【#成功のバトン】出張を効率化する「BORDER」は、展示会でリードジェネレーションを最大化している
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突然ですが、海外出張に行くことになったらどんな手配をすれば良いかわかりますか?
主な手配として、行き帰りの交通機関の予約からホテルの予約、ビザの取得、保険があり、すべての手配を行うには2時間ほどもかかります。
残業時間が規制される昨今、一日の業務時間のなかで2時間も取られてしまうのはなかなか痛いもの。
特に総務部などでは、社員から依頼を受けて代行することも多いでしょう。同時に複数名の海外出張者が出た日には、一日の大半が出張手配で終わってしまうという…という事態にもなりかねません。
そこで、こうした出張手配から出張者の安全管理まで、出張の課題を解決するサービスを提供しているのがボーダー株式会社です。
同社がどのようなマーケティング施策を行っているのか、グロースチーム 田中 靖祥さんに伺いました。
- Profile
- 田中 靖祥
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ボーダー株式会社 グロースチーム
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早稲田大学卒業後、新卒で大手小売り企業に入社。その後エンジニアとして株式会社ラクスに入社し、自社サービスのインフラ設計・構築・運用などに従事したのち、同社の企画・マーケティング部門にてBtoBマーケティングや製品企画、新規サービス立ち上げを経験。2018年、ボーダー株式会社にマーケティング・セールス責任者として参画。
1.海外出張にまつわる手配・情報管理・コスト削減を提供
まず初めにボーダー様のメインターゲットとなる企業を教えてください。
当社は、海外出張にまつわる課題を解決することをミッションとしており、海外出張がある企業すべてをサービス対象としています。なかでも、従業員数1,000名以下の中小・中堅企業がメインです。(取材後の10月18日(金)より、国内出張にも対応開始)
業種としては、海外に工場を持つメーカーが多いですが、ITベンダーが視察やエンジニアの採用などを目的として海外出張されることも多いです。
「海外出張の課題」とは、具体的にどんなことなんでしょうか?
海外出張では、現地までの移動と宿泊以外にも、保険や現地での通信手段、ビザなどさまざまな要素が関連してきます。また、飛行機にも直行便と経由便があり、コストや時間の面などからどちらの方が最適か判断に悩む場面も出てくるでしょう。そうした手配業務にだいたい2時間かかります。これを当社に依頼していただければ30分ほどまで短縮できるのです。そうすることで、本業に注力できるようになります。
ビザは盲点かもしれないですね。中国籍や韓国籍など、外国籍の社員の方は、ビザの申請が日本籍と同じ内容ではない国もありますからね。
ええ。団体での出張の場合、全員が同じ飛行機で移動できるかという点も心配だと思います。 また、もう一つ盲点としては、せっかく手配した内容が自社の出張規程に合っていなければ無駄になってしまいます。事前にチェックする必要もあるのです(※出張規程では、役職ごとに宿泊費の上限や、交通機関のシートクラスが決められている企業もあります)。 さらに、手配のやりとりを一つの情報と捉えると、社員が個々にメールや紙ベースで行っている場合、情報の管理体制として望ましくありません。当社では、その部分も含めて請け負っています。
2.サービス開始当初のマーケティング施策は、リスティング広告とオウンドメディアを展開
サービス開始当初、過去にないサービスだったので、認知施策が大変だったのではないかと思うのですが、どのような方法を取られましたか?
私が入社する2018年までは創業者がマーケティングもセールスも担当していました。当時は、リスティング広告とオウンドメディアで集客していたと聞いています。おそらく、最低限のSEOも行っていたでしょう。おもにWebまわりの施策を行っていたようです。
では、現在の施策のなかで一番効果が出ているものというと何でしょうか?
受注に一番、貢献しているのはSEM(Search Engine Marketing…検索エンジンから自社Webサイトへの流入を増やすマーケティング手法)ですね。今後もリスティング広告(検索連動型)には注力していく予定です。昨年も、広告カスタマイザの導入など、テキストのてこ入れに取り組み、かなり拡張しました。キーワードは「海外出張」「出張手配 海外」を中心に出稿し、CVRと、LTVから逆算したCPAで管理しています。LTV は、施策ごとにお客様の規模感の仮説を立て、複数設定しています。CVは資料ダウンロードに設定しています。
また、さまざまなメディアに記事広告を出稿しています。「BORDER」はツールではなくサービスなので、
潜在層の方に内容をわかりやすく理解してもらうには記事広告が合っていると考えたためです。トラベルテック業界自体が盛り上がってきているところですが、まだまだ認知活動は必要な段階なので、商談相手となる総務・管理部門の方が閲覧するような「
オフィスのミカタ」や「
Manegy」などを中心に出稿しています。
Webサイトで工夫されている点はどんなところですか?
