SDGs(持続可能な開発目標)とは?課題・企業の取り組み事例・本などをまとめました!~企業ブランディング活動に明確な指標を~

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「SDGs」とは、Sustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」と訳されます。

 

2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」にて全会一致で採択されたアジェンダのなかで掲げられた17の目標と169のターゲットから成り、2015~2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく力を尽くすという内容で、民間企業による取り組みが求められている点が特徴です。

SDGsに取り組むことは、企業にとっては義務でもありますが、同時にメリットも大きく、事業内容や経営理念と結びつけて中長期的に取り組むことで、ブランディングや実利につながります。

 

一方で、実態が伴わない宣伝行為などに対しては「SDGsウォッシュ」だと批判を浴びる可能性も高く、目標を掲げて積極的に取り組む必要があります。

SDGsとは?

「SDGs」とは、Sustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」と訳されます。
読み方は「エス・ディー・ジーズ」です。

 

2015年9月25~27日にニューヨーク国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」で150を超える加盟国首脳の参加のもと、全会一致で採択された成果文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」のなかで、17の目標と169のターゲットが掲げられました。

 

これが「持続可能な開発目標(SDGs)」で、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継に当たります。

国連に加盟するすべての国は、採択したアジェンダをもとに、2015~2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく力を尽くすことになっています。

17の国際目標

「持続可能な開発目標(SDGs)」のなかで掲げられた17の国際目標は、次の通りです。

画像出典:国際連合広報センター:SDGsのロゴ

  1. 貧困をなくそう(あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる)
  2. 飢餓をゼロに(飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する)
  3. すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)
  4. 質の高い教育をみんなに(すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)
  5. ジェンダー平等を実現しよう(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う)
  6. 安全な水とトイレを世界中に(すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する)
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する)
  8. 働きがいも経済成長も(包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する)
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう(強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る)
  10. 人や国の不平等をなくそう(各国内及び各国間の不平等を是正する)
  11. 住み続けられるまちづくりを(包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する)
  12. つくる責任 つかう責任(持続可能な生産消費形態を確保する)
  13. 気候変動に具体的な対策を(気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる)
  14. 海の豊かさを守ろう(持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する)
  15. 陸の豊かさも守ろう(陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する)
  16. 平和と公正をすべての人に(持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する)
  17. パートナーシップで目標を達成しよう(持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する)

SDGs(持続可能な開発目標)に関する実態調査

2015年9月の採択から4年が経過したアジェンダですが、日本における実態はどうなっているのでしょうか?

普段の生活において

ドローン事業やイベント事業を手がける株式会社AIRが運営する女子会コミュニティ「Kanatta」の登録メンバー(「SDGs」を知っている約200人の20代から60代の男女)を対象に行ったアンケート調査によれば、普段の生活でも関わりがあると感じているSDGsの項目トップ3は、多い順に「5 ジェンダー平等の実現」「8 働きがいも経済成長も」「3 すべての人に健康と福祉を」だったといいます。

また、49.8%の方が、学校や職場、また収入の違いでジェンダーの不平等さがあるように感じていることがわかったそうです。

出典:SDGsに関するアンケート

企業において(上場企業)

知の実践研究・教育の学校法人先端教育機構に附属する研究機関で企業におけるSDGsの実践のための研究・評価・教育を行う学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学 事業構想研究所(SDGs総研)のWebサイトによれば、上場企業を対象に2018年度に行われたSDGsに関する調査で、約70%が「企業の責任として重要と考えている」と回答しているものの、「今後の取り組みの予定がある」と回答したのは約40%にとどまるといいます。

出典:「社会課題(SDGs等)解決に向けた取り組みと国際機関・政府・産業界の連携のあり方に関する調査研究報告書」一般社団法人 企業活力研究所(平成29年3月)

外務省が主催する「ジャパンSDGsアワード」が、今年(2019年)で第3回を迎えるものの、企業におけるSDGsへの取り組みも、本格化するのはこれからといえそうです。

なぜ企業が取り組む必要があるのか?

