲載結果を見て入れ替える。この順番を守ると、無駄な振り出しが減ります。

※学習期間の長さは広告費や表示回数によって変わります。上記は目安であり、すべてのアカウントに当てはまる値ではありません。

5.レスポンシブ検索広告の設定方法

設定そのものは管理画面の指示に沿って進めれば完了します。つまずきやすいのは入力欄の多さで、見出し15本と説明文4本を画面上で考えながら埋めようとすると時間がかかります。

先にスプレッドシートやテキストエディタで素材を作り、文字数を確認してから貼り付ける手順にすると、入稿作業は10分程度で終わります。6章の型を使って15本の候補を先に作っておくと、この段取りがそのまま使えます。

5-1.Google広告での設定手順

  1. Google広告の管理画面で、広告を追加したいキャンペーンと広告グループを選ぶ
  2. 「広告」のメニューから新規作成を開き、レスポンシブ検索広告を選択する
  3. 最終ページURL(実際の遷移先)を入力する
  4. 表示URLのパスを2つまで入力する(任意)
  5. 見出しを入力する。3本目までが必須で、そこから15本まで追加できる
  6. 説明文を入力する。2本目までが必須で、そこから4本まで追加できる
  7. 画面右側のプレビューで、実際にどう表示されるかを確認する
  8. 画面に表示される「広告の有効性」の評価と改善案を確認する
  9. 保存して入稿する

入稿の単位にも注意が必要です。RSAは広告グループごとに登録します。1つの広告グループに複数のRSAを入れることもできますが、登録できる本数には上限があります。上限の値は媒体仕様として変更されることがあるため、複数本を入れて比較したい場合は公式ヘルプで現時点の上限を確認してください。

5-2.LINEヤフー広告での設定手順

LINEヤフー広告(旧Yahoo!広告)にも、同じくレスポンシブ検索広告があります。管理画面の構造はGoogle広告と似ており、キャンペーンと広告グループを選んでから広告を追加する流れは変わりません。

ただし、文字数や本数の規定はGoogle広告と同一とは限りません。Google広告用に作った素材をそのまま流用すると、文字数超過で入稿できないことがあります。両媒体に出稿する場合は、それぞれのヘルプで規定を確認したうえで、媒体ごとに素材を用意してください。

6.見出し15本をどう埋めるか|8つの型

ここがこの記事の中心です。多くの解説記事は「見出しのバリエーションを豊かに」「独自性のある見出しを複数入れる」というところで止まります。実際に困るのはその先、何を軸に変えればバリエーションになるのかという部分です。

訴求の軸を8つに分けておくと、15本の枠が機械的に埋まります。8つの型から1本ずつ作れば8本、効きそうな型を2本ずつに増やせば15本に届きます。以下の型には汎用的に使える見出しの例を2つずつ添えました。◯◯の部分には自社の商材名やカテゴリ名、数値が入ります。

6-1.①ベネフィット型

商材を使うと利用者の状態がどう変わるのかを書く型です。機能の説明ではなく、機能の結果として起きることを書きます。最も汎用性が高く、どの商材でも必ず1本は作れます。

6-2.②実績・数値型

導入社数、継続率、改善率など、検証できる数値を入れる型です。数値はテキストのなかで視認性が高く、クリック率に影響しやすい要素です。

この型を使うときは、出せる数値と出せない数値を先に社内で確定させてください。集計方法が曖昧な数値や、根拠資料のない数値を広告文に載せると、景品表示法に抵触する可能性があります。数値の横に集計時点を添えられるかどうかが、使ってよい数値かの判断基準になります。

6-3.③価格・料金型

初期費用、月額、料金体系を書く型です。価格を先に出すと問い合わせ数は減ることがありますが、その代わりに予算の合わない人のクリックが減るため、コンバージョン率と費用対効果は改善する方向に動きます。

6-4.④導入のしやすさ型

始めるまでの手間の少なさを書く型です。検討段階の初期にいる人にとっては、機能よりも「試すのが面倒かどうか」が意思決定を左右します。BtoBの商材では特に効きやすい軸です。

6-5.⑤対象を限定する型

誰向けの商材かを明示する型です。対象を絞ると表示機会は減りますが、当てはまる人にとっては自分ごとになります。業種、企業規模、役職、利用シーンのいずれかで限定するのが一般的です。

6-6.⑥緊急性・期間限定型

期限やキャンペーンを示す型です。今すぐ動く理由を提示する軸で、他の型と比べてクリック率が動きやすい一方、常時使い続けると効果が薄れます。

期限を書いた見出しは、期限が過ぎたら必ず削除または更新してください。終了したキャンペーンの見出しが配信され続けると、遷移先の内容と食い違います。更新日をカレンダーに入れておくのが確実です。

