オンラインでもオフラインでも、動画を活用したコンテンツや広告を頻繁に見かけるようになりました。今やサービス説明や商品紹介、企業のPRおける動画活用は、マーケティング活動を行なっていく上では有効な施策の1つとなっています。
これだけ動画コンテンツが増えたのは、インターネット回線の高速化やスマートフォンの普及といったインフラの発達も背景にありますが、情報量の多さや見る人に強く訴えかける力、一度、動画を制作すれば幅広い媒体で活用できるといった動画コンテンツが持つメリットが大きいためでしょう。
 
そこで本コラムでは、これからサービス紹介・商品説明動画を制作したいと考えている企業様や、既存のサービス紹介・商品説明動画をブラッシュアップする予定のある企業様向けに、BtoB、BtoCのサービス紹介・商品説明動画事例をご紹介します。ご紹介する動画コンテンツ事例を活かして、ぜひ自社の魅力をアピールできる動画制作を検討してみてはいかがでしょうか。
デジタルマーケティングの基本内容を全130ページの資料にまとめました!BtoB、BtoCの資料がセットでダウンロードできますので、これからデジタルマーケティングを学ぼうとしているすべての方におすすめの資料です!
目次
5.まとめ
YouTube総研の発表によれば、動画広告市場は2020年には2,000億円突破すると推計されています。動画コンテンツが埋め込まれているWebサイトも、よく見かけるようになりました。インターネット回線の高速化やスマホの普及を背景に、動画コンテンツは消費者の生活に確実に浸透しているといえるでしょう。
 
ここで改めて、動画コンテンツのメリットを確認してみましょう。
人間には本能で動くものに目がいくという特性があるので、自動的に再生されるように設定してWebサイト上に動画を掲載しておけば、Webサイトを訪れたユーザーの注意を引くことができます。
また、動画では音声も使えるので、目と耳の両方に同時にアピールでき、より強く印象づけることが可能です。
先ほどもふれましたが、動画には映像だけではなく音声も入れられるため、静止画に比べると圧倒的に情報量が多く、一説では5,000倍にもなるといわれています。
そのため、短時間で多くの内容を伝えることができ、見る人の記憶にも残りやすいというメリットがあります。
今回のテーマである「サービス・商品紹介動画」とは種類が異なりますが、BGMを入れたイメージ動画を活用すれば、企業やブランドのイメージ向上を図ることができます。
採用を目的として学生など応募者向けに制作・活用するという方法もあります。
制作した動画は、Webサイトへの掲載だけでなく、SNSにアップしたり、店頭や展示会などで放映したりと、さまざまな使い道があります。SNSで指示を集めれば拡散も期待できます。
企業が動画を活用する方法は広告やWebサイトへの掲載、デジタルサイネージなどさまざまありますが、汎用性があって利用しやすい動画の種類の一つに「サービス紹介・商品説明」があります。
 
ここでは、閲覧者にうまくアピールできるサービス紹介・商品説明動画制作のポイントをご紹介します。
サービスという目に見えない商材を動画で訴求するには、サービスの内容や価値をビジュアル化する必要があります。
サービスをビジュアル化する方法のうち、もっとも取り組みやすいのが、実際にサービスを提供している様子を動画に収録すること。これにより、「目に見えないから不安。実際にサービスを受けてみるまでわからない」という心理的なハードルを下げてあげるのです。閲覧者は自分が実際にサービスを受けたときのイメージを重ね合わせながら動画を閲覧してくれます。
 
また、難易度が少し上がりますが、サービス提供の裏側を見せるという方法もあります。たとえば、サービス提供に向けた準備の様子、サービス後のメンテナンス風景といった普段はお客様には見せない舞台裏を見せるのです。これにより、信頼感や安心感を醸成するのが狙いです。
形のある商品の場合、ほとんど商品の正面しか捉えることのない静止画とは異なり、動画なら実物を手に取ってみないとわからないような側面や底面、裏面まで、360度見せることができます。
 
また、目に見える商品を提供しているとはいえ、お客様は商品そのものではなくその効果を求めているケースも多々あります。要は「ドリルを買う人が欲しいのは“穴”である」ということです。
このように提供価値を訴求するという意味では、形のある商材であっても前項で取り上げた形のないサービスのビジュアル化と同じ切り口で動画を制作する必要があります。
商品の使用風景や効果がわかる動画をストーリー仕立てで制作して感情移入させたり、商品の企画開発の様子や製造風景を収録して商品づくりへのこだわりや品質管理、安全性の高さを訴求するといった具合です。
動画にはストーリー性が必要になります。どのような展開にするか、シナリオを作成します。その際、気を付けて欲しいのが、提供者視点ではなくお客様の視点に立って動画を見たときに魅力的に映るかどうかを意識するということ。
 