2000年に承認された、SDGsの前身となるMDGsや1997年に京都で開催された気候変動枠組条約締結国会議で掲げられた目標などは、国やNGOが主体になるものが多く、一人ひとりが当事者意識を持ちにくいという課題がありました。
これを背景に、SDGsでは、民間企業による取り組みを求めました

ただ、義務だから取り組まなくてはならないという側面だけでなく、取り組むことで得られるメリットもあります。

ブランディング

SDGsに取り組んでいることをアピールすることで、企業に対する良いイメージが醸成され、ブランディングにつながります

一般的なブランディングの施策というと、広告出稿や商品開発などがありますが、CMをどれだけ打つかといった指標を定めるのは難しいもの。
そこで、たとえば「CO2排出量を10%削減する」というようにSDGsと絡めた指標を立てることができるようになります。

社会貢献

SDGsの目標達成を支援するような商品・サービスの開発・提供を行ったり、事業活動そのものにSDGsの考え方を組み込んで、事業を行うことで収益を上げると同時にSDGsの目標達成につながるようなビジネスモデルに変換することで、社会貢献になります

課題

企業単位での取り組みが求められているSDGsですが、取り組むに当たり、企業にとって課題となる点もあります。

「SDGsウォッシュ」にならない

かつて、環境問題に取り組んでいることをPRしていた企業が、実は環境破壊につながるような活動を行っていたことがわかり、グリーンウォッシュ(Greenwash)とよばれて社会問題に発展したことがあります。
グリーンウォッシュとは、「過失・欠点などを隠すための体裁のいいごまかし」を意味するホワイトウォッシュ(Whitewash)にかけた造語ですが、そこから派生したのが「SDGsウォッシュ」です。

実態が伴わないのに、一見、SDGsに取り組んでいるふりをすれば「SDGsウォッシュ」との批判を受けるでしょう。
今やSDGsは世界的に注目を集めているトレンドワードで、取り組む企業が増えてきています。
同時に、消費者が企業を見る目も少しずつ「SDGsへの取り組み方」を切り口としたものにシフトしていくことが予想されます。

そうなってくると、消費者の目も「SDGsウォッシュ」ではないかどうかという視点にとどまらず、本気取り組んでいるかどうかを見極めるシビアなものになってくるでしょう。

グリーンウォッシュやSDGsウォッシュとは少し違いますが、過去に、世界的なスポーツ商品メーカーであるナイキが下請け業者を介して児童労働を行っていたことが判明し、不買運動により大きな打撃を受けました。
もう「何をしていてもバレなければ大丈夫」という程度のスタンスでいては、消費者の目はごまかせない時代なのです。

経営理念と掲げているSDGs項目が遠くならない

SDGsは、中長期的な視野で取り組む必要があります。
無理をせずに継続的にSDGsに取り組めるよう、掲げるSDGs項目は自社の事業内容から遠くないものにするのが、失敗回避のポイントとなります。


SDGsの取り組みをスタートするこの機会に経営理念も見直し、SDGsと適応したものに変更するのも一つの方法でしょう。

取り組み方

企業が初めてSDGsに取り組む際に、方法としてはさまざまなアプローチがありますが、ここで、基本的な取り組み方の一例をご紹介します。

【ステップ1】経営理念に関係するSDGs項目を整理する

先ほどもお伝えした通り、SDGsの取り組みと事業継続、また経営理念とは密接なつながりを持ちます。
最初に、自社の経営理念を紐解き、事業内容とも絡めつつ、SDGsの17のゴール・169のターゲット項目のなかから関係性の深い項目を精査してみましょう。

【ステップ2】優先順位をつけて活動内容を決める

【ステップ1】で洗い出した項目が複数ある場合は、取り組む優先順位をつけます。
このときの判断基準としては、自社の事業内容に対し貢献度の高いものから優先的に取り組むのが良いでしょう。