6-7.⑦権威づけ型

実績の裏づけとなる立場や認定を書く型です。②の実績・数値型が定量的な裏づけなのに対して、この型は定性的な裏づけを扱います。

「唯一」「業界No.1」のような最上級の表現は、客観的な調査資料がなければ使えません。順位や比較に関する表現は根拠資料の保管が求められるため、社内で説明できない表現は避けて、確認できる事実だけを書いてください。

6-8.⑧検索語句をそのまま使う型

対策キーワードをそのまま見出しに含める型です。検索語句と広告文が一致すると、検索結果上で該当部分が太字で表示されることがあり、視認性が上がります。関連性の指標にも影響します。

この型は必要ですが、これだけで15本を埋めないでください。キーワードの言い換えを並べただけの見出しは、組み合わせの幅を生みません。次の配分の目安を参照してください。

6-9.【配分の目安】キーワードを含む見出しと含まない見出し

広告代理店のuniad(uniad.co.jp)は2026年9月時点の公開情報で、見出しの推奨値を次のように示しています。見出しは8本から10本以上、独自性のある見出しは5本以上、キーワードを含む見出しは2本から3本、キーワードを含まない見出しは3本以上。

この推奨値を8つの型に当てはめると、配分が具体的になります。キーワードを含む見出し(型⑧)を2本から3本、残りを型①から⑦で埋める、という組み立てです。10本を目標にするなら、次の配分が出発点になります。

型 本数の目安 役割
⑧検索語句をそのまま使う型 2〜3本 検索語句との一致率を確保する
①ベネフィット型 2本 使うと何が変わるかを示す
②実績・数値型 1〜2本 信頼の裏づけを与える
③価格・料金型 1〜2本 予算の合わない流入を減らす
④導入のしやすさ型 1〜2本 検討初期の心理的な負担を下げる
⑤対象を限定する型 1本 誰向けかを明示する
⑥緊急性・期間限定型 0〜1本 今動く理由を示す(該当する場合のみ)
⑦権威づけ型 1本 定性的な裏づけを与える

※推奨本数はuniad(uniad.co.jp)が2026年9月時点で公開している値をもとに、型ごとの配分として整理したものです。最適な本数は商材と広告グループの構成によって変わります。

6-10.似た見出しを増やしても意味がない理由

15本という枠を見ると、埋めること自体が目的になりがちです。ただし「◯◯なら当社へ」「◯◯は当社にお任せ」のように同じ意味の見出しを並べても、組み合わせのパターンは実質的に増えません。

RSAは登録された素材から成果の出る並びを探す仕組みです。素材がすべて同じ方向を向いていれば、探索の余地がありません。15本の見出しが3つの訴求の言い換えでできている広告と、8本で8つの訴求を持つ広告なら、後者のほうが検証できることが多くなります。

本数を増やすかどうか迷ったときは、「この見出しが選ばれたとき、他の見出しとは違う情報がユーザーに届くか」を基準にしてください。届かないなら、その1本は増やさなくて構いません。

7.説明文4本の書き分け

説明文は4本まで登録でき、表示されるのは最大2本です。どの2本が並ぶか分からないため、4本それぞれが独立して読めて、かつ内容が重ならないようにする必要があります。役割を分けて書くと、この条件を満たしやすくなります。

実務で扱いやすいのは、次の4つの役割に1本ずつ割り当てるやり方です。全角45文字という枠なら、1本あたり1文か2文が入ります。

本数 役割 書く内容
1本目 商材の説明 何のサービス・商品なのかを一文で言い切る
2本目 解決する課題 どんな困りごとに効くのかを書く
3本目 裏づけ 実績・料金・対応範囲など、確認できる事実を書く
4本目 行動の案内 資料請求・無料登録など、次にすることを書く

この分け方の利点は、どの2本が選ばれても文脈が成立することです。1本目と4本目が並べば「何のサービスで、次に何をすればいいか」が伝わります。2本目と3本目が並べば「どんな課題に、どんな裏づけで応えるか」が伝わります。

避けたいのは、4本すべてに同じ商材名と同じ訴求を入れることです。並んだときに同じ文を2回読まされる形になり、限られた表示面積が無駄になります。説明文は本数ではなく役割で設計すると考えてください。

8.広告の有効性の見方と上げ方

入稿画面には「広告の有効性」という指標が表示されます。登録した素材の量と多様性から、RSAとして機能しやすい状態かを判定するものです。数値の成果そのものを示す指標ではない点を先に押さえておいてください。