特別な工夫なしに利用者視点の動画を作ることができる手法の一つに、実際にサービスを利用しているお客様へのインタビューがあります。顧客満足度の高いお客様のなかからインタビューに協力してくれるところを選び、導入担当者、ユーザー部門の社員など、複数名の方たちにインタビューを行い、その様子をまとめます。
インタビューの流れは「導入検討時、選定時、導入時、運用時、将来の展望」といった具合に時系列に進めましょう。
 
動画のシナリオをオリジナルで1から作成するのは困難だという方は、自分が良いと思う動画のシナリオを取り入れてみると良いでしょう。次章でご紹介するサービス紹介動画事例を、ぜひ参考にしてみてください。
ここからは、実際のサービス・商品紹介動画例をご紹介します。
まずは、BtoBのサービス・商品紹介動画例です。
 
マーケテイングオートメーション「BowNow(バウナウ)」のサービス紹介動画です。
わかりずらいマーケテイングオートメーションというサービスをアニメーションを使ってわかりやすく説明しています。
中盤からは、営業部門とマーケティング部門でのそれぞれの利用シーンを説明していて、実際の運用イメージがわきやすいようになっています。
 
保育園・こども園向けのインターネット写真販売サービス「ルクミーフォト」のサービス紹介動画です。
 
冒頭でサービスのメリットを伝えたあと、保育士さんや先生の「子どもの写真をデジカメで撮影してパソコンに取り込んで…」という作業が大変だという悩みに共感させるという流れで展開します。保護者がサービスに満足している様子も表現されています。
後半には、実際にサービスを導入しているお客様からのコメントも収録されています。
 
サービスのメリットを十分にアピールしたあと、動画の最後に導入費用が無料であることを明かすことで閲覧者の心理から意外性を引き出すことに成功しています。
 
給与即日払いサービス「Payme」のサービス紹介動画です。同サービスを導入した企業で働く従業員は、給与日を待たずに、働いた分の給与を受け取ることができます。
 
冒頭では、単身世帯の2人に1人が貯蓄ゼロであることにふれ、月に1回の給与日では待ちきれないという、アルバイトなどの若い従業員の事情を説明し、企業側を啓蒙します。
その後、アルバイトの1ヵ月以内の離職率が20%であることを紹介し、企業側の共感をあおっています。
そして、双方の悩みを解決できる手段としてPaymeが紹介されています。
後半では、同サービスのメリットと、導入費用・月額料金が無料であることが訴求されます。
 
イラストとサービスカラーのイエローがポップな印象で、テンポ良く展開されるので飽きずに最後まで閲覧できます。
 
クラウド人材管理ツール「カオナビ」のサービス紹介動画です。顔写真と人事評価、職務経歴などの人材情報を一緒に管理することで「顔と名前が一致しない」という事態を避けることができ、特に現場にいないことが多いマネジメント層向けのサービスです。
 
序盤では、アニメーションを使って同サービスの概要を説明し、中盤~終盤までは、同サービスの導入事例が紹介されています。
 
ビジネス用チャットツール「ChatWork」のサービス紹介動画です。承認したメンバーに対し、メッセージやファイルを送信でき、マイチャットという自分だけが閲覧できるエリアはメモやファイル置き場として活用できます。
 
サービス動画として「チャットワーク新規登録(無料)はこちら」「有料版のメリット」などの複数の動画がアップされており、いずれも実際の画面を使用したものとなっています。
 
ある程度、サービスが認知されているため、ユーザーが抱える具体的な疑問に答えるかたちの動画が用意されているとみられます。
 
店舗向けBGMアプリ「モンスター・チャンネル」のサービス紹介動画です。従来の有線放送に代わって利用できるサービスで、費用は有線の1/3。
 
冒頭では、店舗でCDなどの音楽を流す際は著作権使用料の支払いが必要であり、無許可のまま使用料未払いで利用している店舗が多いと、啓蒙する内容からスタートしており、潜在層をターゲットとした動画であることがわかります。
 
中盤では、パソコン、スマホ、タブレットに対応している利便性や、豊富な曲数を訴求し、最後に月額料金と14日間の無料トライアルが案内されて動画は終了します。
 
カーシェアリングのタイムズが提供する法人向けサービスを1枚のカードに集約した「ビジネスカード」のサービス紹介動画です。レンタカー、カーシェア、駐車場などをキャッシュレスで利用できます。
 