もともと、運用しているオウンドメディア「
BORDER MAGAZINE(ボーダーマガジン)」からの流入があり、基本的には狙ったキーワードで高順位を獲得できていました。そのため、サービスサイトでは、導線などの改善に取り組みました。事例を増やし、許可を得てロゴも掲載しはじめたり、代表の細谷が過去に取材を受けたメディア様の記事を紹介したりして、信頼性の面も意識しました。前職でのエンジニア経験を活かし、ワードプレスのレイアウトから手を加えて見やすく改善しました。
3.展示会成功のポイントは、小間・人・装飾
オフラインでは、どのような施策に取り組まれていますか?
展示会に出展しています。展示会には苦い思い出がありまして、ちょうど私が入社した直後に会社として初めての出展が控えていました。初回ということで、私のほかに1~2名の体制で参加し、小間数も少なく、装飾も控え目のコスト重視で臨んだのですが、取りこぼしが多かったり訴求力が弱かったりと、もったいない結果に終わってしまったんです。
ただ、展示会自体へのポテンシャルは大きいと感じたので、これを反省材料とし、改善して次回につなげました。その後も改善を繰り返し、今では展示会がリード獲得施策として大きなインパクトをもっています。
ノベルティグッズには、どういったものを用意されているんですか?
展示会には管理部門の課長以上の方が来場されるケースが多いのですが、
実際に当社のサービスを使われるのは部下の方ですので、その方までマインドシェアを取れるように工夫しています。
来場者は、一部のノベルティは展示会から帰社してから担当者にお土産として渡されるケースが多いのではないかと想定しています。担当者の方に女性が多いということもあり、直近の展示会ではノベルティを蒸気の出るホットアイマスクにしました。共感を得られるような、「出張手配に関する愚痴あるある」のような一言とQRを添えてお配りしています。
そうすると共感から興味を持っていただけ、サービス名を覚えてくれてWebサイトに訪れてくれたりします。
「配って終わり」という消耗品にならないようにしています。
4.出展するなら中途半端にやらない かけるべきところには費用をかける
「中途半端にやらない」を徹底した方が良いですね。
ポイントは、①小間、②人、③装飾の3つです。
まず、①小間ですが、間口を大きく構えるかどうかで名刺の獲得枚数が大きく異なります。
また、角小間であることも意識して出展場所を選んでいます。通路の中ほどで1小間という条件になるとかなり厳しいですね。
次に②人ですが、「人的リソース」と「役割」という2つの意味があります。
「人的リソース」はそのままですが、ピーク時にせっかくブースに来てくれたお客様を取り逃さないだけの人数を投入すべきだと思います。
「役割」は効率化のためのものです。当社では、コンパニオンが「集客担当」し、興味があれば「説明担当」にパス、サービス説明を聞いて温度感が高い方には「デモ担当」が実際の画面をご案内します。
最後に③装飾ですが、展示会のブースはシステムブースではなく木工ブースで訴求力を大事にした方が良いと思います。ブースの訴求力を上げようとすると、展示会場では独自の木工や装飾などが必要になるのでコストも上がるのですが、これを削ってしまうとお客様が入りづらいブースになってしまいます。信頼感はありつつも、訴求力のあるブースになるように試行錯誤しています。
5.【今後の展望】リードナーチャリングを強化していきたい
今後は、どのようなマーケティング施策に取り組む予定ですか?
最近、新たに営業代行も試しているところです。安定的に供給される訳ではないのですが、単純なリードの段階ではなく、商談アポ前提で紹介してもらえるので、費用対効果を読みやすいですね。基本は、リスティング広告やWebサイトからのCVで、こちらを安定的に回しつつ、プラスアルファを営業代行で出すというイメージです。
マーケティング・セールス担当が私一人のため、どうしても手が足りなくて、現状では、やりたいことが全部できている訳ではありません。まず、人を増やしてリードナーチャリングを強化していきたいと思っています。インサイドセールスの導入やリード獲得の強化も検討しています。
理想としている体制は以下の図の通りです。
リード獲得から商談までの流れを一貫して見ることで、ナーチャリングフローを確立したいと思っています。また、エンタープライズのリード獲得やカスタマーサクセス強化にも取り組みたいですね。
盛りだくさんですね!本日は、興味深いお話を、ありがとうございました。
ボーダー株式会社
クラウド出張手配サービス『BORDER』を運営。テクノロジーと新しい働き方を通じて、ビジネスパーソンが世界で活躍する機会を提供しています。
【サービスサイト】https://border.co.jp/