8-1.有効性の評価段階

広告の有効性は5段階で表示されます。広告代理店のkwm(kwm.co.jp)が2026年9月時点で公開している整理では、未完了・低い・平均的・高い・非常に高いの5段階です。素材が不足している状態では「未完了」または「低い」が表示され、素材の量と訴求の幅が増えるにつれて段階が上がります。

この指標は診断であって、成果の保証ではありません。有効性が「非常に高い」でもコンバージョンが出ない広告はありますし、「平均的」のままクリック率が良好な広告もあります。判断の軸はあくまでクリック率とコンバージョン率に置いてください。

8-2.評価が付くまでに必要な表示回数

有効性の評価には、一定量の配信実績が必要になる場合があります。kwm(kwm.co.jp)は2026年9月時点の公開情報で、評価には30日間で5,000回以上の表示が必要としています。この水準に届いていない広告は、素材が十分でも評価が確定しないことがあります。

8-3.「平均的」から上がらないときに確認すること

有効性が「平均的」で止まるとき、原因は2つに分かれます。表示回数が足りずに評価が確定していないケースと、素材の内容が実際に不足しているケースです。この切り分けを先にしてください。

表示回数が足りているのに上がらない場合は、次の順で確認します。

有効性が上がらないときの確認項目

表示回数が足りない場合は、広告文ではなく配信側を見直します。キーワードの検索ボリュームが小さい、入札単価が低くて表示機会を取れていない、予算上限で日中に配信が止まっている、といった原因が考えられます。この場合は見出しを何本増やしても状況は変わりません。

※有効性の評価基準や必要な表示回数は媒体側の仕様です。運用の判断に使う前に、Google広告ヘルプで現時点の説明を確認してください。

9.AIに広告文を作らせる場合の手順

見出し15本を人力で書くのは負荷の高い作業です。生成AIや広告ツールのAI機能を使って候補を出させるやり方は、媒体のポリシー上も問題ありません。実際、AIが対話をもとに広告文の候補を作り、担当者が気になる箇所を修正する形で運用できるツールも出てきています。

ただし、AIが出した文面をそのまま入稿するのは避けてください。AIは文章の自然さを優先するため、事実確認が必要な箇所ほど、もっともらしい表現で埋めてくる傾向があります。

9-1.AIに渡すべき情報

出力の質は、渡した情報の質でほぼ決まります。最低限、次の6項目を渡してください。

このうち抜けやすいのが4つ目と5つ目です。使ってよい数値を渡さないと、AIは一般的な数値を推測して入れてきます。LPの文言を渡さないと、広告文とLPで違う言葉を使うことになり、クリック後の離脱につながります。

加えて、6章の8つの型を指示に含めると、出力が散らばります。「①から⑧の型それぞれについて2本ずつ候補を出す」と指定すれば、言い換えばかりの候補が返ってくる状態を避けられます。

9-2.人が必ず確認する3箇所

AIの出力を入稿する前に、次の3箇所だけは必ず人が確認してください。この3つは、間違えたときの影響が他の要素と比べて大きい箇所です。

1つ目は数値です。導入社数、改善率、料金、対応日数、シェア。AIは文脈から自然に見える数値を補完してくるため、社内の資料に存在しない数値が入ることがあります。広告文に載っている数値を1つずつ、社内の根拠資料と突き合わせてください。根拠資料が見つからない数値は、その場で削除します。「◯◯%改善」「導入◯◯社」は特に混入しやすい箇所です。

2つ目は固有名詞です。自社の商材名、サービス名、プラン名、連携先のツール名、認定の名称。表記ゆれや、存在しないプラン名が生成されることがあります。商材名の正式表記(英字の大文字小文字、中黒の有無、スペースの有無)を一覧にしておき、そこと照合してください。他社名や他社の商標を広告文に入れると、広告ポリシーに抵触する場合があります。

3つ目は法規制に触れる表現です。「業界No.1」「最安」「唯一」といった最上級の表現は、客観的な調査資料がなければ使えません。「必ず」「絶対」といった断定も、効果を保証する表現として問題になります。医薬品・化粧品・健康食品・金融・不動産・人材などの分野には業界固有の表示規制があるため、該当する商材ならこの段階で社内の法務または監修担当の確認を挟んでください。

9-3.生成したまま入稿してはいけない理由

AIの出力をそのまま入稿する運用の問題は、間違いが見つかるタイミングが遅れることにあります。広告は審査を通れば配信されます。審査は広告ポリシーへの適合を見るもので、自社の数値が正しいかどうかまでは判定しません。