さらに、具体的な活動内容に落とし込み、目標を達成する期限を設定します。

【ステップ3】取り組む「項目と活動」を内外に向けて報告する

【ステップ2】で決定したSDGs項目と活動内容、目標の数値や期限などを社内・社外へ向けて発信します。
社内に対しても発信するのは、実際に活動を行うのが社員だからです。理念などを理解してもらい、積極的に取り組んでもらいましょう。

企業の取り組み事例

ここで、取り組みの参考となる具体的な取り組み事例をご紹介します。

楽天株式会社

■SDGs項目:

12. つくる責任 つかう責任(持続可能な生産消費形態を確保する)

インターネットショッピングモール「楽天市場」を中心とするインターネットサービスを展開する楽天株式会社が取り組むSDGsは、「未来の環境、社会、経済を考慮した」商品を購入できるインターネットショッピングモール「EARTH MALL with Rakuten」のオープンです。

楽天の主力ビジネスであるインターネットショッピング事業を通じてSDGsの実現に貢献していきたいという想いから誕生したという「EARTH MALL with Rakuten 」では、「MSC(海の資源や環境に配慮した漁業)」、「FSC(森を守り必要な分だけ切られた木材)」といった各種国際認証を取得した商品などを取り扱っています。

株式会社学研ホールディングス/株式会社学研プラス/NPO法人Earth Literacy Program

■SDGs項目:

3.すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)

4.質の高い教育をみんなに(すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)

11.住み続けられるまちづくりを(包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する)

教育サービスを中心に介護施設などを運営する学研ホールディングスと、その子会社である学研プラス、「地球時代にふさわしい新たなメディア・プラットフォームづくりを目指す実験プロジェクト」を掲げるNPO法人Earth Literacy Programは、2019年9月2~13日の日程で、SDGsを地球目線で学べる展示イベント「SDGsミュージアム2019 in Gakken」を開催しました。

株式会社学研ホールディングスは、3つのSDGs項目を重点目標として設定していますが、今回のイベントは「4.質の高い教育をみんなに」を中心に実現したものといえます。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

■SDGs項目:

3.すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)

5.ジェンダー平等を実現しよう(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う)

製薬や医療機器、ヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業、ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人であるジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社は、育児・介護を目的として年間20日を上限とした在宅勤務制度、未就学児がいる従業員を対象に時短制度を用意し、子育てとキャリアの両立を支援しています。

また、LGBTへの差別の排除や理解を促すための社内活動として、LGBT当事者の従業員による社内向け交流会や、非当事者によるサポートメンバーの結成などに取り組み、LGBTなどに関する取り組みを評価する「Pride指標」で、最高評価の「ゴールド」を受賞し、さらに「ゴールド」の中から5社のみに贈られるベストプラクティスアワードにも選ばれています。

ユニリーバ

■SDGs項目:

3.すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)

食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造・販売する多国籍企業、ユニリーバでは、インドにおいて自社の石鹸ブランド「Lifebuoy」を活用した手洗い促進キャンペーン「Help A Child Reach 5」を開催しました。

この結果、子供の下痢の発生を36%から5%まで減少させることに成功しました。

時期としては「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択前ですが、市場の開拓もできた社会貢献活動としてSDGsの取り組みで参考になる事例です。

日本電気株式会社(NEC)

■SDGs項目:

1.貧困をなくそう(あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる)

2.飢餓をゼロに(飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する)

3.すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)

4.質の高い教育をみんなに(すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する) ほか

電機メーカー大手の日本電気株式会社(NEC)では、2014年にブランドステートメント「Orchestrating a brighter world」を策定しており、このなかで「Safer Cities & Public Services(安全・安心な都市・行政基盤)」「Lifeline Infrastructure(安全・高効率なライフライン)」といった地球規模の課題に対応する「7つの社会価値創造テーマ」を立てて社会価値創造に取り組んでいます。

この「7つの社会価値創造テーマ」はSDGsとも親和性が高く、チリの公立学校1,200校に指紋認証を活用した給食配給管理システムを導入し、生徒一人ひとりに適正な給食を確実に配給したり、生徒個別の給食配給履歴を活用し、子供たちの栄養と健康の改善・管理を強化するなど、国内外でさまざまなSDGs事例を生み出しています。