社用車使用時、カーシェアを社用車として利用する場合、レンタカーを社用車として利用する場合の3つのパターンがアニメーションでテンポ良く紹介されています。
 
日本最大級のアニメーション動画制作・映像制作クラウドソーシング「Crevo(クレボ)」のサービス紹介動画です。
 
53秒の短い動画のなかで、動画を発注したい企業が抱える「動画制作の流れがわからない」「動画の効果がわからない」という2つの課題を同サービスが解決できることを訴求しています。
BtoCサービス・商品の紹介動画例をご紹介します。
 
パナソニックのくらしの統合プラットフォーム「HomeX」と、クックパッドのスマートキッチンサービス「OiCy」を活用した料理体験のコンセプトムービーです。
ハードウェアとレシピを組み合わせるサービスで、パナソニックが提供する家電やサービスを統合するHomeXからクックパッドのOiCyを利用すると、レシピと連動してキッチンデバイスを操作したり、火加減などの調理ログを記録することができます。
「料理体験」という提供価値に共感してもらえるように、いくつかの活用シーンをアニメーションで表現し、手料理をもっと楽しくしようというコンセプトの理解を進めています。
 
『リゾートバイトでタダ旅!!!』がキャッチコピーの、リゾートで働きながら旅行できるサービス「ハッシャダイリゾート」のサービス紹介動画です。旅先で働くことを前提に、交通費・滞在費とも0円で行き来できることが売り。サービス利用のためのやりとりは、チャットやLINEで行えます。
特にリゾート先にレジャーを求めないという場合は、アルバイトだけをして過ごしてもよく、同じ勤務先・仕事内容なら他社よりも高い時給を保証する「最高水準自給保証」がついています。
 
前半でサービスの概要を、後半では使い方を、それぞれアニメーションを使って説明しています。
メリットについての説明は特にありませんが、サービスそのものが魅力的であることからあえて動画の内容には含めなくても良いという判断があったのではないでしょうか。シンプルに楽しさが伝わってくる動画に仕上がっています。
 
中古マンションを購入してリノベーションを行うという2つのサービスを組み合わせた「リノベる。」のサービス紹介動画です。
 
アニメーションを使い、1組のカップルがショールームを見学してローンを組み、マンションを購入し、リノベーションを行って新しい暮らしを始めるまでの流れをストーリーで見せるという作りになっており、具体的な流れがわかりやすく紹介されています。
 
ある程度、中古マンションの購入やリノベーションについて本腰を入れて検討している層をターゲットとした動画になっています。
 
日本初の銀行口座と連動した自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」のサービス紹介動画です。
 
動画は「あなたは貯金に対し、どんなイメージを持っていますか?」という問いかけから始まり、貯金が貯まらない理由が列挙され、閲覧者の共感を引き出しています。
その後、同アプリを使えば貯金が楽しく簡単に続けられること、アプリの仕組みと使い方が紹介され、最後に応用的な使い方として、家族や仲間との「シェア貯金」の仕組みが紹介されます。
 
実際の画面はあまり表示されず、イメージで訴求するタイプのサービス動画です。
 
施設の予約・順番受付サイト「EPARK(イーパーク)」のサービス紹介動画です。
 
アニメーションで、両親と娘の3人家族が飲食店や薬局、美容サロンや歯医者などを回り、待たずに利用できる様子を紹介していきます。
 
最後に表示される2つのキャッチコピー「待ち時間のストレスからあなたを開放」「WEBの予約で、ロスタイムをグッドタイムに」が印象的です。
 
マイカーを利用した個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」のサービス紹介動画です。
 
こちらもアニメーションを活用した動画で、冒頭でマイカーのオーナーが抱える悩みを列挙し、Anycaで解決できることを示した後、使い方の紹介という流れ。
動画の後半では、2つのメリットと、安心・安全のためのサービスについてアニメーションで説明されています。
 
全体を通してアニメーションを使った丁寧な説明が特徴的で、わかりやすくさ、親しみやすさが全面に出されています。
 
日立グローバルライフソリューションズ株式会社の提供する、食に関する経験・感動などを共有するコミュニティアプリ「ペロリッヂ」のサービス紹介動画です。
 
食材のコマ撮りとアニメーションを組み合わせ、同アプリでできることを訴求しています。機能や使い方の説明よりも、同アプリを使う楽しさが表現されたイメージ動画に近い内容となっています。
シナリオを真似たいサービス動画は見つかりましたか?
ここでご紹介した以外にもさまざまな業界で動画コンテンツが制作されているので、ぜひYoutubeなどでさまざまなサービス動画を閲覧して、良いポイント、悪いポイントを分析し、自社のサービス動画制作に活かしてみてください。
これまで2,200社以上のマーケティングに携わったノウハウを活かして、この度BtoB企業の為のマーケティングハンドブックを作成しました。
 
【関連記事】