確認にかかる時間は、見出し15本と説明文4本で15分程度です。この15分を省くかどうかの判断になります。AIに任せるのは候補を出す工程までにして、入稿する文面の責任は人が持つ、という分担にしてください。

10.広告文とLPの整合性を確認する

広告文の改善だけを続けても、クリック後に離脱されていれば成果は変わりません。RSAは訴求を複数持てる形式のため、広告文とLPがずれるリスクはむしろ高くなります。15本の見出しがそれぞれ違う訴求を持っているとき、LPが対応しているのはそのうち何本でしょうか。

10-1.見出しの訴求とLPのファーストビューを突き合わせる

手順は単純です。登録している見出しを一覧にして、その訴求がLPのファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)に書いてあるかを1本ずつ確認します。書いてあれば◯、書いていなければ×を付けます。

確認は、スマートフォンの画面で行ってください。パソコンのファーストビューに入っていても、スマートフォンでは3スクロール先に落ちていることがあります。検索広告の流入はスマートフォンの比率が高いため、そちらを基準にするほうが実態に合います。

10-2.ずれていたときにどちらを直すか

判断の基準は、掲載結果と成果です。×が付いた見出しのうち、掲載結果が良くクリックを集めているものは、LP側を直します。その訴求で人が来ているのに受け皿がない状態だからです。

掲載結果が低く、クリックも集めていない見出しは、広告側を削除または差し替えます。LPに書いていない訴求を広告だけで主張している状態で、来た人の期待とページの内容が食い違います。

状況 直す対象 具体的な作業
クリックを集めている訴求がLPにない LP ファーストビューにその訴求を追加する
掲載結果が低く、LPにも書いていない 広告文 見出しを削除し、別の型で差し替える
LPの主要な訴求が見出しにない 広告文 その訴求の見出しを追加する
両方にあるが表現が違う 両方 同じ語に揃える(表記ゆれを消す)

この作業を手作業で回すのが難しいのは、広告とLPの更新サイクルが揃わないためです。広告文は即日変更できますが、LPの修正は制作会社への依頼と確認を挟むと数日から数週間かかります。その間、ずれたまま配信が続きます。整合性は、気をつけて保つものではなく、仕組みで保つものと考えたほうが現実的です。

11.応用機能の使い方

RSAには、見出しや説明文の一部を動的に差し替える機能があります。使いこなすと関連性を上げられますが、設定を誤ると不自然な広告文が表示されるため、代替テキストの設計が重要になります。

11-1.キーワードの挿入

ユーザーの検索語句に対応するキーワードを、見出しのなかに自動で差し込む機能です。「◯◯の資料請求はこちら」の◯◯部分に、実際に検索されたキーワードが入ります。検索語句と広告文が一致するため、関連性が上がります。

設定時には、キーワードが挿入できなかった場合に表示される代替テキストを指定します。この代替テキストが不自然だと、そのまま配信されます。代替テキストには、広告グループで最も汎用性の高い語を入れてください。挿入されたキーワードによって文字数が上限を超えた場合も、代替テキストが表示されます。

11-2.地域の挿入

ユーザーの所在地や関心のある地域を、広告文に差し込む機能です。「◯◯エリア対応」のように使い、地域を絞って営業している商材との相性が良い機能です。

11-3.カウントダウン

キャンペーンの終了日までの残り日数を自動で表示する機能です。「あと◯日」の部分が日々更新されるため、期限を手動で書き換える必要がなくなります。6章の⑥緊急性・期間限定型と組み合わせて使う機能です。

終了日を過ぎると該当の見出しは表示されなくなります。ただし、その見出しが表示されなくなることで、他の見出しの組み合わせが変わります。カウントダウンを使った見出しが主力だった場合、期限後にクリック率が落ちることがあるため、終了前に代わりの見出しを用意しておいてください。

11-4.位置の固定

特定の見出しを「必ず1番目に表示する」のように位置を指定する機能です。商標や法令上の記載義務がある文言を確実に出したい場合に使います。

ただし、位置を固定するほど組み合わせの自由度は下がります。3本すべての見出しを固定すると、実質的に拡張テキスト広告と同じ挙動になり、RSAの利点がなくなります。使うのは必要な1本だけにとどめ、残りは自動に任せるのが基本です。

※応用機能の仕様と設定方法は媒体側で変更されることがあります。設定前にGoogle広告ヘルプの該当ページで現時点の仕様を確認してください。

12.レスポンシブ検索広告に関するよくある質問

レスポンシブ検索広告とリスティング広告の違いは何ですか?