株式会社朝日新聞社

■SDGs項目:

17.パートナーシップで目標を達成しよう(持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する) ほか

株式会社朝日新聞社はSDGsに賛同し、特集記事などを通じてSDGsについて積極的に報道したり、各種イベントを開催しています。




このほかにもさまざまな企業がSDGsに取り組んでおり、外務省の「JAPAN SDGs Action Platform」サイトの「取組事例」ページで紹介されています。

イベント&セミナー

事例のなかでもいくつかの企業がSDGs項目の取り組みとしてイベントを開催しているのをご紹介しましたが、SDGsを周知し、SDGsについて参加者とともに考えるきっかけとしてもイベント開催は有効です。

これからSDGsをテーマとして開催予定のイベントやセミナーをご紹介します。

第1期SDGsフォーラム

企業などの経営上の課題解決を支援している一般社団法人日本能率協会が主催するセミナーです。

意識の高いビジネスパーソンが定期的に集い、SDGsを経営と統合する“方法論” について、実践的に討議、アウトプットを創出すると共にメンバー企業でのプレ運用、およびそこから得られる知見を交流する場として開催されています。

会期:2019年11月~2020年2月(計3回)

会場:TKP神保町出版クラブホール(東京都千代田区)

定員:30社程度

費用:法人会員 15万円/1社(2名まで)

           JMAQA会員 15万円/1社(2名まで)

           会員外 16万5,000円/1社(2名まで)

日経SDGsフォーラム

日本経済新聞社と東京海上日動が主催する日経SDGsフォーラムの特別シンポジウムで、タイトルとして、東京海上日動創立140周年・マングローブ植林20周年記念「地球の未来にかける保険『マングローブ植林』を通じた社会価値創出」がつけられています。

東京海上日動が20年にわたって継続してきたマングローブ植林の成果や今後に向けた課題を議論し、人・地球・社会のサステナブルな未来づくりやSDGs達成への道のりについて考えていくという内容となっています。

会期:2019年10月8日(火) 14:30~17:00 (開場14:00)

会場:東商グランドホール(東京都千代田)

定員:350名

費用:無料

SDGs新事業プロジェクト研究

先ほどもご紹介したSDGs総研が、毎月、「SDGs新事業プロジェクト研究」「エネルギー・気候変動分野 SDGs新事業プロジェクト研究」などのテーマで複数回の無料セミナーを開催しています。

会場:事業構想大学院大学(東京都港区)、事業構想大学院(大阪府大阪市)

費用:無料

SDGs×幸福×経営シンポジウム

SDGsの広報支援や構築支援、推進者の育成支援などを手がけ、中小企業のためのSDGs専門メディア「SDGsジャーナル」を運営するSDGs支援機構が主催するシンポジウムで、タイトルとして、「『誰もが幸せに生きる持続可能な社会』を実現する為に」がつけられています。

「世界幸福度報告書」のランキングでは155ヵ国中58位と、先進国の中でも極めて幸福度が低い日本でSDGsを通して「幸福」を実現することをテーマとしたシンポジウムです。

会期:2019年11月15日(金) 13:00~17:30

会場:慶応義塾大学 三田キャンパス(東京都港区)

費用:無料

主な表彰

SDGsに取り組む企業を評価し、表彰する主な制度に「ジャパンSDGsアワード」があります。

ジャパンSDGsアワード

ジャパンSDGsアワードは、SDGs達成に資する優れた取り組みを行う企業・団体等を表彰するもので、受賞団体は、NGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関等の広範な関係者が集まるSDGs推進円卓会議構成員から成る選考委員会の意見を踏まえて決定されています。

直近では、第3回が2019年8月5日~2019年9月30日の期間で公募されています。

第2回、第1回の主な受賞企業と取り組み内容は、以下の通りです。

第2回ジャパンSDGsアワード

■SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞:

