Z世代とは、日本では1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代を指します。
Z世代は、デジタルネイティブであり、SNSネイティブ、さらにスマホネイティブでもあるといった特徴を持っています。
同じ日本でも、生まれた時代によって人が成長する環境は大きく異なり、それぞれの人格形成や趣味趣向、考え方に影響を及ぼします。
今回は、マーケティング考える上で知っておきたい若者世代の一つ「Z世代」について、ミレニアル世代やY世代、α世代との違いも交えながら解説します。
※年代の区切りには、所説あります。
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Z世代とは、日本では主に「Y世代」の後、つまり、1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代を指し、デジタルネイティブであり、SNSネイティブ、さらにスマホネイティブでもあるといった特徴を持ちます。
2021年現在の年齢は、9~21才くらいです。アメリカ合衆国では、1990年中盤から生まれた層も含み、アメリカ心理学会では1997年以降に生まれた層を指すなど、定義はさまざまあります。
Z世代の語源は、アメリカ合衆国での世代の呼び方に由来しています。
もともとアメリカ合衆国で、1965~1980年頃に生まれた世代が「ジェネレーションX(X世代)」とよばれていました。これは、カナダの作家、ダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX』から来ており、ケネディ政権頃からベトナム戦争終結後頃までの間に生まれた世代を指します。
アルファベット順でXの次がYであることから、この後の世代が「ジェネレーションY(Y世代)」とよばれ、さらにその後の世代が「ジェネレーションZ(Z世代)」とよばれています。
※年代の区切りには、所説あります。
前章で「X世代」について触れましたが、Z世代のほかにも、比較的若い世代を指す言葉がいくつかあるので、ご紹介します。
ミレニアル世代は、ミレニアム(新千年紀)に由来しており、1983年頃から1995年頃までに生まれ、2000年以降に成人を迎えた世代を指します。
日本のほか、アメリカ合衆国や英語圏の国々で共通している世代区分です。
Y世代も、日本のほか、アメリカ合衆国や英語圏の国々で共通する区分で、前章で触れた「X世代」の後、つまり1981年頃から1990年台後半頃までに生まれた世代を指します。
つまり、Y世代が指す年代は、「ミレニアル世代」と重なっています。
改めて、Z世代とは、Y世代、X世代に由来しており、大元となるX世代の由来は、カナダ人作家ダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX』から取られています。
Z世代が指すのは、1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代です。
α世代は、Z世代の次に当たる世代で、アルファベットの最後である「Z」の後がないため、ギリシャ文字の最初に当たるαが採用されたといわれています。
α世代が指すのは、2013年頃から2020年代中盤までに生まれるとされる世代です。
これも、日本のほか、アメリカ合衆国や英語圏の国々で共通している世代区分です。
※各年代の区切りには、所説あります。
これらすべてに共通するのが、学生時代からデジタル機器やインターネットに触れてきた「デジタルネイティブ」であるという点です
Z世代の特徴は、上で触れた「デジタルネイティブ」だけではありません。
ここでは、Z世代の5つの特徴をご紹介します。
まずは、なんといってもデジタルネイティブであるということ。
デジタルネイティブとは、学生の頃からPCやインターネットに触れてきた世代のことで、日本では、1980年以降に生まれた世代とされています。つまり、Z世代だけでなく、ミレニアル世代やY世代もデジタルネイティブに該当します。
ただ、Z世代ならではの特徴は、生まれた時にはもうインターネットやデジタル機器が身近にあったということ。生活の中でデジタルを活用することが当たり前の「真のデジタルネイティブ世代」であるともいえます。
デジタルネイティブとも関連しますが、Z世代の学生時代には、もうスマートフォンが世の中に浸透していました。つまり、ガラケーを使ったことがない世代であるということです。
スマホ1台あれば、情報収集やショッピングのほか、読書や勉強、ゲーム、はたまたネットバンキングから就職活動まで何でもできてしまうため、逆にそれ以外のテレビや本、雑誌といったメディア離れが進んでいるともいわれます。
スマートフォンと一緒に世の中に広がっていったのがSNSです。Z世代は、学生時代にはSNSが一般的だったという「SNSネイティブ」でもあります。
