「Google Cloud Next '19 in Tokyo」レポート 第二回 セッション:Google Cloud Search Googleの検索技術でビジネス革新

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2018年7月31日(水)・8月1日(木)の2日間、ザ・プリンスパ-クタワー東京/東京プリンスホテルにおいて、Google社が主催する過去最大級の総合イベント「Google Cloud Next'19 in Tokyo」が開催されました。

今年は「かつてないクラウドを体験しよう。」をテーマに、展示会場とセッションルーム、ハンズオンラボなどで構成されました。

「エムタメ!」では、当日のセッションからマーケター向けのものを厳選し、数回にわたりレポートしていきます。

第二回は、国内外で広く使われているGoogleのサーチ技術を企業用途で活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることをテーマに行われたセッションの様子をレポートします。

「Google Cloud Next '19 in Tokyo」レポート

1.Google Cloud Searchとは?

花岡 泰士氏(グーグル合同会社 Google Cloud事業本部長)

第三者機関の調査結果によると、検索マーケットのトレンドとして、情報検索に費やす就業時間の割合は全体の20%にのぼるにも関わらず、エグゼクティブが受け取る情報のうち必要な情報の割合は10%未満であり、また、検索が上手くいかずコンテンツ(資料等)の再作成に費やす時間の割合は38%にもなるといいます。

当日の登壇資料より引用

この傾向は近年に特有のものではなく、かねてから解決されないままの課題であり、また別の調査結果では、世界のデータの90%は過去2年間で作成されたものだといいます。

つまり、情報(コンテンツ)は世界で爆発的に増加しつづけており、企業内を取り巻くエコシステム全体で、クラウド上かオンプレミス上か(格納場所)、構造化か非構造化か(種類)に関わらずコンテンツが増殖しているといえるとのこと。

当日の登壇資料より引用

このような情報過多な環境のなかで、前述の課題を少しでも解決するために、同社の検索技術を活用することを提案するのが「Google Cloud Search」だといます。同サービスは企業で使用することを想定しているため、よりセキュアな環境を用意しているそう。

ここで、Googleが持つミッションと、Google Cloud Searchが持つミッションが掲示されました。

当日の登壇資料より引用

Googleのミッション

世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする

Google Cloud Searchのミッション

企業にとって重要なすべての情報を整理し、企業の人々がアクセスで規定最適な意思決定を実施・共有できるようにする

同サービスは、企業が情報を活用する大きな目的を「意思決定」と「共有」として提供され、検索エンジンのGoogleにあるような過去の検索履歴や行動履歴からマシンラーニングにより検索結果を最適化する機能も引き継がれているといいます。

さらに、同サービスの3つの大きな特徴として、

①ユーザー・コンテキスト

②コンテキスト・コンテキスト

③アプリケーション・コンテキスト

が紹介されました。
これらを一言でまとめると「誰がいつどこで必要としている情報か?」を判断して結果を返すということで、企業が業務に使用しているアプリケーション内から、情報検索ができるということです。

2.海外におけるGoogle Cloud Searchの企業活用事例

マーク フレセル(Google LLC Google Cloud マネージング ディレクター)

つづいて、マーク フレセル氏から、米国とヨーロッパを中心とする海外のGoogle Cloud Searchの企業活用事例が紹介されました。
マーク フレセル氏によれば、同サービスは大量の情報を扱う業界の業務上の課題を解決できるといいます。

1社目の事例は、米コルゲート・パーモリーブ社の紹介でした。同社では、石鹸や洗剤、ペットフードなどの生活用品を開発・製造・販売しています。

Google Cloud Searchは、同社の社内ポータルサイトの改善のために活用されたそうです。
具体的には、SAP、ITヘルプデスクのサポート資料、LumAppsなど、5つ以上のデータソースを検索対象として連携させたといいます。

この結果、膨大な情報のなかから検索キーワードに対し適合性の高い結果をスピーディに得られるようになったと説明しました。

当日の登壇資料より引用

2社目の事例として、米ワールプール・コーポレーションが紹介されました。同社は、白物家電の大手メーカーです。同社が抱えていた課題は、世界の競合他社が製品をリリースするスピードが速く、これに対抗する必要があるという点だったといいます。

当日の登壇資料より引用

そこで、同社が見直したのが設計プロセスで、新商品開発の際、過去に開発した類似製品(部品)の情報を検索できる環境を整えようと考えたそう。該当の情報は21の異なるシステム上に散らばって所在しており、これまでは、探しても見つからなかった場合に1から設計し直していたため、同社には重複する設計図がいくつも存在していたといいます。これが、開発スピードの冗長化につながり、他社のリリースサイクルに負けていた要因だと分析しました。

Google Cloud Searchを導入した結果、設計プロセスにかかる時間を33%も削減でき、コストも1億ドル以上削減したといいます。

3社目の事例として、オランダに本拠地を置くコーニンクレッカ フィリップス社が紹介されました。同社は、ヘルスケア製品・医療関連機器を中心とする電気機器関連機器メーカーです。

同社が抱えていた課題は、病院や医療センターなどに納入した製品に不具合た出た折に、エンジニアが現場で保守対応する際、必要になりそうなすべての情報を事前に検索して持っていくという慣習があり、これに時間と手間がかかっていたことだったといいます。

当日の登壇資料より引用

そこで、Google Cloud Searchが活用され、導入後は、現場にタブレット1台を持っていけば必要な情報のすべてを得られるようになり、検索にかかる時間を27%、保守対応にかかる時間を15%も削減できたといいます。

以上の事例から、Google Cloud Searchを活用して、必要な情報をスピーディに取り寄せられることで事業上の課題を解決できると強調し、マーク フレセル氏は降壇しました。

3.Google Cloud Searchのアーキテクチャ

リカルド ウレーニャ氏(Google LLC Google Cloud グローバル テクニカル プログラム マネージャー)

3人目の登壇者であるリカルド ウレーニャ氏からは、Google Cloud Searchのテクニカル面について解説がなされました。

当日の登壇資料より引用

同サービスはプラットフォームであり、ACL(Access Control List)認識、つまりデータをインデックスする際に、コンテンツ、メタデータ、ユーザーコミュニティを同時に、さらに暗号化してセキュアにインデックスするといいます。

クラウドやオンプレミスなどさまざまなところにあるデータソースを、非常に堅牢性の高いSDK(Software Development Kit)によるコネクタやインデクシングAPI経由などで同サービスへつないでインデックスし、社内ポータルサイトやCRMなどのインターフェースへはクエリAPI経由などでつなぎ、認証を経て利用できる仕組みだといいます。

ほかにも、同サービスと他システムをつなぐコネクタは100以上も用意されており、さまざまなシステムと連携できるそう。

当日の登壇資料より引用

最後に、同サービスの特徴が解説され、セッションは幕を閉じました。

当日の登壇資料より引用

「Google Cloud Next '19 in Tokyo」レポート

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