・株式会社日本フードエコロジーセンター(「食品ロスに新たな価値を」という企業理念の下、食品廃棄物を有効活用するリキッド発酵飼料(リキッド・エコフィード)を産学官連携で開発し、廃棄物処理業と飼料製造業の2つの側面を持つ新たなビジネスモデルを実現)

■SDGs副本部長(内閣官房長官)賞:

・日本生活協同組合連合会(生協の全国連合会として、2018年に全国の生協がSDGs達成に大きく貢献することを社会的にコミットした「コープSDGs行動宣言」を策定・採択。行動宣言の採択に合わせ、「日本生協連SDGs取組方針2018」を取りまとめ、さまざまな取り組みを実施)

・鹿児島県大崎町(「混ぜればゴミ、分ければ資源」の考え方を地域住民に浸透させるとともに、27品目分別の行政・企業・住民協働型のリサイクル事業を実施。その結果、リサイクル率80%を達成し,平成18年以降、11年連続で資源リサイクル率日本一を記録。このリサイクル事業は「大崎システム」として国際展開も)

・一般社団法人ラ・バルカグループ(障がい者や引きこもり、障がいを持つ子供の母親など未経験者でも積極的に働けることを重視し、多様な人々が働けるチョコレートブランド「久遠チョコレート」を全国展開。国内各地の食材を活用した商品開発を進め、地域の特産品開発にも貢献)

第1回ジャパンSDGsアワード

■SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞:

・北海道下川町(町の憲法ともいわれる「下川町自治基本条例」に「持続可能な地域社会の実現」を位置付け、①森林総合産業の構築(経済)、②地域エネルギー自給と低炭素化(環境)、③超高齢化対応社会の創造(社会)に統合的に取り組む。)

■SDGs副本部長(内閣官房長官)賞:

・特定非営利法人しんせい(東日本大震災の原発事故で避難した人たちの中でもっとも置き去りにされやすい障がい者の支援(特に障がい者の就労向上)を目指し、双葉郡から避難した福祉事務所の運営が窮地に陥いる中、新たな商品を開発してネット販売につなげ、分業体制で全国からの受注に応える仕組みを構築)

・パルシステム生活協同組合連合会(グループ理念「心豊かな共生の社会を創ります」に基づき、2014年度から「『ほんもの実感!』くらしづくりアクション」をスタート。持続可能性を追求し、社会のあり方や環境影響、パートナーシップを考慮した商品や生産から消費、廃棄までを含めた消費行動のことを「ほんもの」と表現し、社会に行動を呼びかけ)

・金沢工業大学(3つのキャンパスにSDGs推進拠点を設置し、SDGsの達成に向け、学部・学科を超えた全学体制で取り組む。SDGsに特化した通年カリキュラムを設け、SDGs達成に貢献する次世代リーダー育成と具体的な成果の創出に取り組む)

関連団体

SDGsに特化した団体がいくつかあり、情報発信やツール提供など、企業の取り組み支援を行っています。これから取り組む企業様は以下でご紹介する関連団体のWebサイトにもアクセスしてみてください。

SDGs総研

本コラムですでに何度か出てきた「SDGs総研」は、知の実践研究・教育の学校法人先端教育機構に附属する研究機関です。

企業におけるSDGsの実践のための研究・評価・教育を行っており、具体的には、SDGsのプロジェクト研究のほか、Webサイトでの情報発信やセミナー・イベントの開催、書籍・雑誌の出版などを手がけています。

■所在地:東京都港区南青山3-13-16

■連絡先:03-3478-8411(代)

一般社団法人SDGsプラットフォーム

「一般社団法人SDGsプラットフォーム」は、SDGsと企業を結び、社会の悩みを解決するプラットフォームとして、セミナーや勉強会の開催などの事業を行っています。SDGsの活用術が共有される会員を募集しています。