すでに、一般個人や芸能人、企業などのさまざまな炎上事例を目にしてきており、その分、プライバシーには慎重になっており、個人情報をうかつにさらすことがない傾向がみられます。その一方で、口コミなどのフィードバックを積極的に行う面もあります。
タレントなどよりもインフルエンサーの影響力が強く、SNS広告にも寛容ですが、広告のスキップを選択できることも重視しています。
また、SNS広告を中心とするターゲティング広告への親和性が高く、パーソナライズされていない広告はあまり見たことがないという点にも注意を払う必要があるでしょう。
ダイバーシティとは、多様性と訳され、いろいろな種類や傾向があり、変化に富んでいることを指します。
インクルージョンとは、インクルーシブ社会ともいわれ、社会を構成する人たちには性別や人種、生涯の有無などさまざまな背景があることが前提であり、誰も排除されるべきではないという考え方に基づく社会のことです。
どちらも似た考え方であり、SNSネイティブであるがゆえにSNSいじめや、SNS上で繰り広げられるさまざまな論争を目の当たりにしてきたことから、Z世代は、これらの考え方を重視しているといわれています。
実際に、認定特定非営利活動法人ReBit(りびっと)が18~25歳のZ世代を対象として2020年9月から10月にかけて実施したインターネット調査によれば、「職場においてD&Iが推進されていることは、職業を選択する際や、働き続ける上で重要な要素だと思いますか?」の問いに対し、「そう思う」「ややそう思う」が併せて97.1%にものぼったといいます。
(出典:【新型コロナ拡大以降のD&I意識調査】Z世代の65%がダイバーシティ&インクルージョンをより重要視するように。多様な人財が活躍できる風土や、働き方の多様性を推進する制度を求める声も。認定NPO法人 ReBit)
Z世代は、VRを始めとする新しいテクノロジーに関心が強い傾向もあります。
これは、Z世代の特徴というよりは、購買層の中で最も若い世代ゆえの特徴かもしれません。
Z世代をターゲットとするマーケティングやセールス施策を実施するなら、VRや音声入力による購買、ライブ映像配信、360°動画など、目新しいテクノロジーを取り入れるのが得策かもしれません。
さらに、マーケターにとって最も関心の高いであろう「Z世代の消費の仕方」については、次章で詳しくご紹介いたします。
Z世代の中には、2007~2010年の世界金融危機を見て育った層も含まれます。このためか、あまり消費に積極的ではないとの見方もありますが、Z世代も他世代同様、ショッピングなどを楽しんでおり、ブランド品や高価なものを志向しないだけで、クーポンなどをうまく利用しながらマイペースに購買しているようです。
前章でも触れましたが、SNSネイティブであることから、CMや雑誌で取り上げられている商品よりも自分がフォローしているインフルエンサーに強く影響される傾向があり、自分が「価値がある」と判断した商品に対しては支出を惜しまない世代です。特に、モノよりも体験・経験に消費する傾向もあります。
Z世代のうち、2002年以降に生まれた層にはすでに働いている人たちもいます。
Z世代は、キャリアに対して保守的で、働き方も「安定志向」であるといわれます。起業や転職をするよりも、一度就職した企業に長く勤めたいという堅実な仕事観を持っている人が多く、ダイバーシティやインクルージョンを重視するZ世代だけあって、仕事を通して社会課題の解決に貢献することを望む人も多いようです。
著:斉藤 徹 Kindle版(2020年10月発刊)
引用元:Amazon
ここまで、Z世代に関する基本的な情報をご紹介してきましたが、Z世代について、より詳しく、より深く知りたいという場合は、体系的に網羅された本を読むのが一番です。
実際にZ世代の学生たちと「イノベーションチームdot」を立ち上げて、活動を行ってきた著者が、調査データを盛り込みながらZ世代の本音に迫ったのが本書(電子書籍)です。
マーケター向けに書かれており、価格も手頃なので、一読してみてはいかがでしょうか。
【『ソーシャルネイティブ、「Z世代の本音」を探る』のもくじ】
●1章 「新村社会」から飛び出したZ世代 ケータイ世代とスマホ世代における価値観の違いとは?
●2章 Z世代、正しく理解できていますか? マーケターが理解しておくべき「Z世代の消費行動」
●3章 Z世代=「若者」とひと括りにしていませんか? 4タイプの特性とソーシャル利用を解説
●4章 ミレニアル世代の心を動かすディスラプター、その主役もミレニアル世代へ
●付録 数字で見る「Z世代」
引用元:Amazon
これまで、消費の主役としてもてはやされてきたミレニアル世代から、続くZ世代へと世代交代されつつあります。
これは、特にBtoC企業のマーケターのみなさまにとっては大きな変化でしょう。
Z世代には、Y世代ともまた違う特徴的な世代です。
消費には消極的だともいわれますが、自身の価値観で「良い商品・サービス」だと判断すれば支出を惜しまない世代です。
Z世代をターゲットとするなら、マーケティングにインフルエンサーやターゲティング広告をうまく活用して心を掴みましょう。