リスティング広告は、検索結果に表示される広告全体を指す呼び方です。レスポンシブ検索広告は、そのなかの広告フォーマットの1つにあたります。並列の関係ではなく、包含の関係です。リスティング広告の全体像はリスティング広告とは?仕組み・費用・始め方で解説しています。

レスポンシブ広告とは何ですか?

「レスポンシブ広告」という呼び方には、レスポンシブ検索広告とレスポンシブディスプレイ広告の2つが含まれます。前者は検索結果に出るテキスト広告、後者はWebサイトやアプリの広告枠に出る画像付きの広告です。入稿する素材も配信先も違うため、社内で話すときは略さずに呼び分けたほうが混乱しません。

Google広告ではレスポンシブ検索広告を何個まで作れますか?

1つの広告グループに登録できるRSAの本数には上限が設けられています。上限の値は媒体側の仕様であり、変更されることがあります。複数本を入れて比較したい場合は、Google広告ヘルプで現時点の上限を確認してください。なお、1つの広告グループに複数のRSAを入れると配信が分散するため、まずは1本を作り込むほうが検証しやすくなります。

見出しは何本入れるべきですか?

入稿に必要な最低本数は3本ですが、それでは自動最適化がほとんど働きません。uniad(uniad.co.jp)が2026年9月時点で公開している推奨値は8本から10本以上で、うち独自性のある見出しを5本以上としています。6章の8つの型から1本ずつ作れば8本に届くため、まずそこを目標にしてください。

見出しの表示順は指定できますか?

位置の固定機能を使えば、特定の見出しの表示位置を指定できます。ただし固定した分だけ組み合わせの候補が減り、表示機会にも影響します。法令上の記載義務や商標の表示など、必要な理由がある1本に限って使うのが無難です。

広告の有効性は「非常に高い」にすべきですか?

有効性は素材の量と多様性を診断する指標で、成果を保証するものではありません。「非常に高い」を目指して不自然な見出しを足すより、クリック率とコンバージョン率を見て判断してください。有効性が「平均的」でも成果が出ている広告は、無理に触らないほうが安全です。

拡張テキスト広告はまだ使えますか?

拡張テキスト広告の作成・編集の提供状況は、媒体側の仕様変更で変わります。既存の広告が配信され続けるかどうかも含めて、Google広告ヘルプで現時点の状況を確認してください。新規で検索広告を作る場合は、RSAを前提に設計するのが実務上の標準です。

広告文をAIで作っても問題ありませんか?

媒体のポリシー上の問題はありません。ただし、数値・固有名詞・法規制に触れる表現の3箇所は、入稿前に人が必ず確認してください。詳しい手順は9章にまとめています。

13.まとめ

レスポンシブ検索広告は、見出しを最大15本・説明文を最大4本登録し、Googleが自動で組み合わせて表示する形式です。2026年9月時点のGoogle広告の入稿規定では、見出しが半角30文字(全角15文字)、説明文が半角90文字(全角45文字)、表示URLのパスが半角15文字(全角7文字)×2つとなっています。ただし入稿規定は媒体側の仕様であり、変更されることがあります。入稿の前に、必ずGoogle広告ヘルプとLINEヤフー広告ヘルプで現時点の値を確認してください。

この形式で成果を分けるのは、広告文の巧拙よりも素材の幅です。ベネフィット、実績・数値、価格、導入のしやすさ、対象の限定、緊急性、権威づけ、検索語句。この8つの型から1本ずつ作れば8本になり、効きそうな型を2本ずつに増やせば15本の枠が埋まります。埋めることが目的ではなく、違う情報が届く素材を揃えることが目的です。

そして、広告文の改善だけでは成果は完結しません。クリックを集めている訴求がLPのファーストビューにないなら、直す対象はLPのほうです。広告文とLPを別々に扱っている限り、このずれは繰り返し発生します。広告文を触る前に、まず現在の見出し一覧とLPを並べて突き合わせてみてください。1時間もかからずに、次にやるべきことが見えてきます。

  • 広告文とLPを一緒に見直したい方へ
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  • 広告文とLPのずれは、両方を別々に作っていると起きます。CIRCUS Adsは同じ対話の流れからLPと広告キャンペーンの両方を作るため、訴求を揃えた状態で配信を始められます。

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なお、CIRCUS Adsの対応媒体は2026年9月時点でGoogleリスティング広告のみです。LINEヤフー広告やSNS広告も同じ体制で運用したい場合は、対象外になります。AIが作った広告文とLPをそのまま配信するのではなく、9章で挙げた3箇所を社内で確認する時間も必要です。週に2〜3時間程度は、広告の確認と判断に充てられる体制を前提にしてください。

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