■所在地:東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア

■代表者:小巻 亜矢

一般社団法人SDGs支援機構

一般社団法人SDGs支援機構は、SDGsの構築支援やSDGs推進者の育成支援、SDGs広報支援、実践企業の見学会などを手がけています。

また、中小企業がビジネスを通してSDGsを実践する為の情報に特化したメディア「SDGsジャーナル」を運営しています。

■所在地:東京都千代田区平河町一丁目6番15号 USビル8F(本社)

■代表者:河上伸之輔、楠瀬健之

■連絡先:support@sdgs-support.or.jp

一般社団法人イマココラボ

一般社団法人イマココラボは、個人と組織の意識変容を通じて、社会システムの変革に貢献することをミッション掲げ、意識変革のための支援を行っている団体です。ビジョン/中期経営計画、リーダーシップ/組織開発、社内浸透などさまざまなサービスを提供しています。

特徴は、SDGsの世界観を体験するためにカードゲームを取り入れている点。ゲームをプレイするなかで、現在から2030年までの道のりを体験できます。

■所在地:東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム722

■代表者:稲村 健夫

関連本・参考書

SDGsを特集した書籍や雑誌も多数出版されているので、代表的なものをご紹介します。

alterna(オルタナ)

出版:オルタナ編集部

画像引用元: http://www.alterna.co.jp/

alterna(オルタナ)は、「ビジネスを通じて社会課題を解決する」を副題に持つ雑誌で、創刊は2007年4月号。

SDGsに関連した特集が組まれたバックナンバーは、47号(2016年12月16日発売)の「SDGs、世界に浸透 日本の出遅れ目立つ」、55号(2018年12月17日発売)の「SDGsウォッシュ 回避への9行動」、56号(2019年3月29日発売)の「SDGsビジネス戦略:アウトサイドインは昭和と海外に学べ」など。

FRaU 2019年1月号

出版:講談社

画像引用元: 公式サイト

25~29歳の女性向けファッション・カルチャー・ライフスタイル雑誌「FRaU」。2019年1月号は、特集テーマがSDGsです。国内女性誌で初めて「SDGs」を一冊丸ごと特集しています。

SDGs入門

出版:日本経済新聞出版社

画像引用元: 日本経済新聞出版社

SDGsの入門書として2019年6月に出版された書籍です。著者は村上 芽と渡辺 珠子で、2人とも数多くのセミナーや講演を担当しており、17の項目のなかでビジネスに直結し、導入しやすいもの、かつよく質問を受ける内容を中心に構成されています。

「SDGsが何なのかを知りたい」という方に最適です。

SDGsの実践 自治体・地域活性化編

出版:事業構想大学院大学 出版部

画像引用元: SDGs総研

SDGs総研が出版している書籍で、地方自治体や地域活性に取り組む地域企業向けに、地方創生と絡めたSDGsへの取り組み方が解説されています。

月刊 広報会議 2019年7月号「広報のためのSDGs入門II」

出版:事業構想大学院大学 出版部

画像引用元: SDGs総研

同じくSDGs総研が出版している雑誌で、広報担当者向けにSDGsを広報活動にはどう取り入れるか、をテーマに構成されています。「SDGs入門I」の無料ダウンロード付き。

SDGs経営

事業構想大学院大学 出版部

画像引用元: SDGs総研

こちらもSDGs総研が出版する雑誌で、「新たな事業と人材が、持続可能な未来を拓く」をサブタイトルに持ちます。

最新号であるvol.3の特集は「時代に即した行動が持続可能な未来を拓く金融の新しい活かし方」。「金融とSDGs」をテーマに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・吉高まり氏のほか8名の金融専門家からの寄稿が掲載されています。

まとめ

SDGsの超初歩的ともいえる内容をお届けしました。SDGs以外にもいえることですが、新しい取り組みにはコストがかかり、リスクも伴います。ただ、SDGsがビジネスチャンスであり、ポジティブに捉えて積極的に取り組むことがポイントとなりそうです。

自社の強みや今後の方向性とマッチするSDGsの取り組みを企画するために、まず、SDGsについて理解するところから始めましょう。

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